公開イベント:「話せないを話すということ 〜違いを超えた向こう側にある未来をつくる」(2013年12月)東北支部

1.テーマ
日本ファシリテーション協会 東北スクエア 〜12月公開イベント〜
話せないを話すということ
〜違いを超えた向こう側にある未来をつくる〜

2.狙い
今回のイベントは、「震災に限らずに」体験者・非体験者の違いの壁を超えた対話から、何か新しい関係性や何か新しい未来を生み出すことができるのではないか? ということで、「話せないを話す」というテーマで、メインファシリテーターに、数々の現場でホールシステムアプローチを実践されている九州支部の山口覚さんをお迎えしました。
「本音を言える空気をつくる」こと、ホールシステムの基本中の基本である「ワールドカフェ」と「OST(オープンスペーステクノロジー)」を深く学び、本当に使えるようになることで「テクニックとしての方法論を持ち帰る」ことの両方を実現し、東北の未来づくりに役立つことを目指しました。

3.日時:平成25年12月14日(土) 10:00〜17:30(受付9:30)
4.場所:東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)601大会議室
5.参加者 会員25名、非会員32名 合計57名
6.メインファシリテーター
 山口 覚さん(まちづくりファシリテーター)
 ・NPO法人地域交流センター理事
 ・津屋崎ブランチ代表
 ・九州大学、及び福岡大学非常勤講師

7.イベント実行企画担当
 本間芳典、遠藤智栄、中西百合、佐藤慎哉(東北スクエア)

8.イベントプログラム概要
10:00〜 全体説明
 オープニングで山口さんから、以下のグランドルールの提示がありました。
 「今日こころに留めておくこと」
  ・経験からのみ語る。借りてきた知識に頼らない
  ・知っていると思い込まない
  ・記録よりも腑に落とす
  ・耳を澄ませて聴く

10:20〜 長い自己紹介 4人×15分=60分
11:20〜 振り返り
 ・60分の間に何が起きたか?
 上記のルールを参加者が意識しながら、自分の「ことば」で一生懸命素直に話すことを心がけていました。
 初めて顔を合わせた参加者が、「長い自己紹介」により自己開示を行い、1時間程度のワークでしたが、参加者どうしの距離が急速に縮まっていることを感じました。それは個人の経験・体験や想いを長い時間話すことにより、その人なりの生き様、ありように素直に共感したことと思います。

12:00〜 <昼休み>
13:00〜 ワールドカフェ体験
 ・話題提供:経験談「対話のちから」
 ・ワールドカフェ問い:「伝わるって何だろう?」
  午後のワールドカフェでは、山口さんの「話せないを話せる」ようになった問いの現場事例をいくつも紹介し、初参加者にでも判り易い説明により、深い対話ができました。参加者のアンケートから、これまで一番判り易く、深い対話ができたとの回答や、是非「問い」を工夫し、現場でワールドカフェを実施してみたいとの回答が複数ありました。

15:00〜 OST体験
 ・参加者の話したい話題でOST体験
話したいテーマを参加者から募り、30分程度の話し合いを行いましたが、時間が短いこともあり、効果が不明確など若干消化不良とのアンケートも見られました。ただ、この前のワーク等で話せる場ができていたので、参加者自体はしっかり話せていたようです。

16:30〜 振り返り
17:30〜 終了

9.参加者の感想
 ・企業・行政・市民活動団体の方々など、様々な方との語りの場、聴きあう場があったことは大切なことと感じました。
 ・小さな声も大きな声も同じテーブルに載せて気付きあうことが大切なことと感じました。
 ・こころをわって話すということがもっとできると、人はますます繋がるようになると思いました。
 ・話し合いのテーマについて、直球の話より、カーブの問いにより、テーマの根本を問うような設定が有効であることを学びました。
 ・方法論ではなく、方法に至るまでのプロセスを学べた。
 ・話したいことを話せない、安心して話せる場が保障されるということの大切さを実感しました。「私、話していいんだ」 と内心感じました。
 ・山口さんのたくさんの対話の事例が非常に参考になりました。是非ワークショップで使ってみたいです。
 ・OSTは時間が短いこともあり、やや中途半端な印象になってしまった。効果がよくわからないまま終了してしまいました。

10.運営反省
 ・メインファシリテーターとの初期のコミュニケーションで、東北スクエアとしての意思を明確に伝えないまま準備を進めようとしてしまい、不信感を与えてしまった。イベント実施の背景、東北スクエアの想い、考えなど、明確にインプットすべきだったが、準備期間を焦るあまりこのようなことになってしまったことは反省している。今後の課題としたい。
 ・広報活動はいろいろな形で実施したが、あらためて集客の難しさを感じた。前回のイベントより2倍近くの参加者を集めたが、広報活動での効果をもう一度点検し、今後に繋げたい。