第49回:2008年5月10日 ファシリタティブなコーチング!九州支部

FAJ九州支部 5月定例会報告

■タイトル『ファシリタティブなコーチング!』
           〜コーチはファシリテーターになれるか?〜
■担当   鮫島宗哉さん、野口和裕さん
■日時   2008年5月10日(土) 13時〜17時15分
■場所   オクターブビル4階会議室
■参加人数  51人(会員39名、非会員12名)
■配置   イスのみの扇形
■今日の目的 (1)コーチングとは何か?を知る
                (2)ファシリテーションフォーラムに向けての内容を「固める」
                (3)楽しむ

■レポート

=13:05=
1 アイスブレイク
 ○ アイコンタクト+握手
  ・参加者全員と、アイコンタクトをしながら握手をする。一切しゃべらない。
 ○ ペアの組を作り、「初めて会った人同士が仲良くなるためには、何をすればよい
   か?」について話し合う(2分)
 ○ 自己紹介(5分)
  ・4人組になり、ワンワード自己紹介(今日、期待していること)

=13:35=
2 会話
 ○ デモコーチング
  ・コーチ役:鮫島さん クライアント役:野口さん
  ・コーチングを意識した会話の方法を見る。
 ○ ペアを組み、自分たちでコーチングを意識した会話をする
  ・テーマ:今日、何を期待しているか?(得たいもの)を3つあげる
 ○ 「コーチング」って何?(全員への問いかけ)
  ◇ コーチングとは?
   ・発揮される能力 = 能力 ― 障害  ←この「障害」を減らすこと
   ・コミュニケーションの技術、目標達成させる、自発的行動を促す
   ・答えはその人の中にある、底まで一緒に降りる、寄り添う、コーチングフロー
   、オートクライン(自分で言った言葉で自分で気づく)

= 途中10分休憩 =
 ○ 相手を変え、ペアを組んで「自分自身の中でのコーチング体験」を出し合う
  ・悩み相談で、相手に聞いてもらっている間に自分で解決した
  ・親に勉強しろと言われるとする気がなくなる(悪いパターン)
  ・相談を聞き続けただけなのに、アドバイスをしてくれてありがとうと言われた
  ・相手が信じてくれていると思えたら、行動できる。相手との間に信頼関係が必要。
=15:40=
 ○ 「ファシリテーション」って何?(全員への問いかけ)
  ・1+1が2以上になる。思ったことが言える
  ・話し合いの場で活発な議論・意見を出させる、円満な合意を進めるプロセスへの
関与
 ○ 4人組になり、「私のファシリテーションとは?」を話し合う(5分)
 《出た意見》
  ・皆が納得するためのありとあらゆる工夫。
  ・黒子、納得感 ← 納得感って皆が自己満足に浸ってればいいの?
  ・触媒。意見や思いをやり取りする技術。同じ方向を向くような工夫
  ・ファシリテーターがプロセスに集中することで、参加する人がコンテンツに集中
   してもらい、アイデアや合意形成を促す。
  ・オーケストラ ← ジャズセッションでもある
  ・メダカの学校(誰が生徒か先生か)
  ※ コーチングは「信頼感」、ファシリテーションは「納得感」

=16:18 休憩(10分)=
3 振り返り
  ・アイスブレイクやグループ替えでいろんな人と話ができ楽しかった。ペアやグル
   ープなど、いつも以上に話す機会が多くてよかった。
  ・ファシリテーションとコーチングの定義を固めるより、違いから入ったほうがよかっ
   たのでは。
  ・3時間で定義をやるのは無理ではないか。タグラグビーをするのにラグビーを知る必
   要がないように、フシリタティブ・コーチングという新しい分野を作っていくつもりで
   やったほうがよかったのでは。
  ・いつも流れを事前に説明してもらうので安心できたが、今回はまっサラな状態で
   始めますといわれ、どこに行き着くのか不安だった。
  ・逆にまっサラからプログラムを組み立てていくファシリテーションのように感じ
   て面白かった。
4 初参加者の感想
  ・セミナーを聞く感覚で来たが、自分で考える場だった。参加型でどこへ行くかわ
   からないプロセスを楽しめた。
  ・もともとファシリテーションに興味があったが、コーチングも知ることが出来た。
      自分の業界と違う人達と会って、違う価値観を学びたかった。エキサイティング
      だった。
  ・何か持ち帰ろうと思い参加したが、自分自身のお土産は板書の効果。

= 17:15 終了 =

<ファシリテーター 鮫島宗哉の感想>
与えられているタイトルをあらためて見て、今回は、「コーチングを認知いただき、定
例会の体験そのものはファシリテーションだった」がテーマでした。それまでのプロセ
スデザインを直前に変更してのトライアルでした。アジェンダのないファシリテタティ
ブなコーチングになればと、相方のカズさんに鮫島のわがままを通し、「ファシリテー
ションの4STEPをふみながら、コーチングのGROWモデル(問題解決プロセス)
で、プログラムを構成してみました。参加者には、コーチングとファシリテーションの
両方を体験すると同時に参加者自身も当事者の一人として存在することを示唆する、と
たいそうなものだったのでした。実際やってみると、事前の解説や、意図開き、時間配
分が甘くなり、悔いの残る面もありました。

<ファシリテーター 野口カズの感想>
今回の内容の目的は比較的明確に設定したつもりでしたが、参加対象者の属性を見誤っ
た事、全体の流れを事前に説明しなかった事、意図のすり合わせが鮫島さんと十分でき
なかった事が、問題点だったように思います。そういった部分が参加者にはストレート
に伝わり、結果としてこちらの意図とは違う結果になりました。テーマは与えられ、し
かも深い内容だった点はあるかもしれませんが、やはり基本的な部分の押さえが甘かっ
たという点につきると思いました。参加されたみなさま、九州支部運営委員の方、鮫島
さん、ありがとうございました。

<記録者 丸本昭の感想>
 「ファシリタティブなコーチング」という色んな解釈(想像)ができそうなお題をど
う料理するか、鮫島さん・カズさんの答えは、コーチングフローの構造をファシリテー
ションに持ち込み、双方向的に(参加者の反応を見ながら)組み立てるという挑戦だっ
たと思います。その挑戦の部分が、ファシリに慣れた人には戸惑いを、初めての人には
刺激を与えたように感じます。それでも、コーチ側の鮫島さんとファシリテーター側の
カズさんが、お互いの個性を掛け合いながら進めるファシリテーションは楽しい時間で
した。