第12回:2004年8月21日 プロジェクトX 第2弾「私はこうやって組織を変える!」関西支部

第12回関西地区研究会議事録

■日時   2004年8月21日(土)13:00 〜17:00
■場所   大阪本町 トータルサポートブレインズ 3F会議室
■出席者  合計47名
■内容   テーマ「プロジェクトX第2弾 私はこうやって組織を変える!」
■担当   穴田、岩崎、吉川、鈴木、松岡、リス研

1.イントロダクション
   岡本さんがコーチングやファシリテーションを組織変革に活用した
   ケースを題材にして、私達ならばどのように対応するかをグループ
   ワークで考えていく。
   今回、特に注意して欲しいポイントは2つ。
   ・ファシリテーションはツール。企業変革の本質を探そう!
   ・コンフリクトを起こそう。勇気を持って発言しよう!

2.岡本さんの前回の発表後(2003/10-2004/3)の取組み紹介

3.グループ討議1「私は支店長としてこうする!」
   私達が支店長ならば 2004/4-2004/9 にどのように対応するかを
   討議した。

4.グループ討議1の結果発表
   ・たぬき
    - 効果的だったことは続け、内部と外部の環境変化に対応する
    - 取り組みとしては次のステージに移った
    - コーチングは伝えるためのものだった
    - 社員からシャワーを浴びるようにする
    - コーチングからファシリテーションへ/伝えるから協働へシフト
   ・きつね
    - 業績:目標達成できないのが問題
    - ムード:何が影響を与えているのかを探った
    - 業績とムードはニワトリと卵。両方あげていく
    - コーチング依存症になっていないか、ダメだしをしよう
    - 結果を作り続ける組織を皆で考え、共有する
   ・いぬ
    - 目標を達成することではなく、個人の能力を引き出してきた
     ところがよかった
    - 限界?数値からの解放されたのはよかったが、自律まで
     いたっていなかった
    - 具体的なプロセスを示す
    - 土台づくりとしてスタンスはよかった
    - 個人の能力引き出しからグループの能力引き出しへシフトする
   ・ねこ
    - 部下の成長を業務にも加速させる
    - 障害を乗り越えられる能力をつける
    - 深いレベルでの成長:組織のベクトルと個人の自己実現の
     ベクトルをすり合わせる
    - 3年先、5年先のビジョンを共有する
    - 人が育つ組織、人を育てる人、場を作っていく
   ・モモンガ
    - 自部門で何ができるか考える
    - 他の部門と連携を強化する
    - 個人として何ができるかを啓発する
    - 人生と仕事は上司と相談しない
    - 時間と場所、相手を変える

5.ポスターセッション
   もっと知りたいところへ移動して発表者に質問したり、小グループで
   討議したりした。

6.岡本さんが実際にこの春(2004/4-2004/6)にやったことを紹介

7.グループ討議2
   これまでのグループの討議、他グループの発表、ポスター
   セッション、 岡本さんの実際の取組みをうけて、「企業変革に
   必要な要素」について 討議した。
   ●たぬき
    - リーダーが熱いパッションを持って、しつこくやること。「もう
    そろそろ終わってもいいのに、まだやるのか」という位に続ける
    - とはいえ、駄目と分かったことに固執しない柔軟性も求められる
    - リーダーが皆の不安を解消することが大事だ
    - 一方で岡本さんの謙虚さも特徴的。皆の意見を謙虚に受け取った
     上で、やるときはやるという姿勢を貫いている点がすごい
   ●きつね
    - ップ自身の意識が変わること
    - トップの理解、または、ボトムの方でエネルギーを持った人が
     居ること

8.岡本さんコメント
   思いのシャワーをうけとめてもらえるようにしたいが、シャワーを
   うけたくない人もいる。
   従来は指示命令系統の中で動いてきたので、自律自走と言われると
   突き放されたように感じる人もいる。
   これらの問題を役職者で協力しながら解決していきたい。
   印象に残った項目
   ●たぬき
    社員からシャワーを浴びよ!
   ●きつね
    岡本さん抜きのワークショップをやるべきだ!
   ●いぬ
    マンネリ化を防ごう!
   ●ねこ
    自律自走の強化
   ●モモンガ
    仕事と人生を分ける、若い人はそうなのだ!

