第34回関西地区研究会議事録 その2
■ 日時:2006年10月14日(土)13:30〜17:00
■ 場所:尼崎市中小企業センター 501
■ 参加者:40名
■ 担当:女性セブン(川端、繁村、東山、松永、的場、森野、岡田)
■ テーマ:「アイスブレイク大全」
〔1〕プログラム全体のねらい
FAJの十八番とも言えるアイスブレイク(以下、IBと省略)。何より、様々
なバックグラウンドを持つ会員の方が様々な場面で役立てられる内容を心がけま
した。具体的なアプローチとして、定例会の時間内にできるだけたくさんのIBを
実施して、参加者にIBのネタの引き出しを増やしてもらうことも検討しましたが、
今回は、(数はそれほど多くなくても)「IBを実際に体験してもらい、自分自身で
IBの効果を感じたり、使い方についての理解を深めたりしてもらうようにしよ
う」ということでチーム全員が一致しました。そのため、何度もプログラムを練り
直し、なるべくIBの後に「振り返り」の時間を多く設けるようにしました。
当日は時間が押してしまい、予定より短くなったところもありましたが、プログ
ラムの後半で行った「振り返り」では、グループごとで話し合われた気付きを参加
者全体でも共有することができました。
〔2〕プログラムの「設定」
プログラムは、<富味井(ふあじい)小学校への入学から卒業までの6年間>の
設定で行いました。参加した会員のみなさんが<生徒>、私たちファシリテーター
は<先生>です。「学校」という設定にしたのは、・IBに集中してもらうために、
あまりリアルな設定(例えば「会社」など)は避けたい ・みんなが共通して持っ
ている体験で、詳しい説明が無くても状況が理解できる といった点をふまえたた
めです。
〔3〕プログラムの流れ
1.入学式−グループ分け(色毎に整列)、校長先生のお話(グランドルールの説明)
2.1年生「入学式後の学級会」−自己紹介のIB「おめでとう」
3.1年生「体育の時間」−体系のIB「なりきりゲーム」
4.1年生「図工の時間」−「ストロータワー」のIB 第1ラウンド(非言語で)
5.1年生「理科の時間」−「気分グラフ」のIB 1年生を振り返って
6.3年生クラス替え−「仲間探し」のIB
7.3年生「国語の時間」−自己紹介のIB「プラスイメージのキャッチフレーズ」
8.3年生「社会の時間」−悟り系のIB「新聞バリバリ(新聞ジグソー)」
9.3年生「図工の時間」−「ストロータワー」のIB 第2ラウンド(言語あり)
10.3年生「理科の時間」−「気分グラフ」のIB 3年生を振り返って
11.6年生クラス替え−「シール貼り」のIB
12.6年生「学級会」の時間−悟り系のIB「王様ゲーム」
13.6年生「図工の時間」−「ストロータワー」のIB 第3ラウンド+順位決め+合体
14.6年生「理科の時間」−「気分グラフ」のIB 6年生を振り返って
15.卒業式−意図びらき、「卒業証書(IBネタ集)」授与
〔4〕プログラムの概要
1.入学式
・グループ分け(色毎に整列)
参加した会員のみなさんに、会場の入り口に<先生>が並んで手で作ったア
ーチをくぐって入場してもらいました(アーチには、<PTA役員>と称して
堀会長、加藤支部長も参加)。
・校長先生のお話(グランドルールの説明)
いくつか掲げたルールのうち、「まず、やってみよう」は、参加したみなさ
んの心に一番残ったのではないでしょうか。
2.1年生 「入学式後の学級会」
・自己紹介のIB「おめでとう」
24時間以内に起こったうれしかった出来事をひとりずつ発表し、他のメン
バーがそれを喜びました。
3.1年生「体育の時間」
・体系のIB「なりきりゲーム」
体を使ったコミュニケーションで、会場の空気が一気に温まりました。
4.1年生「図工の時間」
・「ストロータワー」のIB(第1ラウンド・非言語で)
★各学年の授業の最後に実施
5.1年生「理科の時間」
・「気分グラフ」のIB(1年生を振り返って)
★各学年の授業の最後に実施
★1年生の授業のねらい:
新しい組織がスタートする<低学年>の授業では「場づくり」に効果的なIB
を実践しました。
6.3年生クラス替え
・「仲間探し」のIB
テレビ番組の登場人物や小道具などが書かれたカードを使ってグループ分け
をしました。
7.3年生「国語の時間」
・自己紹介のIB「プラスイメージのキャッチフレーズ」
8.3年生「社会の時間」
・悟り系のIB「新聞バリバリ(新聞ジグソー)」
身近な小道具、「新聞」を使い、グループが一丸となってジャンボジグソー
パズルに挑戦しました。予想していたよりも細かいピースに分かれてしまい、
