第36回:2007年4月7日 プロセスデザインってなに?九州支部

●FAJ九州支部 2007年4月定例会議事録

■日 時:2007年4月7日(土)13:00〜17:00
■会 場:サンライトビルビル9階 西日本リビング新聞社アビリティルーム
■テーマ:「プロセスデザインってなに?」
    〜もし、あなたがファシリテーターを丸投げされたなら・・・〜
■参加者:44名(FAJ会員36名、一般8名)
■担当ファシリテーター:田坂さん、鮫島さん


■内 容
1.平成19年度 全国プロセスデザイン統一模試・春期特別実力テスト 13:05〜
 受付にて受験番号が配られ、指定の席にて待機。試験管指示に従い、30分間テスト実施。その後、共通問題の設問1穴埋め問題の回答をまわりの人とシェア。
        
2.全体のシェア・解説&ファシリテーターより挨拶 13:50〜
 設問?は堀会長の書籍より抜粋。正解はあるようでない。各自が大切にしていることが回答としてあらわれるのでは?

3.ワーク1 設問2のシェア 14:00〜
 分野別問題の設問2のA〜Dの分野×2グループに別れ、設問2の答え合せ。
成果物を出すもよし、シェアのみでも可。それも含めグループで話し合い、各グループ発表。

4.休憩 15:30〜

5.全体での振返り 「みなさん、いかがでしたか?」 15:45〜
 本来はここでワーク2(ワーク1では決められた分野だったものを、ワーク2では自ら選択した分野A〜Dに分かれてグループワーク)を予定していたが、変更。参加者全員で振返り。

−参加者より
・初参加でしたが、場所を間違えたかと思いました。(笑)
・ワーク1で答えはそれぞれが大切にしているものなら、選択制でなく、穴埋めの方がよいのでは?
・プログラムデザインはマトリオシカのよう。いくらやっても次から次へと出てくる。
 ・プロセスデザインとプログラムデザインの違いは?
・配慮やバランス。そして裏側に愛情がないとダメ。


【平成19年度全国プロセスデザイン統一模試・春期特別実力テスト九州会場】
問題ご紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
設問1.(分野共通問題)
プロセスデザインに関する次の文章の、各[  ]にあてはまることばを以下の語群から選べ。
【1】
ファシリテーションのポイントのひとつは、活動の[ア]そのものはチームに任せて、そこに至る[ イ ]のみを舵とりすることである。 そうすることで、  活動のイニシアティブをとりながらも、 [  ウ  ] に対する [ エ ]をチームに与えることができる。プロセスとは、目標に到達するための道筋である。メンバーの歩調をそろえるためにも、個々の活動の位置づけを理解するためにも、活動の前にプロセスを明らかにしてチームの[ オ ]をとっておかなければならない。

  A.同意  B.プロセス  C.コンテンツ  D.コンフリクト 
  E.成果  F.主体性 

【2】
いつどんな活動をやっていくのか、チーム活動の段取りを設計することを[ カ ]と呼ぶ。[ キ ]やメンバーに応じて、さまざまなツールやアクティビティを組み合わせながら、活動の内容をデザインしていく。あらゆる活動に使える基本形が、[ ク ]型のプロセスである。創造的なアイディアを生み出すときに使いたいのが、[ ケ ]型プロセスである。ファシリテーターは、前もってプロセスを入念に考えて会議の場に臨む。しかし、会議が始まったらいったんは手放して、[ コ ]姿勢を持つようにしたい。

  A.目的  B.プロセスデザイン  C.コンフリクト・マネジメント 
  D.起承転結  E.発散・収束  F.メンバーをしっかり誘導する 
  G.メンバーと一緒につくる

設問2.(分野別問題)
ファシリテーターとして次の与件を受け、ファシリテーションを行うワークショップのプロセスデザインの事前提出を求められたとして、次の問いに答えよ。

◆A(分野別問題:まちづくり)
(与件)大学近くにある古い商店街で、ここ数年若者離れの傾向があるため、商店街の名称を若者向けにしたいとの話が一部商店会会員から持ち上がった。しかし、高齢の商店主も多く古い商店街名にはなじみがある。あなたは、地域開発の専門会社から依頼されてファシリテーターとして乗り込むことになった。

◆B(分野別問題:組織改革)
(与件)とある企業がグループ総力を挙げて行う年に1度の統一イベント。しかし各部門の目的と負担がまちまちでなかなか足並みがそろわない。小売を担当する販売部、事業所どうしの契約を司る営業部、商品の要となる商品開発部、仕入を行う購買部、部門間に対立があるので、これを機にいろいろなことを見直そうということになった。あなたは、実際にイベントの運営管理を行うマーケティング部から依頼されてファシリテーターとして乗り込むことになった。

◆C(分野別問題:企画)
(与件)あなたはとある医療機器メーカーの営業部の社員である。このほど自社でストレス緩和に有効なセルフケア機器の開発に成功した。しかしこの分野は自社としては初めての試みでありいっさい販路がない。どこに販路を見いだし、いかにアピールし、いかに売るか。営業部の底力を発揮しての企画提出について、

現場リーダーのあなたにファシリテーションが求められた。◆D(分野別問題:教育)
(与件)訪問修理サービスを行う部門において、このほど業務効率化のため、専任営業担当を廃し、いままで営業経験のない修理技術者に営業活動を兼任させることとなった。あなたはいままでこの会社の新人研修を担当してきた人材育成の専門家だが、今度は職掌変更にともなってベテラン技術者にも営業スキルを研修する必要が出てきた。クライアントは、ファシリテーションを用いた研修だろうというのだが…。

Q1.1回のワークショップに必要な時間はどれくらいか?
Q2.1回のワークショップに最適な出席者数はどれくらいか?
Q3.以下にプロセスデザインと留意点を書け。
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■担当ファシリテーターより
 1月定例会での席上「ファシリテーターと主催者の関係づくり」という悩みから出発して、「プロセスデザインというスキル」こそその関係性を良好にすることに役立つ、との解決策模索から、この定例会テーマに至りました。
プロセスをデザインするというその主語は、ファシリテーターのみなのではなく、参加者を核とする「場」なんだ、との思いが強くなりました。「場」が「プロセスデザインってなに」をひもといていくプロセス(過程)そのものに、大きなエネルギーをもらいました。また、ご著書引用をご快諾いただいた堀さんに感謝いたします。(田坂)

なんといっても、田坂 逸朗さんとのコンビをして、定例会ファシリテーターをするということに、僕自身が興奮していました。自主セミナーを開催して僕自身は、いつも堀公俊さんの「プロセスデザイン」こそ、基礎の真髄で、それを、現場でどう実践していくかだろうと思っていました。それを、田坂さんと組んで準備するということは、大変な楽しみで、刺激的なことだったのです。ところが、それは実は僕自身の内面では刺激的をはるかに超えた大変”スリリングでエキサイティング”なことでもありました。鮫島が今回獲た、「プロセスデザインとは?]、はプロセスをデザインするということは、準備に尽きる、そしてそれは、心理である、が結論です。そしてあわせて、当日の現場は、”ナマモノ”。「場」こそ、コミュニケーションの原点なんだ、と僕自身はあらためて、思いをかみしめています。
田坂さんとのコンビで、またやりましょうね。こんな機会を頂いたこと感謝します。
ありがとうございました。(以上 鮫島宗哉)

(議事録作成:好村)

以上