第38回関西地区研究会 議事録
■日 時 : 2007年1月13日(土)午後12時45分〜6時15分
■場 所 : 田辺製薬株式会社 平野町別館
■参加者 : 51名
■担 当 : 加藤、冨永、(影の支援者、堀)
■テーマ : 「活動にフォーカスしたビジョンワークショップ〜1年の計をみんな で考えよう〜」
■目的
?この1年(2007年1月〜08年3月)関西支部ではどんな活動をやっていきたいか
皆で考え、決め、私たちが一体となって活動していく基盤をつくる。
?ビジョンを生み出すワークショップとして、本日のアプローチの有効性を見定める。
■目標
?この1年(2007年1月〜08年3月)の関西支部定例会を「こんなふうにしたいな」 というイメージをすり合わせる。
?それをベースに、この1年の開催支部定例会のテーマを決める。
?ひとりひとりが何をしたいか考える。
?本日のプログラム・プロセスをふりかえる。
■全体の流れ
13:00〜13:10 オリエンテーション
13:10〜13:20 チーム分け
13:20〜13:45 過去の定例会をふりかえる
13:45〜14:05 「この1年どんな定例会にする?」を考える
14:05〜14:15 休憩
14:15〜14:35 全体でイメージのすり合わせ
14:35〜16:00 ワールドカフェ方式でテー例会のテーマづくり
16:00〜16:15 休憩、結果の貼りだし
16:15〜16:35 全体で質疑
16:35〜17:20 全体討議で定例会テーマの決定
17:20〜17:45 あなたは何をしたい?
17:45〜18:15 本日のふりかえり
■レポート(各プログラムの意図、進め方、成果など)
1.オリエンテーション(13:00〜13:10)
□目的、目標、すすめ方、「活動にフォーカスした理由(事前にMLにも配信)」 を説明しました。
「理由」の説明には下記を引用。 『大事なのは、どんなビジョンをつくるかではない。ビジョンで何ができるかだ。 つまり、ビジョンの評価基準として、ただひとつ意味があるのは、それによって 起こる行動や変化のなのである。』 (ピーター・センゲ他 『出現する未来』 講談社)
『あまり言葉尻にとらわれず「自分たちが一体となって行動するためには最低限 何が必要か」を考えた方が実践的である。』 (堀公俊 『組織変革ファシリテー ター』 東洋経済新報社)
□「50人で8回分の合意形成をする」という「とても挑戦的課題〜実験」であるこ とを伝えました。
2.チーム分け(13:10〜13:20)
□動物の名前が書いてあるカードをひとり1枚取り、同じ動物でグループを 作ってもらいました。
・1グループ5人で10グループ。あらかじめ5×10セットの「なりきり動物カード」 を用意しました。
・カードは裏返しておき、誰にも見せずに、引きます。
・カードを見た瞬間、人間の言葉(と羞恥心)を捨て、鳴きまねだけで仲間を探し ました。
3.過去の定例会をふりかえる(13:20〜13:45)
□FAJのミッション・ビジョン、関西支部の過去の定例会、定例会テーマ分類 マトリクスを配布。
・ビジョンについては、キーワード部分を「穴埋め問題」にし、全体で確認しあい ました。
例) ファシリテーターや団体の□□□なネットワークができ、□□□□□ して いる。
・グループ単位で「なぜ、何を目指しているのか」「何をやってきたのか」を確認、 共有しました。
4.「この1年どんな定例会にする?」を考える(13:45〜14:05)
□グループで「この1年どんな定例会にする?」のイメージをまとめる話し合いを しました。まとめ方のイメージとして「スローガン、ガイドライン、全体コンセプトの ようなもの」と伝えました。
※参考例として示したもの
・スキルよりマインドを ・分野の幅を広げる
・12人のファシリテーターをデビューさせる<九州での例> ・全定例会に参加すると○○○になれる!
