第11回:2004年7月10日 あなたならどうする? コミュニティのファシリテーション関西支部

第11回関西地区研究会議事録

■日時   2004年7月10日(土)13:00 〜17:00
■場所   京都烏丸 産業会館
■出席者  合計33名
■内容   テーマ「あなたならどうする? コミュニティのファシリ
        テーション」
■担当   TEAM0710(瀬部・三浦・増馬氏)

1.イントロダクション
・初参加者の自己紹介
・プログラムの概要(ホワイトボードに記述)、背景、狙いの説明
・事前配布資料の説明
 →赤、青、黄の三枚のハガキ大のカードを各自に配布
 →参加者の意思確認のために使用する
<事前配布資料>3色のカード、振り返りシート

2.ブループラネット(アイスブレイク)13:15〜13:35
<用意するもの>地球の表面が描かれたビーチボール
・地球の表面が描かれているビーチボールが登場。
・地球の表面に水はどのくらいの割合で存在するかを聞く。
 →7割くらいという意見。(学校で習った)
・それをお手軽に確かめてみましょう。
・ビーチボールを地球の縮小版と見たてます。輪になって、ビーチボールを投げてもらい、受け取った人の親指が「水」にあるか「土地」にあるかを宣言してもらう。
・みなさんが宣言した「水」「土地」の数をホワイトボードに記す。
・「水」「水」「土地」「水」「土地」「土地」「水」「水」...
・50回宣言してもらったところで集計。
 →結果は「水」:36回、「土地」:14回。
  割合にしてみると「水」は72%であった。
・事前の予想は「7割くらい」ということで、予想は正解!!
・事前配布しておいた「振り返りシート」の「1 あなたが、おもろいと感じたのは」について記入。
・地球という大規模な事象をお手軽に体験できるアイスブレイクはこれにて終了。

3.あなたの色に染めて(グループ分け)13:35〜13:45
<用意するもの>6種類のシール
・アイスブレイク中に参加者の背中に6種類のシールを貼っておく。
・シールの種類ごとにグループを結成してもらう。もちろん自分のシールが何かはわからない。
・「声を出さずに」というルールを設けて、みんなで協力してグループ毎に集まれたところでテーブルに着席。

4.あなたのまちはどんな味(グループ内での自己紹介)13:45〜14:00
<用意するもの>名札用シール
・名札に「呼んでもらいたい名前」と「自分の住んでいるまちを食べ物の味に例えるとどんな味がするか」を記入。
・グループ内で名札に書いたことをもとに自己紹介

5.塵もつもれば(アクティビティ1)14:00〜14:45
<用意するもの>模造紙大の紙(川の絵をあらかじめ描いたもの)、マジック
5−1
・片側に川の絵が描いてある模造紙を各グループに配布。
・アクティビティの説明。
 →「グループのメンバーは一つの家族です。その家族はおじいちゃんが亡くなったために莫大な遺産を手にします。それは100億円という大金と川のある大きな土地(大阪城公園くらい)です。おじいちゃんはその遺産を「全部使い切るように」と、残された家族に言い残しました。お金や土地の使い道は基本的に自由ですが、貯金や投資などといった使い方は遺言の意に反します。全部使い切って、何もない大きな土地を開発してください。」
・配布した模造紙を土地に見立てて、各グループ開発開始!!
・家、道路、野球場、ジェットコースター、ヨットハーバー、ゴルフ場、学校、お約束の温泉など様々なものがまちに出来てきました。

5−2
・各グループで開発したまちにキャッチコピー(名称)を付けてもらい、まちの概要をみんなの前で発表。
 →各グループが付けた名称と開発概要
  1)「LIFE UNIVERSITY」 全体を学校にして、生涯学習のできる
   まち。サッカー場、船着場、花畑などがある。
  2)「しあわせグリーンランド」 映画館、牧場、テニスコート、温泉、
   公園などがある。
  3)「みんなでハンモック」 ゴルフ場、コテージ、湖、ハンモックなど
   がある。
  4)「再生の街」 野球場(FAJバッファローズ)、ジェットコースター、
   サッカー場、森、桟橋などがある。
  5)「○○○」 家、テニスコート、温泉、砂浜、ヨットハーバー、川、
   湖などがある。
  6)「湖夢タウン」 城、音楽ホール、野球場、コテージ、牧場など
   がある。
・みなさんの思いが詰まったまちができあがりました。

5−3
・発表が終わったところで意思確認。
 →「夢は一杯ありましたが書ききれた方?は1番(黄色カード)まだの
  方は?2番(青色カード)」と参加者意思確認。
 →ほとんどの方が書ききれていた。
・続いての説明。
 →「みなさんが作り上げた素敵なまちには、環境に影響があり
  汚染源となりうるモノがあります。そのモノの上にマジックか
  小物を置いてください。」
・各グループ作業開始。次々と汚染源にマジックや小物が乗せられていく。

5−4
・各グループが乗せられたところで、研修室の真ん中にスペースを作って、各グループのまちを川を中心にして繋げて並べる。(左右2枚で3段)
・そこで、各グループが話し合って出した汚染源について、発表。
 →各グループの発表毎に全体ファシリテーター(三浦さん)が汚染源
  をチェック。
 →点汚染と面汚染の話を含めてコメントし、汚染源が抜け落ちている
  ところを指摘して、汚染源にマジックや小物を追加していく。
・全グループの汚染源チェックが終わったところで、説明。
 →「実はみなさんが開発したまちは隣同士でした。川の上流と下流で
  結ばれていたのです。みなさんのまちでの汚染源は、川に 流れ
  込み、下流へと流れていきます。(三浦さんが汚染源のマジックや
  小物を川に集めて、下流に押し流す。)みなさんが開発したまちには
  これだけたくさんの汚染源がありました。下流の人に受け取って
  もらいましょう。(たまたま下流にいたバス利テーター尾村さんが
  汚染源を抱え込まされてしまうが、抱えきれない量になってしまった。)
  みなさんが開発したまちには代償として様々な汚染源がありました。
  これでは環境について考えられたまちにはなりません。」
 →ここで一句「現代人 水を汚して 水を買う」

