このページは、2015年3月14日に開催した関西支部イベントの分科会#6のレポートです。
ファシグラはライブ感に溢れた個性の光る「技」です。同じ話し合いを記録してもレコーダーによってその姿は大きく違います。「なぜその言葉を選んだのか」「なぜそこに書いたのか」小さな手がかりから、あなたを進化させる思いもよらぬ気づきが得られるかもしれません。そんな手がかりを探す観察のプログラムにトライします。
西 修 / Osamu Nishi
【所属&役割】
神戸市職員
神戸まちづくりワークショップ研究会代表世話人
神戸クロスロード研究会理事
【経歴&活動分野】
山口県出身。再開発事業をはじめ様々なまちづくりに携わるなかでワークショップに出会う。2002年「神戸まちづくりワークショップ研究会」を結成。事例研究やプログラム開発、運営支援を行っている。阪神・淡路大震災をきっかけに作られた防災ゲーム「クロスロード」の普及、活用にも取り組んでいる。
【著書】
『WSの本』 (神戸まちづくりワークショップ研究会編共著)
【得意なこと】
休みの日にお昼までぐっすり寝られること。早く歩くこと。
【苦手なこと】
朝早く起きること。
【参加人数】 24名(会員17名 非会員7名)MFを含む
1.まずは、参加者全員が輪になって30秒づつ、参加理由・動機とともに自己紹介。
2.プロジェクターを使ってのファシグラの概要説明、そしてファシグラの『「何を見る」のか?』についていくつかポイントを紹介。
3.ワークのメインプログラム開始。
−概要−
2グループで1つのワーク実施単位となる。2つのグループのうち一方が用意されたいくつかの「お題」から一つ選択、話し合いを行い、ファシリテーターがファシグラを書く。もう片方のグループはファシグラが描かれてゆくのを観察する。
この時「何を」、「どこに」、「どのように」に着目し、付箋紙にメモを書き出しておき、模造紙に書かれたファシグラ上、対応する 位置にメモを貼り付けて行く。
付箋紙を貼ったメモを読みながら、二つの切り口「すごい!」と 「なぜ?」から、ファシリテーターや参加者にその時に感じたり、考えていた事を確認しながら、ファシグラのプロセスを解析して行く。
・パーキングロットはこれから活用して行きたい。
・スムーズにやっているように見えて実は苦労してたんだ。
・あわてて書き出すと乱れやすい。一度溜めてから書き出すようにした方がいいようだ。
・書くときはお尻を向けないように注意してゆきたい。(だれかが死角になってファシグラが見えず、ついて行けなくならないよう)
・自分のファシグラが有機的で効率的になっているのかを分析してもらったこの経験は宝物になった。
・言葉と言葉を繋げる事を考えることを意識して行きたい。
・ファシグラについての視野が拡がった。
・暴走しないことが大切。
・普段、テーマを真ん中に書いてスタートするスタイルでやってたけれど、枠にとらわれず柔軟に書き出しして行くことも試して行きたいと思った。
・カラフル、芸術的であることをことさら目指す必要は無いんだ。テクニカルを志向するのでは無く、まずはマインドを大切したい。
・参加者と自分(ファシリテーター)の中間の空間あたりに問いを投げる感覚を身につけたい。
・観察のワークは本当に学びが多い。
ファシグラの観察は初チャレンジのプログラムでした。今回「かくのは難しいが観るだけなら」ということでファシリテーション初心者の方が多く参加されたのですが、本来、観察のワークはファシリテーターとしての「視力」を試される部分があり、うまく行くかどうか実は心配していました。
しかし、思惑以上にファシグラが観察の対象として大変扱いやすいということがわかり、私にとっても大きな収穫になりました。「観る」視点も比較的設定しやすく、その場にかかれたものが「残る」ことでふりかえりやそこからのフィードバックが大変わかりやすいのです。
また、かき方や場所どりなどわかりやすい手がかりをつかんでいただければいいなぁと思っていましたが、それだけでなくファシリテーターの所作に注目された方、またそこから多くのものを得られた方が多く、これは嬉しい誤算でした。
今後、観察の練習としてファシグラを題材にするプログラムを更にブラッシュアップしてみたいと思っています。参加者のみなさん本当にありがとうございました。