予定時間内に完成するグループが現れなかったため、急遽、時間を延長しまし
た。制限時刻が来たらグループワークを中断する予定でしたが、このままでは
参加者が達成感を得られないと判断し、1チームが完成するまで待ちまし
た。
9.3年生「図工の時間」
・「ストロータワー」のIB(第2ラウンド・言語あり)
★各学年の授業の最後に実施
10.3年生「理科の時間」
・「気分グラフ」のIB(3年生を振り返って)
★各学年の授業の最後に実施
★3年生の授業のねらい:
<中学年>の授業は、組織を活性化する「チームビルディング」に役立つIB
を中心にしました。
11.6年生クラス替え
・「シール貼り」のIB
背中に貼ったシールの種類ごとにグループに分かれました。相互の協力を促
し、非言語コミュニケーションの重要性にも気付く効果がありました。
12.6年生「学級会」の時間
・悟り系のIB「王様ゲーム」
グループごとにテーブルを置き、その回りにイスを並べて、1人が<学級委
員(ファシリテーター)>となって話し合いました。ただし、<学級委員>の
イスだけはテーブルの上に置かれています。イスの位置と<学級委員>という
役割とで、グループ内に「上下関係」が生じやすい設定にしました。また、全
ての参加者が順番に<学級委員>を経験するようにしました。日頃からコミュ
ニケーションが取れているFAJの会員同士であっても、この状況では、スム
ーズに話し合うことが難しかったように見受けられました。IBの後の「振り
返り」では、この「見下ろす人」と「見上げる人」がいる場面設定について、
良かった点、難しいと感じた点など、参加者各自がIBを実践中、様々な角度
から得た深い気付きを共有することができました。
13.6年生「図工の時間」
・「ストロータワー」のIB(第3ラウンド+順位決め+合体)
★各学年の授業の最後に実施
14.6年生「理科の時間」
・「気分グラフ」のIB(6年生を振り返って)
★各学年の授業の最後に実施
★6年生の授業のねらい:
時間の経過と共に組織内の人間関係も複雑になります。そのような場面で役立
つよう、合意形成に至る前の段階のコンフリクトを体感するIBを<高学年>
の授業で行いました。
15.卒業式
・意図びらき
・「卒業証書(IBネタ集)」授与
★「ストロータワー」のIBのねらい:
「ストロータワー」では、3〜4名が1組となって、ストローと紙テープで自
立型のタワーを作りました。一度にタワーを完成させるのではなく、数回に分け
て作りました。ストロータワーが「未完了」の状態で、次の学年の授業を行い、
再び作りかけのストロータワーに戻って続きを作る・・・という進め方を繰り返
すことで、短時間でグループの結束力が高まりました。非言語コミュニケーショ
ンの要素もあり、多くの意味や効果を含んでいるIBです。
★「気分グラフ」のIBのねらい:
<生徒>全員が、各学年の終了時点の「自分の満足度」をグラフに書き込みま
した。このIBは、書くことで「次の学年の授業では、もっと満足しよう」と
いうように参加意識を高めるだけでなく、自分の感情を客観的に見つめるスキル
の向上にも役立ちます。
〔5〕ファシリテーターの感想
課題としては、実は、最終的にプログラム全体を通したリハーサルが一度も行え
ず、時間配分や、細かい進行などについて打合せができていなかったことが挙げら
れます。そのため、「新聞バリバリ」などの時間を延長し、プログラム後半に予定
していた「振り返り」が無くなってしまったのは非常に残念でした(とは言うもの
の、アイスブレイクの本来の効果を実感することを優先できたことは良かったと思
います)。その他、初めてファシリテーターを経験したメンバーは、当日、プログラ
ムを進行させることで頭がいっぱいになってしまい、ファシリテーターをしていないときの
自分たちの言動が皆さんに大きな影響をもたらすことまで考えが及びませんでした。
一方、成果としては、事前の限られた時間の中で、初めに「意識のすり合わせ」
を行い、メンバーそれぞれが自分のできることで貢献することで、良いチームワー
クで取り組むことができました。
また、プログラムを作る側を体験したことで、プログラムに対する理解が深まり
ました。これから定例会に参加する際、今まで以上に多くのことを学ぶきっかけに
なると思います。
そして何より、参加した会員の方から「楽しかった」「役立った」との声をいた
だいたことは、わたしたちの最大の成果です。
女性セブン一同、改めて感謝申し上げます。
女性セブンのみなさん みなさん元気よく、ハイッ!
新聞をバリバリします う〜ん、むずかしいなあ
私は学級委員です そっち押さえてて〜
見事なストロータワーできました