第86回 2011年5月14日 その3 日本一受けたいFAJ理科授業 〜科学的合意形成に挑戦っ!〜関西支部

 

第86回関西支部定例会報告


日 時 2011年5月14日(土)13:00〜16:30
場 所 西宮市民会館 (アミティホール)
ファシリテーター 上井さん(中部支部)
テーマ
日本一受けたいFAJ理科授業
〜科学的合意形成に挑戦っ!〜
ねらい
 
この授業は,科学が得意な方でも不得意な方でも,メンバー同士で大いに悩み,考え,語り合って楽しめる理科授業です。授業の中身は中学校3年生理科です。「科学的とは?」を知り,メンバー同士でのファシリテーション(実験,観察,話し合い)により,」日常知が変容し科学知を築いていきます。
 
内 容

◆第1時限:オープニング

  • MF自己紹介,ねらい,ゴール,流れ説明
  • チーム分け(理科得意度などで分ける)、自己紹介
  • アイスブレイク〜パンダの正しい模様を描こう

◆第2時限:単元「力と運動?」

  • 力学台車のかかる力についての課題提示、調査1回目
  • 中学1年理科「力のはたらき,力の種類」についての講義
  • 課題解決のためのワーク(話し合い)
  • 「科学的とは?」の講義
  • 問題解決のためのワーク(話し合い)、調査2回目

◆第3時限:単元「力と運動?」

  • 問題解決のためのワーク(実験,話し合いなどの学び合い)、調査3回目

◆第4時限:振り返り

  • 2・3時間目を受けて,自分,チーム内に起こったこと
  • この授業から学んだことで,自分の生活や仕事に役立てそうなことは?
  • まとめ

■MFの振り返り:

  • チーム分けで,性別,理科得意度,仕事での科学度を考慮し,科学に対しての背景が多様になるようにチーム分けしたことが,チーム内での話し合いの活性化につながった。
  • アイスブレイクでの「パンダの正しい模様を描こう」のワークは,合意形成のウォーミングアップ,人間関係づくりとなった。
  • 「力」の定義を中学1年理科の教科書をもとに講義し,前提をそろえることができた。ワーク中,参加者は,力の定義が掲示された黒板を何度も確認する姿が印象的だった。
  • 全員合意(納得)をゴールとした。「わかったつもりは×」と介入したことにより,チーム内で協力しての学び合いが促進された。
  • 泡の会でも,この授業のことが大いに話題となっていた。たくさんの方に楽しんでいただいた。この機会を与えていただき感謝しています。

■参加者コメント:

  • 「わかったつもりは×」と言われ,自分が納得することに集中しようとした。
  • 「わかったつもりは×」といわれ,自分が相手を「わからせたつもり」になっていた。わからない人の頭の中,感情,背景を知ろうと努力した。特に,相手の話をしっかり聴くことが大切。日頃の会議などでも,共通する大事なことを学ぶことができた。
  • 全員が”合点”でゴール!という目標があったため,いろいろな手段でお互いの納得を助けようとすることができた。その過程で,いろいろな物の見方や知識の得方,使い方に触れることができた。
  • アイスブレイクでの「パンダの正しい模様を描こう」も科学的な合意形成だった!
  • 上井さんのおっとりとした,落ち着いた雰囲気にも,安心してのぞめた一端があったと思う。
  • 全員納得をめざすことが,「チーム全員で,私たちの課題を解決しよう!」という意欲につながり,あきらめずに協力できた。