第92回:2012年12月15日 赤テーマ 「体験!アイデア創発ラボラトリ」中部支部

2012年12月定例会 赤テーマ 報告

■日 時: 2012年12月15日(土) 13:00〜17:30
■場 所: 東桜会館 第二会議室
■参加者: 24名(会員22名 、非会員2名  担当含む)
■担 当: 宮田基、徳山可之 (FAJ中部支部)
■テーマ: 体験!アイデア創発ラボラトリ

○担当からのメッセージ:
「なかなか良いアイデアが出ない...」「ありきたりのアイデアしか浮かばない...」
職場の会議や打ち合わせをしている時、皆さんはこんな場面に出くわすことがありませんか?
「独創的なアイデア」って一体何なのでしょうか?どうやって生み出されるのでしょうか?
アイデアの発想を阻んでいるものとは一体何でしょうか?...そもそも「アイデア」って何??
今回の中部支部12月定例会赤テーマでは,「スタンフォード白熱教室」でも話題になった「最悪と最高のアイデア」を発想するプログラムをヒントに,右脳と左脳を行ったり来たりする実験的なダイアログを行います。みなさんの常識を打ち破るような斬新なアイデアはどのようなプロセスから生まれてくるのか,どんな場がふさわしいのか,どんな仕掛けが必要になってくるのか,ファシリテーションの立場を考えつつ真っ向から向き合ってみたいと思います。
2012年も最後の月。新しい一年を迎える前に,自分でも気付かないうちに捉われているさまざまな「枠(フレーム)」を取り払う、ワクワクドキドキな体験を楽しんでみませんか?
スーパーマンではなく、ごく平凡な人の集まりから画期的なアイデアが誕生する瞬間に立ち会えるかもしれません。きっと新しい一年がもっと新しく感じるようになるはずです。みなさんのご参加お待ちしています!!

○ねらい
・アイデアの創発を阻害する「既成概念」や「経験」などの枠を取り外す。
・常識を打ち破る斬新なアイデアを生み出す。
・アイデア創発しやすい環境(レイアウト)を試みる。

○ゴール
・「ワク」を外す
・「へぇ〜」「ほぉ〜」があった
・「やってみよう」という気持ちになる

○プロセス
1.オリエンテーション
「グランドルール」「今日のゴール」「プログラム」

2.レクチャー
チームでアイデアを創発する5つのステージについて説明
[フィールドワーク]⇒[ブレーンストーミング]⇒[ディベロップメント]⇒[プロトタイピング]⇒「フィードバック」
『アイデア・イノベーション』(堀公俊・加藤彰:共著)

3.アイスブレイク
1) 円座に座った状態で両隣の人と自己紹介(名前、干支)する。
2) 違う人と両隣になるように円座になり、同じく両隣の人と自己紹介する。
3) 1)⇒2)を2回繰り返す。
4) 巳年を先頭に干支の順番に並びなおす。

4.チーム分け
干支順に並んだ状態で先頭から「子」「丑」「寅」「卯」「辰」を繰り返して同じ干支でチームになる。

5.チェックイン
グループに分かれて「今日の期待」「なぜ参加したか」を共有。
各チームのレイアウトは、壁に模造紙を2枚貼り、直交方向にホワイトボードを配置。

6.ワーク(1) 〜最高のお化け屋敷をアイデア創発する〜
1)【最高】のお化け屋敷についてブレーンストーミングでアイデアを創発する :[ブレーンストーミング:5分]
2)出てきたアイデアから「最高のお化け屋敷」のコンセプトをポストイットに記入する :[ディベロップメント:1分]
3)次に【最低】のお化け屋敷についてブレーンストーミングでアイデアを創発する :[ブレーンストーミング:5分]
4)出てきたアイデアから「最低のお化け屋敷」のコンセプトをポストイットに記入する :[ディベロップメント:1分]
5)【最高】コンセプトを捨てて【最低】コンセプトを隣のチームに渡す
6)【最低】コンセプトから「最高のお化け屋敷」についてブレーンストーミングでアイデアを創発する:[ブレーンストーミング:5分]
7)出てきたアイデアから「最高のお化け屋敷」のコンセプトとプレゼンテーションを創る:[ディベロップメント&プロトタイピング:5分]
8)「最高のお化け屋敷」についてチーム毎にプレゼンテーションを行う 

