第163回: 2017年11月4日 (土) 九州支部11月定例会 『ファシリテーション・グラフィック 基本編 「わたし、明日からホワイトボードの前に立てます」』九州支部

2017年11月 定例会レポート

日時

2017年11月4日(土)13:00~17:00

会場

福岡市 NPO・ボランティア交流センターあすみん セミナールーム

テーマ

ファシリテーション・グラフィック 基本編 「わたし、明日からホワイトボードの前に立てます」

ファシリテーター

小長光 信、上口 崇志、河野 梢子、森島 孝三(いずれもFAJ会員)

参加者数(会員)

25名

参加者数(一般)

6名

報告作成者

河野 梢子

報告日

2018年2月28日

テーマ詳細

プログラム概要

<概要>

ファシリテーターの必須スキルと言われながらもハードルが高いと思われがちなファシリテーション・グラフィック(以下ファシグラ)について、実践でもよく使われている3つの基本型の「気をつけるといいこと」「気にしなくていいこと」をシンプルに伝えて体験学習するプログラムを実施した。

<グランドルール>

・とにかく書きましょう。
・どんどん発言しましょう。
・発言は短めに。具体的に。

<今日のゴール>

・ファシグラをまだ実践してない人:職場などでとりあえず実践してみよう!と思っている。
・ファシグラをもう実践している人:自信を持って書けるようになっている。
・ファシグラをだいぶ実践している人:ファシグラを周りに広めよう!と思っている。

<プログラム>

1)インストラクション

「ファシグラとは」、「グランドルール」「今日のゴール」「今日の流れ」等、説明

2)グループ分け

「今から前のホワイトボードでグラフィックをしていただける方を募集します。やってくださる方、挙手をお願いします」というMFからの呼びかけに対し、「手を上げよう」と思った度合いを20㎝の黄色のリボンを折って(ちぎって)表してもらう。リボンの長さ順に1列に並んでもらって、短い順に4人ずつでグループを作った。

【リボンの長さの目安】

絶対無理・・・0%(0㎝)
助手なら・・・20%(4㎝)
サポートしてくれる人がいれば・・・40%(8㎝)
指名されたらやった・・・60%(12㎝)
誰もいなければ手をあげた・・・80%(16㎝)
自発的に手をあげた・・・100%(20㎝)

3)マンダラ1回目(8分)

(1)以下の「WHY」の問いの候補からグループで1つ選び、話し合う。話し合いのグラフィッカーは2人で交代してやる。

① なぜ私たちはなかなかホワイトボードの前に立てないのか?
② なぜ私たちはなかなかファシグラが上達しないのか?
③ なぜ私たちはなかなかファシグラを人に教えられないのか?
④ その他、ファシグラに関するWHY

話し合いで出たアイディアのうち、さらに話し合いたいものを1つ選び、「◯◯するには、私たちはどうしたら良いか?」という「HOW」の問いに変換する。

(2)シェア

ホワイトボードを自由に見て回る

4)KPT1回目(11分)

(1)「いま、マンダラをやったこと」について、KPTを用いてグラフィックをしながらグループでふりかえる。グラフィッカーは2人で交代し、出てきたトライの中から、マンダラ2回目で頑張りたいことを3つ選ぶ。

(2)シェア

ホワイトボードを自由に見て回る

5)マンダラ2回目(8分)

(1)マンダラ1回目の後に作成した「HOW」の問いについて、グループで話し合う。話し合いのグラフィッカーは2人で交代して担当する。(マンダラ1回目にグラフィッカーをしなかった人)

(2)シェア

ホワイトボードを自由に見て回る

6)KPT2回目(10分)

(1)「いま、2回目のマンダラをやったこと」について、KPTを用いてグラフィックをしながらグループでふりかえる。グラフィッカーは2人で交代して担当する(KPT1回目でグラフィックをしなかった人)。

(2)シェア

ホワイトボードを自由に見て回る

7)リスト型(30分)

(1)「FAJ定例会に来たことがない人に勧誘チラシを3月に配る件」について話し合い、リスト型にグラフィックをする。グラフィッカーはグループ内で交代しながら全員がやる。

(2)シェア

ホワイトボードを自由に見て回る

8)ふりかえり

「今から前のホワイトボードでグラフィックをしていただける方を募集します。やってくださる方、挙手をお願いします」という再度の呼びかけに対し、「手を上げよう」と思った度合いを20㎝の緑のリボンを折って(ちぎって)長さで表してもらう。ワーク前に折った(ちぎった)黄色のリボンと長さを比較して、長さが変わった要因についてグループ内でふりかえる。

9)まとめ

参加者コメント

・何回も行うことにより、グラフィックを行うハードルが下がりました。
・活用するかは自分の気持ちしだい。
・マンダラ、リストなど手法を学べた。
・リストが使えそう。
・実際にやってみるとさほど難しくなかった。
・参加者みんなが楽しんで体験できるように運営されて、楽しく学べました。
・グラフィッカーのやり方、ポイントがつかめた。
・ホワイトボードで区切られていたので、何をするのかが、見えにくかったり、聞こえにくい時もあった。
・場を踏んで経験していきたい

ファシリテーターふりかえり

書いて書いて書きまくるというプログラムで、疲れるのではないかと心配していたのですが、参加者にはおおむね満足していただけたようでほっとしています。特に、4時間のワークの前半と後半で、参加者がホワイトボードに立つ様子に変化(堂々と立っている感じ、字の大きさ、筆圧)を見て取れ、うれしく思いました。今後、ブラッシュアップしながら、定番のワークにしていきたいと思っています。

会場にホワイトボードを扇型に5枚並べて前方の見にくさ、MFの声の通りにくさ、動きにくさについては改善策を考えたいと思います。

今回、定例会から3か月後に、その後の参加者のファシリテーション・グラフィックに対する行動や気持ちの変化についてアンケート調査を行いました。多くの方の「書くこと」にチャレンジしてみるという行動変容が分かり、グラフィックの手ごたえをつかんでいる様子も把握できました。アンケート結果から、即戦力になる話題提供ができたのではないかと感じ、企画チームも満足しております。

担当者ふりかえり

参加者全員が小グループに分かれて何度もグラフィッカーを体験するという体験型のワークでとても学びになりました。何度もやっていくうちに徐々に抵抗感が薄れ、「やればできるんだ」と言う自信につながる良いワークだったと思います。企画チームが何度も打ち合わせを行い、よく練られたプログラムでとても良かったと思います。明日から活かせる学びでした。