第57回 その1:2008年9月13日 実践!ファシリテーション道場〜やって、試して、評価項目を360度チェックしよう〜関西支部

第57回関西支部定例会報告 その1

日時 :2008913() 13:001700
場所 :キャンパスプラザ京都 第2会議室

参加者:16
担当 :荒金・明石・瀧井・徳田(東京支部)
テーマ:実践!ファシリテーション道場〜やって、試して、
評価項目を360度

       チェックしよう〜

内容 :8月定例会ワークの続編。8月定例会で5つのチームが、脳に汗を

かきながら作成した評価シートを使い、実際に30分間の会議ファシリ

テーションを行う。実際に様々な評価シートを使ってみて、各シートの

使いやすさはどうか、評価項目は適切か、良い点・改善点について話しあい、

本当に使える評価シート完成を目指す。

全体の流れ
13:15
〜【まずは自己紹介】

16名全員で一つの輪になり、自己紹介とこのテーマを選んだ理由を一言ずつ。

前回参加者(9名)からは「前回作成したものを検証したい」「ファシリテーター

(以降FA)においての評価の仕方に興味がある」「作ったものがどうなるのか気に

なって」、今回のみ参加(7名)からは「FAを具体的にリアルにイメージしたい」「FA

にはどんな視点が必要か学びたくて」という声のほか、「前回別テーマだったけど、

最後の全体振返りで充実した内容だった様子を感じ、今回はこちらにきました!」

という嬉しい言葉も。

13:20〜【企画趣旨の説明・進め方の確認】

前回のおさらい

評価項目作成にあたってどのような考え方で作成に至ったかを再確認(30分間

の会議、分野は問題解決会議、4つのプロセスにおいて評価項目作成、項目・

分布・指標は自由・・・という設定の中で作成したこと。一部完成まで至っていない

ことなど。)

企画者チームのシートを含め6枚の評価シートの、それぞれの切り口・評価内容・

評価分類と項目数・評価基準と採点方法について説明

今日の流れの説明

?役割分け(このあと実践チームと観察者チームに分かれること)

?それぞれのチームで使用する評価シート確定/評価内容や基準のすり合わせし、

?実践!会議ファシリテーションを行う:実践チームと観察者チームに分かれ、

フィッシュボール。

その後、 フィードバック(以降FB)1「FAがどうだったか」  FB2「評価シートは使って

みてどうだったか」

実際に使ってみて、どんな評価項目が使いやすいか深掘りし、本当に使える評価

項目シート完成を目指そう!と本日のゴールを共有。

チーム分け

実践チーム6名は立候補で決定。残りのメンバーが観察者チームとなる


13:45
〜【各チームに分かれて、使用する評価シートの決定】 

■実践チーム

前回参加者が多く入っていたので、前回自分のチームがどのような視点でこの

評価シート作りをしていたのかについて共有。その後、使いやすさや各シートの

良いところなどをもとにまずは個人でシートを選択し発表。(結果に対して評価する

ものは評価者によりバラツキがあるのでは?評価は誰が見ても一目瞭然である

べきなので主観的なものは避けるべき?使ってみないとわからない。その後話し

合うほうがいいのでは?1つに決めないでいろんなシートを使ってみる?→でも

そうするとあとの話し合いでまとまらないのでは・・・などの意見も)