7.ワーク(2) 〜新しい紙容器の提案〜
1)全員で紙パックの常識をブレーンストーミングで列挙しホワイトボードに書く :[ブレーンストーミング:3分]
2)全員で紙パックの常識の【誇張】をブレーンストーミングで列挙。ポストイットに記入する [ブレーンストーミング:3分]
3)紙パックの常識の【反対】をブレーンストーミングで列挙。ポストイットに記入する [ブレーンストーミング:3分]
4)各チームの代表者が【誇張】と【反転】から1つずつポストイットを選ぶ
5)チームに分かれ【誇張】と【反対】から「新しいコンセプトの紙容器」についてのアイデアを創発する[ディベロップメント&プロトタイピング:10分]
6)「新しい紙容器」についてチーム毎にプレゼンテーションを行う 

8.振り返り
チーム毎に本日のワークを振り返る

9.フィードバック
全員で円座になって「今日の気付き」と「担当に一言」を一人ずつ発表
【今日の気付き】
・最高と最低は紙一重だと思った
・制約が思考を促進させる
・枠を外す一見遠回りなプロセスが大切。さらに誰もが楽しめるために安心・安全を確保することも大切だと知った
・異質のものを組み合わせてもの・考えを生み出すのは大事です。「へー」「ほー」が実感できた
・〆切効果のトライアルが欲しかった
・敢えて「ストレッチ」させる⇒そのために・・・先入観、常識を考える
・他人のアイデアを無理矢理でも入れることによって自分が思ってもみなかった発想をすることができた
・アイデア発想は見える化とユーモアが重要である
・2面で思考することで脳を刺激することができる。壁に当たるまで沈考することでアイデアが生まれる!!
【担当に一言】
・自由な発想ができそうなのんびりした雰囲気はなかなか良かった
・干支でチームを作るのはなかなか難しかった
・時間設計を考えて頂けばもっと話が発展した
・プログラム・プロセスを創り上げながら進めている姿こそ、ラボラトリー(研究所)だと実感!
・「へー」「ほー」がでなかったが、大変さが見て取れた
・二人の掛け合いが漫才みたいで良かった


○担当者の感想
【みやちゃん】
・ティナ・シーリグ氏の「白熱教室」のフレームをそのまま流用し、肉付けを「お化け屋敷」や「紙容器」に変えて行いました。
発想法のいくつかがこのフレームに綿密に散りばめられていて、その強固さがよく分かりました。
・当初はロールプレイを含む発表方法をくじで決めてもらう予定でした。実際は「CM」という投げかけのみで、具体的な方法はグループに任せることにしました。できれば限定することも試して、ロールプレイの効果も感じてみたいです。
・漫才のようなやりとりでMFを行うのは一つの選択肢だと思います。ファシリテーターのパーソナリティって本当に大切だなと素直に感じました。真面目なとくちゃんが引っぱってくれたので、僕は結構テキトーにリラックスした状態でいられました。
【とく】
・想像していなかったようなアイデアが創発され、チームでアイデアを発想することの意義と効果が実感できました。
・チームによってアイデア発想のプロセスが「マインドマップ」であったり、ポストイットを使ったブレストであったりと多様で面白かったです。
・アイデア創発のために予め壁に模造紙を貼ったり、ホワイトボードで他のチームと隔離したりとレイアウトの工夫をしました。チームによっては全員が模造紙の前に立っていたり、ファシリテーターが一人立っていたりと様々で、企画側の狙いはほぼ達成できたと思います。
・初めてのMFで自分が立てたストーリーを忠実に守ろうとしていましたが、相方のみやちゃんの場の流れによって働きかけ方を変えるファシリテートが非常に勉強になりました。