2009-05-09 第5回定例会「合意形成〜対立・葛藤とどのように向きあうか?〜」沖縄サロン

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2009-05-09 第5回定例会
合意形成〜対立・葛藤とどのように向きあうか?〜

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◎日時
 2009年5月9日(土)
 12時30分から16時30分まで (受付開始 12時15分)

◎会場
 浦添市ハーモニーセンター2階

◎目的
 意見を異にするメンバー間の話しあいをどのように収束、合意形成するか、そのプロセスを実際に体験するとともに、ふりかえり・わかちあうことで「対立・葛藤への向きあい方」を探ります。

◎参加
 33名
(民間企業、自営業、コーチ、ビジネスコーチ、行政、団体職員、NPO関係、
 医療関係、大学生、主婦など)

◎講師(話題提供者)
日本ファシリテーション協会理事・事務局長 徳田太郎氏

◎報告
沖縄サロン運営委員 東濱克紀

◎内容

1.開場(12:30)

2.はじめに(〜13:00)

【本日のねらい】
対立・葛藤と向き合う際の、自分なりの「心構え」を得るためのきっかけを探る。

【本日のおやくそく】
・対立を「演じない」ようにしよう。
・互いに学ぶ姿勢で耳を傾け、想いを語ろう。

【アイスブレイク】
部屋の後ろの壁には「冷静」と青い字で書かれた紙を貼り、前の壁には「情熱」と赤い字で書かれた紙を貼り、一番情熱的だと思う人から部屋の前に並ぶ。

3.おはなし(〜13:30)

「合意形成」を考える 〜対立・葛藤とどのように向きあうか?〜

ミニレクチャー「対立・葛藤を考える」

1. なぜ「対立」が生じるのか?
2.「対立の解消法」は分類できるか?
3. なぜ「文脈のズレ」が生じるのか?

・自己概念
「私は○○である」という自己概念。「私は冷静である」「私は引っ込み思案である」など、私が思ってとらえていることが、ひとつの文脈になる。

・価値観
「何が好きか・嫌いか」「良いか・悪いか」というもの。自分がそう思うことをみんながそう思うことだと思っている。それが価値観のずれになる。

・思い込み
「第一印象」や「経験」などから「今回もこうなるだろう」と思いこむ。だけど決してそうなるとは限らない。また思いこみが思いこみを呼ぶということがある。

4.ワーク?(〜14:20)

エクササイズ「ボランティアの受け入れ」
都市郊外にある「老人ホーム」でボランティア・スタッフとして受け入れる2 名を選ぶ。まずは自身の判断で2 名を選び、なぜその人を選んだのか、理由も明確にする。

大学生(21 歳・男)
主婦(48 歳・女)
OL(26 歳・女)
老人(70 歳・男)
高校生(17 歳・女)

その後グループで話しあい、2 名を決定する。話しあいの注意事項は、「全員が自分の意見を言えること」「多数決、じゃんけんやくじ引き、誰か一人の決定にゆだねることは禁止」「全員が納得できる結論を導く」こと。


【発表結果】

1班:「大学生」は採用。もう一人を「老人かOL」。
理由:大学生は全員が×だったが、「大学生に自由な時間を活用してもらうのはいいのでは」と思い、組合せとして、大学生が老人とOLと組む時でうまくいくのではとなった。

2班:「大学生とOL」または「高校生と老人」の組み合わせ
理由:「経験、戦力、スキル」の視点では「高校生と老人」を採用。「学習」の視点では「大学生、OL」を採用。

3班:「主婦とOL」
理由:誰を選ぶかマトリックスを作って投票した。「体力」「意欲」「一緒に働きやすいか」という観点でみなおしてマークしなおした。高校生は親の了解を得ていないのはまずいという意見になった。

4班:「高校生とOL」
理由:「どういう目的でボランティアを取るのか?」という話になり、「教育」のためと見方になった。教育という視点で高校生を採用。OLは明るくする仕組みを作るかもという期待で採用。

5班:未定
合意形成のしかたというのが全体的でわからなかった。多数決でなら決まったが。

6班:「主婦と高校生」
「積極性」「協調性」「体力」など要素を出して票にした。その結果、主婦と高校生に決まった。

5.休憩(〜14:30)

6.ふりかえり(〜15:10)

「ボランティアの受け入れ」ふりかえり

1. 自己の考え方、価値観、思い込みなどについて、どのようなことに気づいたか?

2. メンバーの考え方、価値観、思い込みなどについて、どのようなことに気づきましたか?

3. その他、感じたこと、気づいたこと、考えたことを、自由に書きましょう。

7.ワーク?(〜16:00)

「合意形成を考える」
グループで話しあい、合意形成のための「コツ」を考えてみましょう。

・最初に会議の目的だとか、ルール、役割分担をはっきりさせる。
・ディスカッションとアピールをわけることが重要。
・視覚化、マトリックスの重要性。少数意見を重視するし、記録として残すこと。
・会議の目的を明確にして、意見の違いの原因を探す
・みんなが一人一人が喋る機会を作る。
・最初に何を決めるのかを明確に。
・数値化することが大事。ただし数値化することでは測れないので、数値化はあくまで材料で、考えた上での数値化と意見を行ったり来たりさせることで考える。

8.おわりに(〜16:30)

ミニレクチャー「対立・葛藤とどのように向きあうか?」

1. 視座を自由自在に変える

2. 視野に焦点を当てる

3. 視点の罠に留意する

視座とは「ポジション」のこと。「採用する側、採用される側」と立場を変える。「経営者は?同僚は?」と立ち位置を変えることが視座を変えること。

視野を広げるには、「時間軸」と「空間軸」の二つ。時間軸は「現在、未来」を考える。もう一つは「空間軸」。「施設」「会社」「自分たちの町」「県全体」など広い視野。

視点を変えるには焦点を当てる。人なら「体力、思いやり」など。会社なら「経営、売上、経費、利益」など。売上か経費かで違ってくる。視点を変えるとしてもいろいろある。「判断基準に焦点を当てる」「チームワークを重視するべきだ」「利用者の方々にインパクトを当てるか」「一人一人の教育に力点を置くか」などどこに判断基準を置くかで変わってくる。