2025年2月1日(土)内面的プロセスを探求しよう~ファシリテーター体験とふりかえりを通して~(九州、東北、北海道3支部合同企画 )九州支部

2025年2月 定例会レポート

日時

2025年2月1日(土) 13:00〜17:00

会場

オンライン

テーマ

内面的プロセスを探求しよう~ファシリテーター体験とふりかえりを通して~

ファシリテーター

あら(FAJ会員)

参加者数

参加した会員〔20名〕 
ファシリテーター(チーム)〔7名〕
 計27名(全員FAJ会員

報告作成者

荒武 勢津子(あら)

報告日

2025年3月30日

テーマ詳細

プログラム概要

  1. オリエンテーション・自己紹介・アイスブレイク
  2. 内的プロセスとは
  3. 進め方の説明
  4. 対話1とふりかえり
  5. 対話2とふりかえり
  6. 対話3とふりかえり
  7. ワーク全体のふりかえり

終了後、茶話会

参加者コメント

(良かったこと)
・テーマも、3支部合同も良かったです。
・すごく準備をされていたことも最後に分かって良かったです。
・FAJの定例会では、内省的なふりかえりがなかったり、予定調和的な収束で、いまひとつ学びが深まらないと感じることが多いのですが、今回はテーマ自体もプロセスにフォーカスしていた上に、少人数でしっかり話す時間があったり、茶話会で色々な人の発言を聞くこともできて、色々な視点で学びが深められた気がします。終わってからも一人ふりかえりが続いています。
・自己一致感を大事にして、自己開示できたこと。
・対話と丁寧な振り返りを3ラウンドやってそれぞれの違いを堪能できました。

(改善した方が良いこと)
・ワークを体験して思うことですが、内面プロセスに前景化する意図があるのであれば、意図時にそれが出てくる立て付けのワークにするとよいかなと思っています。各グループの中で2人のファシリテーターを立てて、A)自分なりのファシリテーションを行う人 B)特にファシリテーションを意識せず問いだけ投げて進行する人 のように2つのロールとしてファシリテーションを行ってもらうやり方があるかなと思いました。
・オンラインでの進行に慣れていない感があり、少々ヤキモキすることはありました。
・はじめのインプットとワークの設定意図がよく分からず迷いながらの参考になったこと。運営側の意図や狙いをもう少し明確にしてもらえると、より学びやすくなりそうでした。例えば、内面的なプロセスはファシリテーションのどの段階でも発生するものだと思いますが、今回、発散に絞った意図といったところです。

(今後への提案や希望)
・オンラインありがたいです。
・ナイスな試みで、今後の可能性を感じました。いろいろなコラボがあるといいですね。
・ぜひ、継続してください。参画したいとも思います。
・運営委員ではなくても興味のあるテーマで企画に関われるものがあれば関わってみたいと思うので、そういう募集をかけてもらえたら嬉しいです。

ファシリテーターふりかえり

 内面的プロセスを探求するというテーマを正面から取り上げたのは初めてでした。しかもオンラインでの実施はかなりチャレンジングでした。シンプルな対話の場でファシリテーションする、そしてその体験で起きたこと(発言、沈黙、気持ち)を丁寧にふりかえってみる、というワークプログラムでしたが、当初想定していた以上のこと(プログラムやレクチャーに多くの質問が寄せられる、ファシリテーター不要の話合いと合意など)が起きました。それも全てプロセスであり、ダイナミクスですね。
 このプログラムの肝は、何といっても「ふりかえり」ですが、最後のワーク全体のふりかえりでは、問いをどうするか悩みました。当初は「内面的プロセスがわかるとファシリテーションの何が変わる?」という問いを考えていましたが、観念的であり、果たして内面的プロセスがわかるところまで行けるのか、まだわからなさの中にいるかもしれないと思ったので、「ワークで気づいたことは?」と内面的プロセスでの気づきに限定しないシンプルな問いにしました。 各人が自由に発言できる緩い場にしておきたい、他者との対話から学びが始まるのではないかとの意図からでした。問いは難しいと感じました。 終わってからも一人ふりかえりが続いている(アンケートから)人もいたことは驚きでした。
 やってみてはじめてわかる。やってみなきゃわからない。このテーマを取り上げて良かったと思う一方で、グランドルールの伝え方、理論的背景のレクチャー、質問への応じ方にも課題が残りました。
 最後に、3支部合同という新しい試みができたことは何よりの成果でした。皆様、ありがとうございました。

担当者ふりかえり

各支部のWeb担当者が集まってメッセンジャーで情報交換を始めたのがご縁で生まれたこの企画。企画メンバーで何度も練習会をしましたが、思った以上に外面的プロセスを気にかけてしまっていることに気付いたり...外面的、内面的、どちらが良いという話ではないですが、内面的なファシリテーションにフォーカスするトレーニングにより、日々の振る舞いについて考える良い機会になりました。茶話会では参加者の方がほぼ残ってくださり、活発な意見交換や、次の合同開催やオンラインを望む声を伺えて最初の一歩を踏み出して良かったと噛み締めておりました。あらさん、参加の皆さん、ありがとうございました!(すえ)

FAJのHPにある内面的なプロセスの定義には「考え方や筋道などの思考的なプロセス」と「感情の動きやメンバー同士の関係性などの心理的なプロセス」の2つの要素があるが、「考え方や筋道などの思考的なプロセス」と対話の中のコンテンツとの切り分けが難しかった。言い方を変えれば、個人的には「感情の動きやメンバー同士の関係性などの心理的なプロセス」にフォーカスしすぎたかも?(まっつ)

・前出の内容の補足的な内容だが、私たち企画メンバーのいうところのロジック系の方は今回の定例会の内面的プロセスの意味を「考え方や筋道などの思考的なプロセス」の内容と解釈して参加したため、混乱や期待と異なるという感情が生じた可能性があるかも?

・知識型よりも成果が判りにくいテーマのため、今日のOUTPUT、OUTCOMEは何だったのかという質問がでた。(まっつ)

・もしFAJのメンバー限定で同じ内容を実施する場合は、私たちが企画の際に経験したように、
①まず参加者全員にファシリテーションから振り返りまでのデモを観察してもらう
②その際、あらさんにサポーターとして振り返りを担当してもらうことで、振り返り方のポイントを実感してもらう
③その後チームに分かれた後はあえて参加者に振り返りでサポーターを体験してもらう
④サポーターの振り返りが上手く内面的プロセスにアプローチ、フォーカスできたかをチームごとに対話してもらう
⑤この「振り返りの振り返り」で、内面的プロセスの扱い方の考察を深めてもらう

・目的とゴールを参加者にしっかりと理解してもらってから企画の本編に進む。

・「感情の動きやメンバー同士の関係性などの心理的なプロセス」について扱う企画と明示的に告知することで、よりニーズに合致した参加者を集める

・時間的な余裕を設けたスケジュールにするために、定例会の時間を長くする

・あえて「荒れる会議」のファシリテーションをテーマにした定例会を考えてみる

・支部の定例会と違い、ファシリテーションの現場では想定していない事態が発生しうると今回実感したので、定例会で実体験を交えながらその対処方法の意見交換ができると役に立つなと思いました(まっつ)