第10回:2004年6月12日 激突!ファシリテーショングラフィックの鉄人達関西支部

第10回関西地区研究会議事録

■日時   2004年6月12日(土)13:00 〜17:00
■場所   大阪本町 トータルサポートブレインズ 3F会議室
■出席者  合計33名
■内容   テーマ「激突!ファシリテーショングラフィックの鉄人達」
■担当   FGの鉄人(加藤氏、志賀氏)+堀

1.イントロダクション

  ・初参加者の自己紹介
  ・ワークショップの狙い、背景、進行等の説明
  ・各人のグラフィック度をバズ

2.鉄人の技から学ぼう!

 1)鉄人の技を観察しよう
  ・堀のミニ講演(15分)を鉄人が模造紙にFGで記録していき全員で
   観察、違いを比較する。
  ・テーマは「ファシリテーショングラフィック(FG)の描き方」
   →事前の打ち合わせはなしで、この時に初めてテーマを伝えた。
  ・両氏とも縦位置で3枚を横貼り。プロッキーを使用。

 2)観察したことをシェア→志賀氏がFGで記録 <K>加藤、<S>志賀
  ・<K>ビジネス議事録風、<S>パワーポイント風→最初からは難しい?
  ・<S>空間の使い方がよい。テーマ「FG」を中心に書いてビックリ!
   →最初から配置を考えていたのかな?
  ・見出しのつけ方、キャッチが違う。
  ・<K><S>長い発言のときはすぐに書かない。→ヒッカケだったのに。
  ・<K>ナマの声が入っている→議論の流れが見えやすい。
  ・<S>書くこと自体がパフォーマンスになっている。
  ・<S>果たして訓練して書けるようになるのか?
  ・<K>より<S>が書き始めるのが遅い。→タイトルをいつも最後に。
  ・「FGを書くテクニック」の項目数(構造)が違う。
  ・色の使い方が参考になる。
   <K>アンダーラインで意味付け、<S>黒がない
  ・二人はそれぞれにリズムがある。
  ・<S>カタカナを使っている
  ・<K>色の使い方が機能的→色の意味が明確。
  ・<K>時間軸(接続詞あり)、<S>空間的(接続詞なし)
  ・<S>字が大きく遠くから見え易い、<K>話の流れが分かり易い。
  ・二人とも書き損じが少ない。アルファベットが少ない。
  ・<S>失敗のリスクが高いのではないか?
  ・<S>小さい図だが意味がよく伝わる。漢字は大きくひらがなは小さい。
  ・<S>ブロックで形づくられている→失敗が少ないのでは?
  ・<K>その場にいなかった人にも内容が伝わる。
   話者の言葉で記録。初めての人でもプロセスがわかる
  ・<S>その場の雰囲気が伝わる。コンテクスチュアル。
   バーンと結論を伝える。筆者なりにアレンジしている。

 3)鉄人への質疑応答→松永氏がFGで記録
  ・<S>書くスペース(模造紙の枚数等)はどうやって決めているのか?
   →内容と聴衆から見易さから計算。足りなくなれば増やせばよい。
  ・<S>表題を書く位置はいつも真ん中なのか?
   →両者の違いを見せたかった。目的は記録ではなく会議の活性化。
  ・<S>議論のテーマが見えないときは?
   →3〜6の要素に分けて書く。どうとでもなる。
  ・<S>フレームを最初にイメージするのか?
   →中心に表題をおけば、上下左右に展開する形になる。
  ・<S>発散する会議はどのように記録するのか?
   →シンポジウム等ではマンダラ型(KJ法的なブロック化)
    プロセス通りに記録する場合もある
  ・<S>黒を使わないのはなぜ?
   →『参加のデザイン道具箱』で黒はお奨めしていない。
    色には役割があり黒は沈んでしまう。赤とともに最後にキープ。
  ・<K>色の使い分けのルールは?
   →ビジネス系の基調は黒(会議室には黒しか用意されていない)。
    重要ポイントは赤、青は付記、紫が目立つと気づいた。
  ・<K>スペースの使い方の考え方は?
   →書き漏らすのは嫌い。ポイント見落とすリスクを考えて全部書く。
  ・<S>頭のメモリに溜めて書くのは難しいのでは?
   →大切なものは見えないようにメモしておく。頭文字で覚えておく。
  ・<S>色づけの仕方は?
   →適当(センス)です。
  ・<S>どういう時に絵(図)を書き加えようと思うのか?
   →話を聞いて絵柄(視覚的イメージ)が浮かんだ時。
  ・<K><S>紙が足らなくなったら、追加はどこに貼る?
   →今書いた3枚の下
  ・<K><S>「失敗した」と思う箇所はないか?
   →FGのメリットを1枚に書きたかった<K>。
    講演より会議の方が大変。最初で構図が決まれば
    失敗しない<S>。
  ・<S>普段も書く方に専念?
   →記録専門が多い。書いてもらって話すこともある。
  ・<S>二人でファシリテートすることは?
   →実際はその方が多い。相方によって役割は変える。

 4)FGに対する両鉄人の考え方→松永氏がFGで記録
  <加藤氏>
   ・①全ての発言を書く、②本人の言葉で書く、③後でまとめ直す
   ・キーワードの広い方=要約の仕方がFGのポイント。それに
    尽きる!
  <志賀氏>
   ・FGとは「プロセスを管理しながらコンテンツを記録すること」
   ・場面で描き方は変わる。会議では時間配分やアジェンダも書く。
   ・「発言者を安心させる」効果を一番に考えている
    →安心できる場づくり、信頼感を大切に、質問で発言意図を確認
   ・コミュニティ系では参加性>効率性、ビジネス系ではその反対。
   ・見易さを考えて、漢字は大きく、縦線太く横線細く
   ・FGの四つの窓
    ①意義/目的:よいチームづくり、話し合いの場を活性化する
    ②技術   :文字、色、アイコン、メリハリのつけ方・・・
    ③構造化  :要約の仕方、全体の整理、目的に応じた構図
    ④倫理観  :FGで会議の流れや活性度が変わり、責任重大!

3.実際にやってみよう

 1)議論を記録してみよう
  ・両鉄人+堀の討論(20分)を全員が模造紙(1枚)またはA3用紙
   (2〜3枚)にFGで記録していく。
  ・テーマは「FGのスキルは訓練で学べるものなのか?」

 2)個人別の振り返り
  ・一人ひとりの作品について、鉄人を中心に全員でフィードバック。
   →内容が多様すぎて、詳細は省略。
  ・志賀氏が3人の議論の内容(コンテンツ)をFGで説明。
   ①基本スキル :ペンの持ち方、会場設営等→できる
   ②発言の要約 :ポイント、キーワード、意味→可能だが適性あり
   ③全体の構造化:ブロック化、パターン→可能だがさらに適性あり
   訓練によって潜在的な能力を持っている人を発掘はできる
   ※記録者が構造化まですべきなのか?
   ※ファシリテーションと記録の両方を一人でやるべきか?

 3)全体の振り返り
  ・ワークショップ全体を通じての気づきを話し合う。
  ・参考文献の紹介、フィードバックシートへの記入。

鉄人の技を解説する九州の志賀さん 鉄人達の熱い討論を全員がFGに記録