第108回2013年5月度定例会テーマ「問題をほぐす『智慧の車座』 〜主体的な行動の起点を生みだす場をデザインする〜 」関西支部

第108回2013年5月度定例研究会レポート

日時

2013年5月11日(土)13:00〜16:45

場所

西宮市民会館 301号室

テーマ名

『問題をほぐす『智慧の車座』 〜主体的な行動の起点を生みだす場をデザインする〜 』

ファシリテーター

加藤雅則さん

コーディネータ;山村さん(FAJ会員)

参加人数

49名

<告知文>

「智慧の車座」は、5〜6人の小グループを基本単位にした「問題をほぐす」対話の手法です。「問題をほぐす」とは、テーマー・オーナーが、問題自体をじっくり語りなおすことで、問題を目的に変換しようとする試みです。問題解決思考は問題を分解することで、原因を特定し、有効な打ち手を生み出します。極めて効率的な手法ですが、時にかえって問題を"固定化"してしまう場合があります。「問題をほぐす」とは、「問題解決」(Problem Solving)に対して「問題解消」(Di-Solving)とされ、「問題を問題でなくする」アプローチです。その主な特徴は、問題を語りなおすことで、問題を構成する物語(語り)が解きほぐされ、再編集される点です。その結果、問題の"自分ゴト化"が進み、問題が目的に変わる場合もあるのです。このプロセスは、自分の「本音」を語りなおすことにより、潜在意識に眠る「本心」に気づき、その「本心」を起点に、自分自身を立て直す一連の作業と考えています。

<プログラム概要>

13:00 智慧の車座の成り立ち、進行方法、運営のポイント等の解説
13:50 智慧の車座の体験(1回目)
14:20 車座を体験してみての感想のシェア、基本スキルの確認等
14:50 休憩
15:10  智慧の車座体験(第2回目)
15:45  全体振り返り・質疑応答
16:50  終了

<参加者コメント>

・テーマオーナーが車座の円の内側に振り向いた時、表情が変わっていたのがよく
わかった。
・背中越しに話し合いを聞いていた時、自分の中の考えを再確認できた。
(テーマオーナー)
・一通り事柄を聞かないと、その人に焦点を当てた質問に入りにくかった。
・「〜さんは」とか、「〜さんにとって」とか、テーマオーナーの名前を主語にした質問
の方が直接焦点を当てやすい。
・直感を伝える時、時間があると考えて答えてしまう。
・質問や直感を伝える時等は模造紙を使っても良いのでは?
・本人に焦点をあてた質問が中々出にくかった。
・テーマの再確認で問題提示者に葛藤が起きているのが分かった。
・テーマオーナーだったが、問題をほぐしてもらい気持ちが軽くなった。
・支援者だったが、話していて自分の問題であるように感じた。
・会社のチームビルディングに使えるのではと感じた。
・テーマオーナーで質問をテンポよくもらったので、回答も事実を淡々と述べたが、
自分がどう感じたとか伝えていいかどうか迷った。

<MF振り返り>

1回目ではステップの流れを確認し、2回目で各ステップでのポイントをグループごとに具体的に介入し、指摘した。多少、グループごとのバラツキはあったものの、車座の醍醐味、問題解消と問題解決の違いは体験していただけたと思う。一方、実際の組織で実践する場合の工夫、いわば、開催前の仕掛け方については、十分な解説と質疑応答ができなかったのが残念であり、今後の運営課題となった。

以上。