第137回:2015年8月1日 ”インプロって知ってる?”〜失敗を恐れない方法〜九州支部

2015年8月度定例会レポート

日時

2015年8月1日(土)13:00〜17:00

会場

福岡県中小企業振興センター 403会議室

テーマ名

”インプロって知ってる?”〜失敗を恐れない方法〜

ファシリテーター

前原寿代(演出家・作家・役者・演劇ファシリテーター)

1名

参加者数(会員)

29名

一般・見学者数

7名

報告作成者

寺崎 正信

報告日

2015年9月1日

テーマ詳細

【プログラム概要】

【イントロ】
  • インプロビゼーションの解説
【ワーク1】
  • サークルになって一斉に右・左へ向く(向かい合ったら立ち位置を交換)
  • 拍手(右・左・逆・二重・空間)を相手に伝えていく
【ワーク2(ペアワーク1)】
  • 引き倒し
  • じゃんけんで左右の手を掴む
  • 1.2.3と(声・拍手・3の時ピースサイン)を交互に表現する
【ワーク3(ペアワーク)】
  • モデルとカメラマン(イイねとダメだ)を使いながらモデルにポーズを取ってもらう
【ワーク4(グループワーク)】
  • 五人一組になり調教師役が猿役に、表情や仕草だけで猿にポーズを取らせる
    (※調教師と猿以外は観衆)
【ワーク5(グループワーク)】
  • 五人一組で与えられた図形を全員でポーズを取り、で写真的に表現する
【チェックアウト】

全員サークルになってチェックアウト

  • 以前参加して分からなかった事が分かる様になった。
  • 言葉と身体の表現両方の大切さが解った。
  • 受け止めて、考えを乗せていく事を考える良い機会だった。
  • 伝える事、引き出す事への努力が必要。
  • 馬鹿な事をとりあえずやってみて、反応を見てからやってみる。
  • 伝え方のヒントになった。
  • 演劇が身近に感じた。
  • 褒められるときと否定されているときのギャップが気付きを促す。
  • 相手の背景を理解してからの表現をしなくてはと思った。
  • ワークが進むにつれて波長が合ってきた。コミュニケーションが大事だ。
  • 楽しく、やらされた感が無かった。難しさを乗り越えた。ハードルの高さを一歩乗り越えた。
  • 伝える部分、カメラマンのパス出し、身近なコミュニケーションツールとして大切。
  • おさるのワークは、客観的に見る良い機会だった。おさるのワークの第三者からのフィードバックが良かった。
  • 日常生活の中に即興劇を頭の中で演じてコミュニケーションを取りたい。
  • 非言語のコミュニケーションに慣れていなくて疲れのピークだったが相手に伝わる表現を心掛けた。
  • 頭は使うことが多い中、体が動いた。「違う!」という表現に普段言えない分快感もあった。
  • 1.2.3のワークは簡単に笑えた。今後使っていきたい。
  • 右手、左手のワークは左手が良く動かなかった。
  • まずはやってみようという気持ちになった。
  • やっている人同士がアイコンタクトを取っていた。コミュニケーションの基本。
  • おさるのワークで手を叩くタイミングが難しかった。改めてコミュニケーションの難しさにワークで気が付いた。言葉に頼りすぎて体を使っていなかった。

【ファシリテーター振り返り】

『インプロ』とは何か?あまり馴染みのない言葉と演劇ということで、抵抗感を抱いていた方もいらっしゃったことと思います。
ご紹介いただいて、今回のプログラム内容を話している時の参加者の様子は、不安と期待が入り混じったような印象を受けました。演劇に対する抵抗は、ワークの入り口ではよく起こることなので、私が感じている演劇と日常の共通点をお伝えしました。

アイスブレイクを始めるとあっという間に固い空気がなごみました。全員で円を作る際、周りの様子をよく見て、自分の立ち位置を直していく参加者の様子が非常に印象的でした。皆さんの日常でも利用できるアイスブレイクも考えて、前半のゲームをプログラムしました。

演劇は言語と非言語のコミュニケーションの両方を活用する芸術です。日ごろ、言語の方に頼りがちになってしまいますが、非言語をプラスすることでコミュニケーションがより円滑になりますし、非言語だけでは伝わらない部分も言語をうまく利用することで伝えやすくなるということを体験していただけたかと思います。

私がファシリテーションをする時に、心がけていることを体験して頂こうと考えて『カメラマンとモデル』『猿と調教師』のプログラムを入れました。褒めることが難しいという感想に国民性を感じましたし、「違う」ということのほうが楽だったという振り返りは、面白かったです。
『猿と調教師』のワークに関する質問で「何故、観客が必要なんですか?」というものがありました。観客の目線を意識することで、ワークの仕上がりや伝えること、達成感が変化します。指示する側とされる側に、見守る人々が加わることで、承認される力がさらにプラスされ、ワークが強化されます。
『図形を伝える』では、図形をもとに話し合い、それぞれの個性や感性を合わせて作り上げる楽しさを体験していただき、より演劇的な表現にチャレンジしていただきました。話し合いに楽しく集中している皆さんの様子が素敵でした。

日常では、あまり実感、体験できないことを疑似体験できるワークが『インプロ』を用いた演劇ファシリテーションにはたくさんあります。その一部をご紹介できたことを嬉しく思います。終始、笑いの絶えない場の様子がよかったです。今後もよりよいワークを提供できるよう、研鑽に努めていきたいと思います。素敵な時間を共有させて頂きありがとうございました。

【担当者振り返り】

私自身の個人的な感想を述べると、コミュニケーションの質、特に非言語的な表現の在り方について気付かされた良い機会でした。ワークショップは常に非言語を意識したものでした。しかも物事を伝える側だけでなく受け取る側の非言語のメッセージ、そして第三者を巻き込んだメッセージの在り方までも意識した良き学びの場だったと感じています。

前原氏が言うように演劇とは言語と非言語両方を活用する芸術です。我々はテレビや映画、観劇等多くの芸術と触れ合う機会を持っていますが、それを、分析したり通常の生活に活かしたりすることは少ないように思います。言語以外の表現方法を、頭でなく体で感じる事。そして誰もが即興的に試してみて、その反応を見ながら更にアイディアを上乗せしていく疑似体験を通じて、普段行っているコミュニケーションから新たな一歩踏み出すことの出来る、良いヒントになったのではないでしょうか。

ワーク中は終始笑い声に溢れ、「普段使いできるコンテンツが沢山あった」「これくらいだったら私にもできそう」「アイスブレイクの幅が広がった」等の声も聞こえてきました。何よりも参加者の表情がイキイキと輝いていたのが印象的でした。