  結果、使用するシートは?グラシーズ作成シート ?よみがえり作成シート 自分

のチームが作成したものに決定

■観察者チーム

まずは各自でじっくり各シートに目を通す。その後自由に意見しあい、どの評価

シートを利用するかを決定。

「総合的評価のシートはあとでFBしにくいのでは?」「使いやすさはどれか?でも

使ったあとFBしやすいかどうか考えるとどれか?考えると選ぶものが違う」「コミュ

ニケーションは外せないが目に見えないものは評価しにくいので、やはりスキルや

ツールから評価していくとやりやすいのでは?」「マトリクスは見やすいので使い

やすいのでは?」など。

 結果、使用するシートは?グラシーズ作成シート ?里帰り作成シート ?AAT

作成シート など、できる人は好きなもの2つを使うことに決定。評価にチャレンジ

14:20〜 【実践!会議ファシリテーションのテーマとFA決め】

   テーマ(1)英語を小学校の必須教育科目にすることについてどう思うか

      (2)大阪府庁をWTCに移転すべきか

      (3)FAJはファシリテーターの認定資格制度を設けるべきか

   この3つの中から選ばれたのは(3)FAJはファシリテーターの認定資格制度を

設けるべきか。FA役は、すでに基本を身につけている人もしくは実際に経験がある

      人ということで、岩崎さんに決定!

  (この大役を引き受けてくださる方はいるか・・・企画者側はドキドキしましたが、

このハードな大役を引き受けてくださった岩崎さん、ありがとうございました!)

14:3014:40 休憩(10分)

    休憩中、テーマについてすでに話しあいが始まりつつ・・・

14:45〜 【いざ実践!会議ファシリテーション(30分)】

なぜこのテーマを選んだか

認定されたらどうなるの?目的は?―――質の悪化を防ぐため?仕事を

依頼するため?協会の運営資金のため?

そもそもなぜ認定するのか?

公認されている人→ソムリエ・スキーのコーチのイメージ、プロ=客観的評価、

あそこに頼めば大丈夫というものとして必要。とくに最近現場に出よう!プロ

ジェクトなどもあるので・・・

広くいろんな人にこの技術を知ってもらって、それぞれの場で役立ててもらえ

ればいいという普及が協会の目的なので認定する必要はないのでは?

資格があれば受けるか?

一定の基準はなぜ必要か?目的は何かを明確にしなければ・・・

などの話しあいが行われ、30分を終えた後、各自で評価シートを記入(5分)

15:20〜 【今の会議、FAについての各チームで振返り(15分) 全体シェア(5分)】

■実践チーム

定義の一致に時間がかかった。最初にゴールを設定したらよかった。タイムス

ケジュールは必要だけどあればしばりになり自由に発言できない難しさ。中立で

いられたかどうか?など

■観察者チーム:それぞれ感じたことをポストイットに書き出し、FA4つのプロセス

(場のデザイン、対人関係、構造化、合意形成)×3段階評価(FFine:よくでき

た、AAverage:標準、JJunior:成長の余地あり)のマトリックス状に壁に貼っ

て話し合い。

30分という限られた時間で話し合うにはなかなか難しいテーマであったこともあり、

資格制度の定義や認定についてのメリットや目的などそれぞれ一致していない

ので、前提条件を一致させようと意識されていたのはとても伝わってきたが、話が

いろいろな方向から出ていて整理するのに苦労されていた印象。改善点として、

30分後のゴールをコミットしておくと達成感があったのではという意見が多かった。

  〜全体シェア〜

  FA役の岩崎さんより

「誰が欲しがっていて、どういう目的なのかをみんなで共有・定義したかったが苦労した」

  「軸が飛んで見出せなかった、発散しきれなかった、30分の厳しさを感じた」

実践チーム代表より

  「30分の時間の中ではプロセス通りにいかない、だからこそ改善点として最初に30分後

のゴールをコミットしたい」

  観察チーム代表より

  「質問で引き出しができていてよかった。構造化する努力がみえていた。評価はプロセス

23(対人関係と構造化)に集中、本当の場ではプロセス通りにはいかないことを感じた」

16:0016:05 休憩(5分)

16:05〜 【次は使いやすいシートはこれだ!もしくはシートを使ってみてどうだったか(30分)

 全体シェア(5分)】

■実践チーム

実践者は終わってからつけるので、まず全体的な総合評価を考えてから細部に行く。

なので、全体評価をつけてから細部評価できるものが使いやすい。

主観的すぎて迷い出すとつけられない

参加者の満足度→中の人(参加メンバー)にしかわからないものをどう評価するか

FA能力向上のためのシートなので、向上すべきポイントがわかるものでないといけない

強み・弱みがわかるものでないといけない

FA・メンバー・観察者によってシートはかわるのではないか

貢献度は当事者にしかわからない

■観察者チーム

②里帰りチームのシート

簡単にチェックしやすいものがいい(できているか、できていないか)

