2019年2月9日(土)13:00~17:00
福岡市NPO・ボランティア交流センター あすみん セミナールーム
ファシリテーション・グラフィック 基本編 「ホワイトボードで会議を活性化しよう」
小長光 信(FAJ会員)、河野 梢子(FAJ会員)、箱崎 博信(FAJ会員)
小長光 信(FAJ会員)、河野 梢子(FAJ会員)、箱崎 博信(FAJ会員)
18名
10名
箱崎 博信
2019年3月4日
1. 概要
話し合いを見える化するためのファシリテーションスキルである「ファシリテーション・グラフィック(以下、ファシグラ)」のうち、「マンダラ型」「リスト型」「KPT」の3つの基本型について、「気をつけるといいこと」「気にしなくていいこと」を踏まえて体験学習するプログラムを実施した。今回は2017年11月九州支部定例会の内容をブラッシュアップしたものである。
2. 今日のゴール
ファシグラをまだ実践していない人→職場などでとりあえず実践してみよう、と思っている。
ファシグラを実践している人 →自信を持って書けるようになっている。
ファシグラをだいぶ実践している人→ファシグラを周りに広めよう!と思っている。
3. グランドルール
〇書く時 : とにかく書きましょう。
「気をつけると良いこと」だけ気をつければOKです。
「気にしなくて良いこと」は気にしないでください。
〇意見を出す時: 発言は短めに。具体的に。
どんどん発言しましょう。
4. プログラム
① インストラクション(11分)
② ウォーミングアップ、チーム分け(26分)
「3人の人物があることを決めるために相談をしている会話」を聴いて書き取ってもらい、結論と理由が漏れなく書けていたか確認する。「目標シート」に各自の「本日の目標」と「目指す目安の数値」を書いて、目安の数値が近い4人でグループを作る。
目安の数値は、「少なくとも結論はしっかり書く」の1.0から「欠席者もホワイトボードを見れば話合いの内容がわかる」の4.0までの目盛りを例示した。
③ アイスブレイク(11分)
チーム対抗で、1本のマーカーをバトンがわりにリレー形式で、「ある条件を満たす言葉」をひとつずつホワイトボードに書いていくゲーム。制限時間内に最も多く書けたチームが優勝賞品(某地域限定味の菓子)を獲得。
④ マンダラ1回目(31分)
話し合うテーマを8つの候補から1つ選ぶ。選択したテーマから「なぜ、私たちは〇〇を○○できないのか?」という「WHYの問い」を作り、話し合う。グラフィッカーは2名が交代して担当する。
最後に、二回目のマンダラのために、今回出た意見から重要と思えるものをひとつ選んでおく。
⑤KPT1回目(20分)
マンダラ1回目の「話し合い方」「書き方」についてKPTを用いて振り返る。グラフィッカーは「K、P」「T」を2名で交代して担当する。
⑥マンダラ2回目(6分)
マンダラ1回目で選んだ意見から、「どうしたら、私たちは○○を○○できるのか?」という「HOWの問い」を作り、話し合う。グラフィッカーはマンダラ1回目と同様に2名が交代して担当する。
⑦KPT2回目(12分)
1回目と同様にマンダラ2回目の振り返りを行う。
⑧リスト型(58分)
テーマは「花見の計画」。用意された複数の議題案について、話し合う順番と時間配分を決めた上で話し合い、グラフィックをする。
⑨全体の振返り
グループ内で、各自が決めた目標に対してどうであったかを話し合う。
⑩まとめ
・会議ではホワイトボードを活用しようと思った。
・ホワイトボードに「誰の意見なのかを書かない」というのは理由を含めて印象的。
・リストについては利点があるのと、腑に落ちたので使ってみたい。
・マンダラは少し回数を重ねて練習が必要だ。
・ホワイトボードに限らず、自分のメモでも練習したい。
・ホワイトボードを使う会議では、写真などを使って効率化の一つとして推し進められる。
・マンダラ、KPT、リストについて、それぞれの特徴、目的、どんな時に使えるかをより具体的に知りたかった。
・反対意見が出た時のまとめ方がわからなかった。
・新しい試みとして、目指す水準が近い人でチームを組んだ。アンケートでもこのチーム分けが良かったとのコメントがあった。今後も目的によっては有効と感じた。
・ワークでは活発に意見が出た班とそうでない班の差が見られた。特に、HOWの問いが具体的でない班は意見が出しにくい様子だった。参加者がメインテーマに集中できるようなインストラクションを検討したい。
参加者の1/3がお試し又は初参加で、ファシリテーションを学ぶ一歩目として興味を引きやすいテーマと思われる。また、アンケートでは「会議などで活用できる」との意見が多く、実践的なワークと受け止められたようだ。今後もブラッシュアップを重ねつつ、定例会の定番メニューにしていきたい。