9.今日のグループ討議振り返り
   各グループのファシリテーターをリス研メンバーに交代して、
   各グループのファシリテーションの状況についてふり返った。
   ●たぬき
    ・ファシリテーターの良かったところ
     - ケース要点を一覧にした模造紙を用意した
     - 進め方に疑問があったことを素直に認め、軌道修正した
     - 全員に発言機会を与えていた
    ・要望や、モヤモヤが残ったところ
     - 簡単な自己紹介も無し。アイスブレーク的なところが欲しかった
      (顔見知りメンバーだからとたかをくくってはいなかったか?)
     - どうスタートして、どう進めるかが見えないまま、進行していって
      しまったので苛立った
     - フレームを決めきっている。いきなり「思い、夢、ありたい姿を
      共感するところから始めよう」と言われて、こちらの発想が
      せばめられた気がした
     - メンバーとファシリテーターの間の「スター型の議論」になって
      しまい、メンバー間で対話した感じが残らなかった
     - 議論の途中途中でどこまで話が進んできているか確認を取って
     欲しい
    ・観察者所見
     - つまり、メンバーは、縛られても嫌、かといってリードして
     くれないのも嫌。
      ファシリテーターはこの微妙な気持ちを理解せねばならない
     のか!
   ●きつね
    ・ファシリテーターの良かったところ
     −最初の切り口をゆるく決めてスタート
     −プロセスを元にみんなと相談して軌道修正しようとしていた
     −意見を積極的に聞いていた
    ・要望や、モヤモヤが残ったところ
     −初めての人がいるときは軽いアイスブレークは必要
     −最初にファシリテーターから出された全体の流れが見えにく
      かった
     −いきなり、考えなくては答えられないような質問で回答に困った
     −設計された議論にのせられた感じがした、誘導している感じ
      がする
     −意見を出し切る前にまとめをいってしまった、発散する
      プロセスがなかった
     −途中で合意形成を怠った
    ・今後の改善方向
     −プロセスを出さずにみんなに相談してみる
     −質問を簡単に答えやすいものにする
     −一方で、誘導されている感覚を軽くするために具体的過ぎる
     質問を避ける
   ●いぬ
    ・ファシリテーターの良かったところ
     −限られた時間の中で、一生懸命成果を出そうという姿勢が
     感じられた
     −冒頭で話し合いの目的や目標を確認できていた
     −中立な立場で意見を聞き、引き出そうとしていた
    ・要望や、モヤモヤが残ったところ
     −前半は声の大きい人に引っ張られ、発言が偏ってしまった。
      その結果、全員が発言するまでに半分の時間を要した
     −連想ゲームのように話が広がり、議論のプロセスや論点が
      見えなくなっている時間があった
    ・観察者所見
     −メンバーそれぞれに思い入れのあるテーマだけにプロセスが
      難しい。用意したプロセスに強引に持ち込もうとすると反発を
      くらうので、まずは全員のガス抜きが必要では
     −限られた時間の中で消化するのは難しいテーマだけに、最初の
      見切り方が重要。
      何の議論にフォーカスするか、同意をとってから始めると
      中身がもっと濃くなる
   ●ねこ
    ・ファシリテーターの良かったところ
     −一人ひとりの発言を傾聴し、丁寧に確認していた。一生懸命
     理解しようとする姿勢が感じられた
     −常に全体を意識して視線を配り、全員が参画できるように
     発言を振っていた
     −最初に簡単にメンバーの自己紹介を入れたのがアイスブレーク
      的に機能した
     −常にファシリテーターを中継して議論が進行するのではなく、
      メンバー同士で議論を戦わせてファシリテーターは一旦輪から
      はずれる場面があり、これが良かった
    ・要望や、モヤモヤが残ったところ
     −最初にある程度、議論のフレームがある方がやりやすかった
     −言動の細部に意識が向きすぎ、本当に伝えたい意味をあまり
      受けとめてもらえない気がした。全体の空気や各人の軸を
      もっと見てほしい
     −意見の交通整理をもう少し強く行い、不安をもつメンバーに
      安心を与えるようガイドすればよかったか
     −メンバーにまとめをさせる、アプローチの仕方を変える等、
     立ち位置を変えてもよかったのでは
    ・観察者所見
     −基本的な進め方だけでなく、全体の空気を読む力やファシリ
      テーターの立ち位置の取り方の難しさを実感!
   ●モモンガ
    ・ファシリテーターの良かったところ
     −各メンバーに意見を求めて、引き出そうとしていた
     −こちらが言いたそうな時にきちんと話を聴いてくれて
     復唱してくれたのでとても参加しやすかった
     −議論がかみ合わなくなり拡散した時に一から話を整理して
     くれたのでわかりやすかった
     −図が見やすかった。また、メンバーにもFGを描かせた
    ・要望や、モヤモヤが残ったところ
     −結論の3つが既成事実だったように感じた
     −本筋に戻すことが必要ではないか
     −ファシリテーターがまとめ過ぎたような印象が。もう少し
     メンバーに意見を求めてもいいかも
     −「斬新なアイデアを」と言われても苦しい。「ネタつまって
     ますな」と言われている感じ
     −個人を名指しで当てるのは、自由な議論を展開したいときは
     やめたほうがよいかも
    ・観察者所見
     −最初に提示したゴールに納得していない表情のメンバーが
      いたが、そこに注意が 向けられなかったため、導入部分で
      多少のギクシャク感があった
     −全員から引き出そうとするあまり、思案中のメンバーに対して
     催促するような発言があった
     −出てきた意見を丁寧に聴いていたため、本質から外れていき
     なかなか引き戻せない
      場面があった(どこで本筋に戻すかは難しい。外れたところから
      意外な意見が出る可能性もある)

10.まとめ
   リス研会長の加藤さんから
    ・リス研について
    ・今日のねらい
    ・アンケートの情報の扱い
    ・似た人を集めたグルーピングの理由(自分と異なる視点に
    感心して意見を止めないように)
   を説明した。

組織改革の苦悩を語る岡本支店長 難しい課題に挑戦した穴田ファシリテーター