行動におとせるものはチェックしやすい

コミュニケーション、ファシリテーターの振舞いの欄は良かった

数が多いとダメ(初めての人・会議に慣れていないひとは大変。時間がかかる)

①グラシーズのシート

目でみてわかりやすい、使いやすい

貢献度と場の雰囲気が分かれているところがいい

Fによって場がどうなったかがわかるのがいい。つけるのは参加者側の目線が

必要だと感じた

やっていることはやっていても(交通整理の努力)、プラスに作用できているか

どうかはつながらない(まとまりがなかったという結果になることもある)

〜全体シェア「使いやすい評価シートとは」〜

誰のためにあるのか?で違う。つける人によって総合評価→細部 細部→総合

評価はかわる。

会議参加者の満足度と観察者の視点は違う。外から図れるものか?と考えると、

それをどう評価項目に落とし込むのか

参加者の満足度・納得度は外からはかれるものではないのでは?

今回これができていない、何名かに評価してもらいチェックがつくところにかたより

がある=強み弱みがわかりやすい、結果改善にはつながるかも

行動していても場がうまくいっていないとダメ→場の評価は必要

項目がありすぎると大変。評価基準は、とくに良かった点、とくに改善点でのみで

いいのでは?

ファシリテーターの感想

ファシリテーターの評価制度をFAJで作るかどうかの議論は、今までいろいろな処で

なされて来たので、その事自体には触れませんが、ファシリテーションのポイント、

ファシリテーターとはどんなものかというのを共有しながら

・自分が意識しているし、できているポイント

・自分は意識しているが、できていないポイント

等に加えて、他人のファシリテーション及びファシリテーター像と比較する事で、より

幅広いファシリテーションについての認識や行動ができていければ素晴らしいと思います。

ただ、幅広くポイントを持つというのと、絞り込んだチェックシートを作成するという矛盾する

命題にたくさんの人が挑戦して頂き、たくさんのアウトプットを出してもらいました。

「ある一つの分野を勉強する上で、一般的に自分の到達点を知る事でさらに次の段階を

目指しやすくなる」という方式が場を読みながら対応していくファシリテーターの育成には

使いにくいのかも知れませんが、他人へのアドバイス(フィードバック)や、自分自身での

チェックに使えるのか、また意見をお聞かせいただければ幸いです。

今回および前回参加した皆様、本当にありがとうございました。(明石)

初の2回連続講座でしたが、今回と前回を通して、評価項目を2度にわたりじっくり考える

事でファシリテーターに必要なことを再確認する有意義な時間でした。いいファシリテーター

とは、最終的には参加者の満足度で評価されることでしょうが、補助として評価シートと

いうもので広い視点でやったことに対してしっかり自分自身の振返りをし、次への改善点

を確認し改善に努め、常に向上を目指す姿勢を持ち続ける人のことなのでしょうね。あと、

評価シートはファシリテーター自身が自分の成長のために必要と思っていましたが、

実はそれを観察する側も目には見えないエネルギーや場の状況、参加者の納得度など

を見ようと関わるので、目に見えないものを感じられる人でないといけない、今この場所

でおきていることを冷静に見られないといけない、そう思うと観察者のスキルもかなり必要

なことに気づかされたりもしました。FA本人にとっても、観察者側にとっても、学び深いもの

ですね。

  いつもは参加者側の瀧井ですが、この2回を通して、全体の観察をしながら、観察者をする

  ことで場を見る力の訓練になり、実際自分がファシリテーションをするときに生かされること

がありそうだ!と、一人役得を感じました。これからも参加者として、企画側として、両方を

経験しながらしっかり自身の力をつけたいと思いました。いつも学ばせていただいている

定例会にもっと主体的にかかわるといろんな視点がひろがるな〜ということで、またこれから

もよろしくお願いします!皆様、ありがとうございました!(瀧井)