第19回「開発教育でのワークショップとファシリテーション」(09年10月)東北支部

■テーマ:開発教育でのワークショップとファシリテーション 

 発展途上国の開発には、様々な問題について考える開発教育が欠かせません。
特に住民参加型の地域開発を実現するために参加型学習法(ワークショップ)を積極的に取り入れています。今では世界各国で様々な手法を用いた開発教育のためのワークショップが作られ、学校教育の現場や市民向けセミナーなどで活用されています。

今回は、代表的な開発教育のワークショップを紹介すると共に、開発教育におけるファシリテーターの役割について考えを深めました。

いつもはなかなか考えることのない世界と自分とのつながりについてや、ワークショップで実践・体験したファシリテーションについて感じたことなどを交換し、日常にどう活かせるかを考えました。

問題に気付く、自分自身を知るワークショップの体験でした。

 

>>開催の概要

■日時:2009年10月2日(土)13:40〜17:00
■会場:仙台市民活動サポートセンター「研修室5」
■参加者:21名
■担当:阿部、大久保
 

>>プログラム

今回のワークショップでは、下記の点を考慮し、プログラムを組み立てた。

  • グループワーク、全体での話し合いの場で、気軽に発言出来る雰囲気作りを目指し自己紹介に時間を割く
  • 基本的なワークショップの手法を取り入れる
  • 開発教育に初めて接する参加者が多いため、身近なテーマを扱ったワークショップを行う。

1.導入
ファシリテーター自己紹介、今日の目的、流れの説明

2.開発教育とは?
・共に生きることのできる公正な地球社会づくりに参加するための教育である。
・ワークショップ(基本的に、グループワーク、発表の繰り返しで進めていく)

3.アイスブレーキング1
1)部屋の四隅 (人間マトリックス)
2)グループ分け 丸くなってナンバリング 5人1組 4グループ
3)名刺交換
・1枚の紙に、
 「自分の名前」「所属」「ファシリテーターの経験は?」
 「好きなこと、好きな物、好きな人」を書き出す(たくさん)
・紙を見せながら自己紹介

 4.何故、FAJに参加したのか?ファシリテーションに対して何故興味を持ったのか?
・きっかけとなった出来事、話し合い
・発表

5.ルール作り「今日の話し合いのルールを作ろう。」
・グループで「話し合いルール5か条」を作る。
・大判用紙にそれぞれのグループのルールを書き出し、
 終わるまで壁に貼っておく。

6.ワークショップ「フォトランゲージ 写真を使ったワークショップ」
1)題名を付けよう 
・ある国の4枚の写真をグループに渡す。
・その写真に題名を付ける。
・発表
・写真はアジアの国の写真である、どこの国かを当てる。
2)ブタのしっぽ
・5枚1組の写真のセットをバラバラにグループに渡す。
 1枚ずつ他のグループに回しながら
・同じ国と思われる写真を5枚集める。
・国名を当てる

— 休憩 —

7.アイスブレーキング2
グループ替えをして、名刺交換で使った用紙を手に自己紹介

8.ワークショップ「なんでも100円ショップ」
1)部屋の四隅 
・100円ショップには、
  「良く行く」「どちらかと言うと行く」
  「どちらかというといかない」「行かない」
・100円ショップでは、
  「良く買う」「行けば買う」
  「数回しか買った事がない」「買ったことがない」
2)どんな物を売っていますか? 
・全員でブレストで挙げていく
3)買い物をする時の基準は?(日用品)
・グループでブレスト、大判用紙に書いていく
・「大切にしたい」と考えることを9項目選ぶ
・付箋紙に書く
・ダイヤモンドランキング
・発表(ランキングの理由も合わせて発表)
4)割り箸クイズ「100円ショップの秘密は?」
・割り箸の値段を当てる。
 何故値段に差があるのか、何故安い値段で買えるのかを考える。
5)買い物をする時の基準は? 
・先ほどのブレストとダイヤモンドランキングの結果を見て、
 変更があるかどうか話し合い、再度ランキングを行う
・発表
6)グローバル化ってなんだろう?
・メリット、デメリットを話し合いながら書き出す

9.世界の富は誰が持っているのか?

10.安さを求めるということが何につながっていったか?

11.豊かさとは何か?大事にしたいものは何か?

 − 休憩 —

 12.今日の例会の振り返り

 

■担当者振り返り

開発教育のワークショップをと依頼された時に、国際協力に普段なじみのない参加者の皆さんがどう受け止めてくださるのか、ちょっと心配なところがありました。

しかし、その心配は杞憂に終わりました。仙台サロンの例会に参加する皆さんはそれぞれ分野が違っていても、社会的な問題に対しての関心は高く、ワークショップは多いに盛り上がりました。

国際協力の現場では住民参加が原則であり、アジア各国でもファシリテーターが地域開発の場で活躍しています。開発教育は途上国の問題を扱うことが多かったのですが、最近では日本の各地域の課題に取り組む際にも取り入れられるようになってきました。

関心のある方は、是非開発教育のワークショップに足をお運びください。
 

以上