□結果をA5ポストイットに書き出してもらいました。
5.休憩(14:05〜14:15)
□休憩の間にポストイットを一箇所の壁に貼りだし、みんなで見てもらいました。
6.全体でイメージのすり合わせ(14:15〜14:35)
□貼り出した壁の周りに全員が集まり、質疑、軽いまとめのグルーピングをしました。
□出てきたイメージは次の通り(グルーピングは全員で、グループの名前付けは 担当者で)。
●失敗から学ぼう! (失敗からの学びを重視したもの)
・恥じりテーションを体験しよう(恥かき道場) ・失敗と実験のハジリテーション
●現場に生かそう! (現場で使うことを重視したもの)
・現場で実践できる生々しい定例会 ・ファシリテーションの経験値を高めら れる定例会
・自分のフィールドに生かしファシリテーションのプロになる
・スキル開発し、FAJ以外の場で実践
●実験!実践!やる! (実験・実践の重視に関するもの)
・聞くより、やる! 見るより、やる! 言うより、やる!
・楽しく学べる実験、研究の場。実践、修練の場 ・人のフリ見て、我がフリ なおせ
●サイクル・バランス (内容のサイクル、バランスに関するもの)
・基本と実験と+αをバランスよく。「2+2+1」のプランで
・知る→感じる→試す→知る・・・ ・ファシリテーションの理解を深められる定例会
●知的に楽しくやろうね! (定例会の雰囲気に関するもの)
・フランク(F)に、あそび心(A)で、じゅうなん(J)に
・知る驚きを楽しく、満喫、関西発の輪(和)をつくろう
●ひとりひとりが挑戦・参加 (参加者の意識に関するもの)
・自分の心のかべをこわすマインドをもって、全員がファシリテーターデビュー
・1人1回企画に参加
7.ワールドカフェ方式で定例会のテーマづくり(14:35〜16:00)
□「どんな定例会にしたい?」をふまえつつ、未定の8回分のテーマをグループで 考えました。
□ワールドカフェ方式で、次の3ラウンドで進めました。
?各グループで討議(25分)
?各テーブルに1人残し、他の人は違うテーブルに分かれアイディアを披露しあ いつつ、計画を詰める(25分)
?もとのテーブルに戻り、最終案を決め、貼り出せるようにする(30分)
□アウトプットの参考イメージとして「実施月とテーマ名の表形式」を伝えました。
8.休憩、結果の貼りだし(16:00〜16:15)
□結果を正面の壁に、すべてが一覧できるように貼り出してもらい、全員で眺め ました。
9.全体で質疑(16:15〜16:35)
□壁の周りに集まり、わかりにくい点などについて質疑を行ない、内容を共有し ました。
テーマには「おなじみのもの」が見られる一方で、「目新しいもの」もあることを 確認しました。
10.全体討議で定例会テーマの決定(16:35〜17:20)
□ここからの進め方について、全員で討議しました。その結果、「目新しいもの」 と「おなじみのもの」を取り出してみることになりました。
●「目新しいもの」として取り出されたもの
・社会問題事例(についてファシリテーションを使って話し合ってみる)
・マインドって何? ・ビデオに撮ってみる ・ビデオ鑑賞 ・プロの分析、観察 ・さりげないアイスブレイク開発 ・お悩み相談 ・失敗から学ぶ ・どうしたら定例会満足度アップが図れるか
・できる人の行動特性をあぶり出し、指標化、体系化
・質問力道場 ・型どおりのセリフを使ってみる ・笑劇
・空中戦(道具を使わずにファシリテーションしてみる) ・演劇
●「おなじみのもの」として取り出されたもの
・いつでもどこでもファシリテーション ・ファシリテーショングラフィック
・困ったちゃん(への対応) ・ワークショッププログラムデザイン ・ゲスト
□さらに、「目新しいもの」について「ひとり2票で投票」を行ない、絞り込みました。
●投票で上位に選ばれたもの
・さりげないアイスブレイク(21票)
・質問力道場(19票) ・・・類似テーマとして、型どおりのセリフを言ってみる(6票)
・空中戦(12票)
