2017年4月1日(土)13:00~17:00
福岡市 NPO・ボランティア交流センターあすみん
質問づくりワークショップ―問いをつくり出し・選び出す対話の場―
福井 崇郎(FAJ会員)
24名
6名
福井 崇郎
2017年6月1日
〈目的と概要〉
質問づくりや質問を選び出す対話の中から、自分の想像の枠を超える質問に出会い、自身の力で問いをつくる力を身につけてもらうことを目的に「質問づくりのワークショップ」を企画しました。
私たちは学校教育などで質問に対する最適な答えを導くための訓練はたくさんし実践してきましたが、「問い」を自分自身でつくる鍛錬は余り学んできていません。今回はダン ロスステイン、ルース サンタナ、吉田 新一郎 (訳) (2015年9月)『たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」』新評論の質問づくりのワークショップを参考に18歳の選挙権をテーマに問いをつくるワークを実施しました。
〈当日の流れ〉
はじめのあいさつ
・自己紹介+チームづくりのワークショップ(4人1グループ)
・全体の流れ
Ⅰ4つのルールの紹介とそのルールがなぜ必要なのかの対話
自分たちの質問をつくるための4つのルール
①できるだけたくさんの質問を出す
②話し合ったり、評価したり、答えを言ったりしない。
③発言のとおりに質問を書き出す
④肯定文として出されたものは疑問形に転換する
Ⅱ参加者同士で質問をつくり出す作業
練習:「死刑制度は正しい」
本番:「18歳の選挙権は必要ない」
Ⅲ「閉じた質問」と「開いた質問」を書き換える。
Ⅳ参加者同士で優先順位の高い質問を選択する
Ⅴ優先順位の高い質問を使って、次のステップを考える
Ⅵここまでしたことを参加者同士で振り返る
「学んだことは何か?」「学んだことをどのように応用できそうか?」
・質問を考えることの難しさ、大変さがわかりました。
・OPEN⇔CLOSE変換には発想力を要する。
・いかに自分が思い込んで動いているかがわかった。
・多くの問いを通じて気づきがうまれればと思います。
・「質問力」を高めることによって、結論に達するまで様々な思考をめぐらせることが可能となり、通常では思いつかない発想、アイデアを生み出せることが理解できた。
・「よい質問の作り方(ノウハウ)」がわからなかった。
・(今日のワークショップを終えて、今後は)考えを深められる質問をしていきたい。
・質問力は話を深めていくのに大事。
・オープン/クローズな質問を逆の形式に変換してみることで、自分がなぜ元々その質問を出したのか、そこに隠れていた前提や自分の考えに気づくことがありました。
・わかってはいても、ついつい問いの答えを考えたくなった。
参加者自らが主体的に質問づくりに関わってもらえるように、参加者に的確に要点を伝え、質問づくりの段階で何をしているのか理解してもらえるようにファシリテーターとして努めました。細かい時間配分の説明が足りずに参加者が戸惑っていた場面もあるので時間をしっかりと区切り、説明していくことが重要だと思いました。
テーマから問いをつくることがどうして大事なのか体感してもらえたと思いますし、振り返りの時間の際に自分が選んだ問いに対して意図開きができ、参加者からより良いフィードバックを貰うことができました。また、別のテーマを使い、このワークショップを磨いていきたいと思います。
参加者アンケートを見ていると、ワークを通じて「問い(質問)」に対する意識が向上した参加者が多かったと感じます。
話合いが上手く進行しなかったグループ(テーブル)の参加者からは、満足度が低いとの反応を頂いており、グループの決め方・組み方について改善ができれば、全体としての満足度があがると思います。