第21回:2005年12月3日 ファシリテーション再入門〜今さら聞いちゃうファシリテーションのあれこれ九州支部

●2005年12月定例会議事録

■日 時:12月3日(土)13:30〜17:30
■会 場:オクターブビル5F会議室
■テーマ:「ファシリテーション再入門〜今さら聞いちゃうファシリテーションのあれこれ」
■事例報告:田坂 逸郎
■担当ファシリテーター:水上 益満 今井 達也
■参加者:30名

□研究会の流れ

 1.アイスブレーク
 2.ファシリテーションの実際
   「ビジターズインダストリー都市塾」での事例
 3.ファシリテーションへの疑問をファシリテーターに質問してみよう
 4.ファシリテーションへの疑問を話し合ってみよう
   1) ファシリテーターのいる話し合い体験体験
   2) 話し合いプロセスの構造化

*******************************

■内容

1.「アイスブレーク」
 ・参加者を2グループに分け、目をつぶって輪になる。
 ・そのまま、手を前に出して前に進む。
 ・お互いの手がぶつかったところで、お互いに手を握り合う。
 ・目を開けて、手をつないだ人同士で輪を作る。
※初めての人同士で手をつなぎあい、輪を作ることで緊張をほぐすことを目的に行ないました。

2.ファシリテーションの実際
  田坂さんよりビジターズインダストリー都市塾における事例紹介

【ねらい】
 ・ファシリテーションの事例紹介を通して、ファシリテーターはファシリテーションを行なうときに何を考え、どう行動したかをリアルに実感してもらうことを目的とした。

【概 要】
 ・福岡市と福岡の企業の官民共同による次世代の都市のあり方を模索する研究会都市塾のについて
 ・ビジターズインダストリー都市塾の第1回会議から第5回までの振り返り。
 ・田坂さんオリジナルのアイスブレーク。(今までの人生であなたの体が覚えているスポーツは何ですか)これをベースにグループわけを実施。
 ・メンバーが徐々に参画度を高めてゆく様子。
 ・グループメンバーが話し合ったことを田坂さんがグラフィック化した様子を臨場感あふれるプレゼン。
 ・ファシリテーターをはじめたきっかけ。地域の防災を考える会での話し合いの際に、そっと模造紙を張ってペンを取り、みんなの意見をまとめていった。参加者が「私の意見はこうです」と言っているのを記録しているうちにいつの間にか、ファシリテーターになっていた。

田坂さんの結論「ファシリテーターは何をする人か」
 ・会議を成功させるために意見と意見の組合せをしてあげることで、人間関係(コミュニケーション)の楽しさに気づいてもらうこと。
 ・対立を調整するのではなく、組み合わせる。そのことで創造的な新たな考えが生まれる。
 ・結論を誘導はしないが、自ら参加する
 ・場のキャンプファイヤーにふいごで風を送ることで会議を活性化させる。

3.ファシリテーションへの疑問をファシリテーターに質問してみよう
【ねらい】
 ・これからファシリテーションスキルを身につけたい人、今、ファシリテーションを実践している人、どんな立場であれ、ファシリテーションへの疑問があるだろう。今からでも、今さらでもどんなことでもここで質問して、疑問解消や新たな気づきなど何らかの示唆を得る機会としたい。

【概 要】
 ・都市塾でのファシリテーションのプロセスでどのようなことを田坂さんは考えて行動したかを聞かれる質問がたくさん出されました。たとえば、「どうして最終結論がオリンピックになったのか。そこに行く過程で田坂さんの働きかけが影響を与えていないか」「誘導も調整もしないのにこれがポイントだとグラフィックで大きく書くのはどうしてか」「場の空気に支配されないで話し合いの目的をどう維持したのか」など約1時間近くの質疑・ディスカッションが行なわれた。

4.ファシリテーションへの疑問を話し合ってみよう
【ねらい】
 ・前セッションで出た質問で本質的な内容に関わるものを抽出し、テーマ化して先ほどの質問タイムの議論を深掘りする話し合いを行い、ファシリテーションへの理解を深める。

【話し合ったテーマ】
 ・メンバーとファシリテーターの信頼はどうやってつくるのか?
 ・ファシリテーターは誘導しないと言うけれどほんとうにできるのか?
 ・参加者の相性や場の雰囲気をどうやって読むのか?
 ・限られた時間内にどうやって発散させるのか?
 ・張り詰めた空気を打破して、どうチームビルディングするのか?
 ・ファシリテーターとリーダーは並び立つのか?
 ・そもそもファシリテーターって何なの?



担当者の感想

水上
今年度定例会で2度目のファシリテーター役を務めまして、少しずつ慣れてきましたが、まだまだ、課題がたくさんあります。進行の仕方、ワークの出し方、時間管理などファシリテーターとして「場」をホールドしていくことの難しさを痛感しますが、大変勉強になりました。いつも、加留部さんが言われる場数(馬鹿数)を踏むことの重要性を今回も感じました。
また、今回は初めての参加者がたくさんいらっしゃったにも関わらず、各グループの皆さんの議論とそのアウトプットは短時間な中で本質的なところを突いていたと思います。
定例会でいつも思うのですが参加者が積極的に関わろうしてくださる分、この場には話し合いがうまく行くだけでなく、この場ならではの、「気」の良さを今回も実感しました。前向きに学びあう人が集まるとそこには、個と集団の成長が促進される場が生まれます。会社でもこのような場の形成が出来ればと思うのですが、そこは地道な働きかけと少しずつ有志を増やすということが必要なのでしょう。ここでの体験を実際の仕事の場で生かしてしてゆきたいものです。
参加者の皆さんそれから、話題提供した上で、参加者の多様な質問に回答いただいた田坂さん、アイスブレークや質問タイムのグラフィックをやっていただいた今井さんに深く感謝します。

以上