第97回:2013年5月12日 体験! Deloberative Poll:DP (討論型世論調査)中部支部

中部支部5月定例会 レポート
テーマ: 体験! Deloberative Poll:DP (討論型世論調査)

■日 時: 2013年5月12日(日) 13:00〜17:30
■場 所: 金山 長谷川ビル 7F
■参加者: 41名(会員37名、非会員4名、講師1名)
■担 当: 上井 靖、 杉原 廣二、 梅谷 秀治、 百野 あけみ(FAJ会員)

◆テーマ: 【体験! DP : Deliberative Polling 討論型世論調査】

◆ねらい(本イベント全体):
・DPとは何か、について知識を得てもらう
・DPのモデレーターの役割とミッションについてを理解し、ファシリテーターとしての場への関わり方について各々振り返ってもらう
・互いに意見や考えを尊重し合いながら討論する「熟議」を通じて、自分とは異なった意見や価値観に触れた時に自分の意思決定にどのように影響するのかを体験し、そこから何らかの気付きと学びを得る

◆内容:

12:30 会場準備 ・机&椅子のセッティング・スクリーン/プロジェクターのセッティング
13:00 オープニング 本日の定例会の説明
13:15 グループ分け ・男女に分かれる⇒それぞれでラインアップ(年齢の若い順)
男子チームのみ番号かけ(女子はこっそり)
13:30 DPの説明  (1)DPとは?
        (2)モデレータとは?
        (3)モデレータの役割
14:00 モデレータトレーニング モデレーターの心得と制約条件とは?
14:15 小グループ討論
モデレーターロールプレイ ロールプレイによるモデレータートレーニング
14:30 ロールプレイ質疑応答 モデレーターに対する質問&FB
14:45 1回目アンケート(挙手) 挙手にて討論テーマに対するアンケート
14:50 休憩&資料を読む 各自で休憩をとりながら、討議資料を読む
15:05 小グループ討論 年金をどうする〜世代の選択
テーマ:基礎年金の仕組と財源の選択
16:15 2回目アンケート(挙手) 挙手にて討論テーマに対するアンケート
16:20 グループ毎振り返り 討論の間に感じていたことは?
どんな気持ちだったか?
何に気付いたか?
16:40 モデレータの振り返りと愛を込めたフィードバック 討論の間に感じていたことは?
どんな気持ちだったか?
何に気付いたか?
16:55 全体振り返り 何を感じましたか?何に気付きましたか?
何を得ましたか?今の気持ちは?
17:15 参考:実際のDP報告より 実際のDP報告より世論調査の在り方への提言
17:20 クロージング  


4.所感と振り返り
◆担当より
DP全体のどの部分のワークの焦点を当てるか、モデレーターのトレーニングはどのように実現するか、討論のテーマを何にするかなど、プログラムデザインにはかなり苦労を要した。
結果として、狙いを「モデレーター体験」ではなく(モデレーターを体験できる人は限られてしまうため)、DPの小討論会そのものを体験してもらうことで、DP自体の臨場感を体験してもらうことを狙いとしたプログラムとした。

また、討論のテーマについても、実際に全国DPで取り上げた「年金」を取り上げ、資料もそのままのものを使用して、当日の討議までに資料を事前に読んで来てもらうことで、DPワークの臨んでもらうこととした。

宿題が多く、テーマもこれまでの定例会のものとはかなり異色のものであったため、参加人数が心配されたが、定員を上回る方々の参加をしていただき、思いの他「DP」そのものへの関心の高さを感じさせられた。

これまでの定例会ではあまりなかった「ひたすら討論のテーマ(コンテンツ)にのめり込んで議論に熱中して下さい」というワークの主旨に、最初は少し戸惑い(特にベテランの方々)も感じられたが、徐々に本番さながらの討議が展開され、殆ど介入のないモデレーターの存在下での討議がどのように展開されて行くのか、というのを実感していただけたのではないかと思う。

介入のないファシリテーションの元で、それぞれの討議者の発言が尊重され、そして、そこに参加していること自体が、全ての参加者から承認されることで、安心安全の発言の場が醸成され、議論が活性化し、そしてその討論を通じて徐々にチームビルディングされていくということを、討議参加者は大いに体験して頂けたのではないだろうか。

この独特なファシリテーションスタイルは、私達の通常のファシリテーションの在り方、自分のたたずまいに対して、モデレーターを体験された参加者はもとより、討議に参加し、コンテンツにのめり込んだ参加者の皆さんにとっても、それぞれに気付きをもたらしたののではないかと思う。

(文責:百野)