第34回 その1 :2006年10月14日 「ファシリテーション」ってなあに関西支部

第34回関西地区研究会議事録 その1

日時:20061014日(土)13301700
場所:尼崎市中小企業センター 401
参加者:33名
担当:西 空井 鈴木
テーマ:「ファシリテーション」ってなあに
目 標:
本を読んだり、話を聞いてもなんだかよくわからない。
「ファシリテーション」って、なんだろう。
いろいろ勉強して経験もしたけれど、もうひとつ腑に落ちない。
と思っている人に、ファシリテーションを実感してもらう。
全体の流れ
13:30
【オリエンテーション】
   ・テーマの解説〜進行説明
   【アイスブレイク】
   ・グループ分け
13:50
【セッション1】
  テーマを決めよう
   ・日頃の話し合いで抱えている「悩み」「困ったこと」の中から
    あるいは、
    グループのメンバーに共通で関心があり話し合える事柄の中から 
    後半に話しあうためのテーマを見つける
  ふりかえり
   ・話し合いをふりかえる
    「良くなかったこと」「足らなかったもの」は何かを考える
15:15
【休  憩】
15:30
【セッション2】
  解決策を考えよう
   ・セッション1で出されたテーマについて解決策を考える
  ふりかえり
   ・もう一度、話し合いをふりかえる
16:45
【全体のまとめとふりかえり】

概要
【オリエンテーション】
 ・テーマの解説〜進行説明
【アイスブレイク】
 ・マッピングを使って小グループをつくり自己紹介
  このテーマを選んだ理由について共有
 ・バースデーサークルを使って大きな輪を作り場を和ませるゲームを行う
 ・簡単なアンケート(初めての参加者の数などを把握)
・グループ分け(初めての方とそれ以外で均等に振り分け)

  →4グループ
【セッション1】
 テーマを決める話し合いとその観察
 ・観察者とそれ以外に別れ、観察者以外で話し合う。
 ・日頃の話し合いで抱えている「悩み」「困ったこと」の中から
  あるいはグループのメンバーに共通の関心がある事柄の中から
  後半の話し合いのためのテーマをひとつ決定する。
  (今回は2グループずつやり方を指定した)
 ・模造紙、ポストイットなどは自由に使ってよい。進め方も自由。
 ・各グループから3人の観察者を選ぶ(観察者A=2人 観察者B=1人)
 ・スタッフから観察者の心得を説明
   介入しない 内容に入込まない 感情を交えない 気持ちまで見つめる 
  観察者A...話し合いを進めた良い発言や態度を記録する
  観察者B...Aよりさらにテーブルを離れ、場を変化させたものを見つける
 ふりかえり
 ・話し合いをふりかえる。
 ・まず参加者がそれぞれの話し合いの様子を「ふりかえりシート」に記入
  =「良くなかったこと」「足らなかったもの」はなんだったのかを考える。
 ・まず参加者が各自のふり返りを発表し、次に観察者からの報告を聞く。
 ・グループ内で質疑や意見交換を行って、ふりかえりを深める。

【休  憩】

【セッション2】
 解決策を考える話し合いとその観察
 ・セッション1で出されたテーマについてグループで解決策を考える。
  解決策の中からもっとも役立つと思われるものを決める。
 ・セッション1と同様に3人の観察者を置いて話し合いを観察する。
  (人は入れ替える)
 ふりかえり
 ・セッション1と同様に話し合いをふりかえる。

【全体のまとめとふりかえり】
 ・まず各自が二つのセッションをふり返り、感じたことをシートに記入
 ・各グループ内でふりかえりを発表し、意見交換してふりかえりを深める
 ・グループ代表を決め話し合いの結果とふりかえりについて全体で発表

このワークのねらいと事後評価 〜参加者の「ふりかえりシート」から〜

2005
年の関西フォーラムで登場してから3度目になるプログラムです
毎回同じことを言っていますが、
このワークの目的(持って帰ってほしいもの)は、以下の3点です。

・スキルとして説明できないスキルを実際の話し合いで感じてもらうこと
  本を読んだり説明を聞くだけではなかなか身につかないファシリテーション
  を実際に話し合いを深く見つめることで実感してほしい。
  特に、場を変化させるもの(=何気ない発言や態度、そしてその裏にある
  参加者の感情や人間関係など、説明の難しいもの)を感じてもらうこと。
・「ファシリテーション」=「ファシリテーターだけの技術」ではないということ
  一人の参加者の発言や態度が場に影響するということ、すなわち
  ファシリテーションがファシリテーターだけのスキルではなく
  参加者一人一人が場づくりにかかわれるということを知ってもらう。

・ふりかえりの大切さ
  日頃の話し合いの中でも多くの発見や気づきはあるのだが、実は見過ごされ
  消えてしまっていることが多い。ふりかえりを行うことで多くの気づきが
  あることを知ってもらいたい。

今回は、さらに
・観察者視点の重要性
を感じていただけるように、冒頭から少し意図開きをしながら進めさせていただきま
した。

<<
全体的に>>>
全体としては、これまでと同様にハード、ソフト両面から場作りの大切さを感じられ
た方が
多かったようです。
 ・何気ないスペースのつくり方も会議に影響する
 ・ワークスペースや立つ事も重要
 ・板書の近くでファシリするとみんなが注目して集中する

<<
観察からの気づき>>
第三者の目から見ることで、今回も多くの気づきがあったようです。

 ・ひとつの発言で場の空気ががらりと変化する。
 ・ファシリテーターの力だけではまとまらない。良い話し合いは参加者にも
  依存する。
 ・議論に参加しているときは自分が思っているほど場を読めていない。
  また、読めても変える一言をなかなか言えなかった。

 ・(自分に足らない点として)構造化力 場を活性化する力 瞬時の構造化
 ・時間管理の難しさ 大切さ

 ・ファシリテーターの介入は難しい。無理にまとめてはいけない。
  常に議論の幅と深さをコントロールすること。
 ・話し合いが盛り上がっているからと言ってみんなが納得しているとは限らない
  と気づいた。
 ・時間と戦っているとファシリテーターは強引になるなーと(気づいた)
 ・もっとはやくファシリテーションを知りたかった

<<
観察者視点について>>
今回焦点を当てた観察者視点そのものについては、一番多くのふり返りがありました。

 ・観察者って難しい。
 ・観察するのは難しい
 ・観察者の意見は貴重
 ・観察者視点で見ると参加者に見えないものが見えることがわかった
 ・観察者の視点で他人の欠点として見えたことは、結局は自分の欠点でした。
 ・議論の最中に感じていたあいまいな疑問を観察者の方が的確に読み取って
  くれていた。
 ・観察者にまわればよかった。
 ・次は観察者をやってみたい。
 ・第三者の視点を常に意識して臨むことの重要性(を学んだ)。
 ・観察のチャンネルをつくること
 ・第3の自分を持つこと。場を読むこと。
 ・観察者視点を意識する。

<<
その他>>
今回もプログラムの改善案やエールをたくさんいただきました。
 ・他のチームの観察内容が知りたかった。
 ・また参加したい。
 ・「ファシリテーションってなあに」をまたやりたい
 ・多くの気づきがある。初心者向けではないのでは?

 
またプログラムに改良を加え、再々演に備えたいと思います。
参加者のみなさん、本当にありがとうございました

 

  観察者はとにかく聴いて下さい         議論をひたすら聴く、聴く

 

     今の発言は・・・             ここはこう考えたら・・・?

 観察者も交えて場を振り返る