・社会問題事例(10票)
・お悩み相談(9票) ・・・類似テーマとして、 失敗から学ぶ(4票)
・演劇(8票)
□今後の定例会のテーマは、上位に選ばれた「目新しい」と「おなじみ」を交えてい くことになり、実際の計画は運営委員の皆さんに任せることになりました。
11.あなたは何をしたい(17:25〜17:45)
□個人として「この1年何をしたいですか?」をファシリテーション関連で考えても らいました。
□結果はA5ポストイットに書き、一覧できるよう一箇所の壁に貼り、みんなで眺め ました。
12.本日のふりかえり(17:45〜18:15)
□「進め方はどうだったのか?」「どんな進め方が良かったのか?」を全体でふり かえりました。
●今日のテーマ、目的などについて
・ビジョンワークショップとしてこれで良かったのか?(タイトルと中身が違う)
・定例会のテーマだけでなく、運営上の工夫なども考えたかった
・アクションプランを求められないので楽だった
・具体的だったので満足度が高かった
●ビジョンからテーマを考えるアプローチについて
・「どんな定例会?(ビジョン)」と「各回のテーマ」との一貫性を考えるのが 難しかった
・ビジョンとテーマの間に断絶ができてしまった。折角ビジョンを貼り出して あったのに
・ビジョンとテーマをつなぐワークがあると良かった
・ビジョンからテーマまでを考えるのはしんどかった
・最後に多数決的に決まってしまったのが残念
・絞り込まれてしまったので、消えてしまった意見もあるのではないか?
・ビジョンまではスムーズに考えられたが、8回分のテーマを考えるという ところで雑念(現実 的な判断)が入ってきて考えづらかった
・(上記の意見に対して)でも、それが現場では現実ではないか
●ワールドカフェ方式について
・リズムがあって集中できた。「仕切られてない感じ」がよかった
・他のテーブルに移った時に上手くいかなかった
・もう一回、ワールドカフェを回すと共有が進んだと思う
・考えが分散してしまい、収束が難しかった
・意見が繁殖、伝染していくのが感じられた
・意見が交わることで、チーム色が消えてしまった気がする。まとめるのが 難しかった
・メンバー間の経験値の違いが感じられてうまく議論できなかった
●全体の進め方について
・5時間あったけれど疲れなかった。休みが多いのは良い
・いやいや、かなり疲れた
・1時キッチリにスタートできて良かった
・ふりかえりの時間が充実していてとても良い
・時間不足
・臨機応変に問いかけながらの進行が良かった
●では、どうしたら良かったのでしょう?
・「どんな定例会?」で出された6つのビジョンを深めてテーマを決める
・テーマを選ぶ判断基準をまず決めておく
・1グループが考えるテーマの数を減らして(1つか2つぐらい?)、全体 として8つに絞る
■担当者の感想(冨永)
「ビジョンとテーマが断絶した」というふりかえりでの発言が、とても印象的で した。当初の目論見からすれば「成功ではない」のかもしれません。でも、 だとすれば、まさにみなさんからビジョンと して出されたように「失敗から学 ぶ」「実験、実践」「挑戦」だったのかもしれません。「断絶」を乗り越えるため に何が必要なのか?を考える実験に、「結果として」なったのかなと思ったり します。
すぐ改善できる反省点としては、みんなでせっかくすり合わせたビジョンが、 テーマを考える際 には「物理的に遠く」にあった、ということです。「ビジョンを ふまえる」ならば「すぐ見えるところに置く(貼る)」べきだったと思います。
ふりかえりの発言からは、このプログラムの結果に皆さんが「困惑」している ようにも受け取れました。「いったい、何を生み出したのだろう?」と。それは 「現場に生かせる困惑」であってほしいな、と願ったりもします。たくさん学ば せていただきました。本当にありがとうございました。
今日は関西支部の今年一年について皆さんと考えてみます。
この一年、どんな定例会にする??キーワード出し。
定例会の計画を立ててみよう どれがいいかな?