5−5
・「振り返りシート」の「2 あなたが、大事にしたいと思ったことは」について記入。
・これで街を開発する面白さの裏側には環境破壊があることをみんなで認知し、それを簡易体験で共有するアクティビティの終了。

6ウィッシュポエム1(アクティビティ2)15:00〜16:10
<用意するもの>大きめのカード(B5くらい)、マジック、テープ
6−1
・アクティビティの概要説明
 →「塵もつもれば」で、まちに対する夢と環境汚染について考えました。
 →実際に住んでいるまちと違うところがあったと思います。
 →では理想のまちに近づけるにはどうしたらいいでしょう。
 →みなさんが思う理想のまちを詩にしてみましょう。

6−2
・個人作業
→大きめのカードに 「わたしのまちは、○○○まちだったらいいな」と
 記入する。
→○○○の部分を各自埋めていく。

6−3
・グループワーク
→各自書き終わったことを確認。そして、
1) ファシリテーターを決めてもらう
2) 順番に書いたものを読み上げてもらう
3) 順番にその理由について発表
4) 全員の詩をどういう順番にするかを決定して、テープで繋げて貼る
5) 全員の詩に合うタイトルを決定して、先頭に貼る
6) 発表方法を相談

6−3
・発表
 →タイトルとつなぎ合わせた詩を読みあげる。
 →各グループがつけたタイトル
  1)「和 なごみ」
  2)「フルーツタルトなまち」
  3)「幸せのひととき」
  4)「e−ながら都会」
  5)「小さな一歩は 未来の一歩M」
  6)「幸(←幸せという字をイラスト化したタイトル)」
 →各グループとも工夫を凝らした発表でした。
  ハミングしながら踊るグループ、コテコテの関西人に扮した芝居をするグループなどなど個性的な演出でした。
 →グループ内でのワーク時もKJ法でタイトルを決定するグループ、色合いやゴロで詩の順番を決めるグループなど特色が出ていました。
・タイトルや順番についての決め方がどうであったかをグループごとに振り返り。
・これでウィッシュポエム1が終了。

7ウィッシュポエム2(アクティビティ3)16:10〜16:35
<用意するもの>模造紙、マジック
7−1
・アクティビティの概要説明
 →ウィッシュポエム1で「どんなまちに住みたいか」という共通ビジョンができたので、どうすればそのまちが実現するでしょうか。
 →ふせんに書き出して、模造紙にまとめていく。
 →先程のアクティビティとは違うファシリテーターを決める。

7−2
・発表
 →KJ法でまとめたグループワークの成果を発表。

7−3
・「振り返りシート」の「3 あなたが、やってみたろかと思ったことは」について記入。
・これにてアクティビティ終了。

8.全体まとめ16:35〜16:50
・プロジェクターでスライドを表示。
・スライドの内容
 →・狙い
・プログラム
・アクティビティの振り返り
・まちには
    ・環境問題だけでなく
       様々な問題がまちにはあります
    ・背景
       ・利便性の向上や技術の発展という正の産物
       ・大量生産・大量消費・大量廃棄という負の産物
       ・ストレス・人間関係・心の荒廃...

・まちを見てみよう
    ・ まちの中で課題・問題に「気づく」ためには
     「まちを知ること」から始まります。
    ・まちを知るための手法として
      フィールドワーク(まちあるき)があります。

・ファシリテーション
    ・まちに住む人は多様。目的意識も違えば、価値観も違う。
    ・まちの問題の解決には みんなが満足するBESTはない。
     BETTERな解決策や方向性を導き出すことが求められます。
 ⇒ みなさまのファシリテーション能力をまちは必要としています。

・これからの社会
    ・自分のことは自分で決める
     ⇒ 地域のことは地域で決めよう!
    ・公は官にお任せ?
     ⇒ 公は市民協働で

・ワークショップの種類
   1)情報共有のためのワークショップ
   2)問題解決のワークショップ
   3)評価のためのワークショップ

・参加のデザイン
   1)プロセスデザイン
   2)プログラムデザイン
   3)参加構成のデザイン

・ネットワーキング3原則
   1)自分で出来ることは、自分でやらない
   2)他人に迷惑をかけることを恐れない
   3)一人だけではできそうもないことをする

・市民活動3原則
   1)やりたい人がやる
   2)やりたくない人はやらない
   3)やりたくない人はやりたい人の邪魔をしない

・市民の心得
  隠密同心心得の条

  我が命我がものと思わず  
  武門の儀、あくまで陰にて
  己の器量伏し  
  ご下命いかにても果すべし 
  なお、
  死して屍拾う者なし!  
  死して屍拾う者なし!!

・だから
  明日(7/11)の選挙に行きましょう!
・「振り返りシート」の未記入部分について記入。
 →・積極的に参加できましたか(YES  NO)
・また参加してみたいですか(YES  NO)
・いくら払っても良いと思いますか(    )円
・ワークショップ全体を通してご意見を

関西まち系代表、瀬部・三浦・増馬氏 理想のマイホームは環境汚染源だらけ