テーマ: 「合意形成の〈場〉と〈過程〉でもっとも大切なこと」
話しあいの場においては、最終的に参加者間の合意形成が必要となることが多々あります。限られた時間の中で、質の高い、そして皆が納得できる結論に到達できるよう、支援・促進する。その時、もっとも大切にしなければならないものは何でしょうか?
スキルやテクニックを身につけるというより、一人ひとりが、自分自身の「大切にしたい姿勢」を見出すことを目指したワークでした。
今回は合意形成をめぐる2つのワークを通じて、「合意形成」の難しさを体験しました。
>>開催の概要
■日時: 2011年9月10日(土) 13:00〜17:30
■会場: 仙台市戦災復興記念館 4階第2会議室
■メインファシリテーター: 徳田太郎さん(FAJ会長)
■参加: 14名
■例会担当: 中西百合、壁谷雄一(東北スクエア)
>>プログラム
1.挨拶・趣旨説明・FAJ紹介(中西)
2.グループ分け(徳田)
ラインナップ(ファシリテーション経験年数と例会参加回数)
4.自己紹介
ニックネーム、好きなお菓子、今の気持ち、今日の期待
5.ワーク1)
身近な例を題材に、実際にグループ内での合意形成プロセスを体験しながら、話しあいの<場>において大切にしたい働きかけを考えました。
ある「老人ホーム」での長期ボランティア募集で、5人の応募者から2人を選ぶという設定でした。大学生・主婦・OL・老人・高校生のそれぞれの面接コメントから、応募者の人となり、職員との相性や将来の職員としての可能性などを考えながら、各グループで話し合いました。グループによって採用者が異なる結果となり、その決定理由の違いがわかるとそれぞれ納得できるものでした。
「ふりかえり&わかちあい」では、どのような対立や葛藤があり、そのためにどのような働きかけが必要か、また、結論についての納得度について共有しました。
6.ワーク2)
津波被害からの漁業復興に取り組むある地域の事例をベースに、合意形成のための話しあいに至るまでの<過程>において大切にしたい働きかけを考えました。
地区ごと、年代、または職業によって異なるコアメンバーの背景から、コアメンバーに対してどのような支援をしていくかを話し合いました。コアメンバーの他にどのような人を巻き込んでいくのか、話し合いの過程をどのようにデザインするのか、時間も限られた中での準備作業について、かなりディープな内容でしたがみんな身近な出来事であるので、真剣な話し合いになりました。
「ふりかえり&わかちあい」によって、何を大切に考えて取り組んでいくかを共有しました。
7.全体でのふりかえり
例会のまとめとして、「ファシリテーターとして、私が大切にしたい姿勢はこれです!」というテーマで、各自考えたことを模造紙へ寄せ書きしました。
【みんなの寄せ書きから】
• 相手の立ち位置を知ること
• 「これは自分たちの問題だ」と思ってもらえるファシリテーション
• 何とかなる。何とかする。
• 看て聴いて、きちんと伝えよう。
• 勇気を持とう
• 同じ言葉のすれ違いをなくせ
• メンバー一人ひとりの納得度を高く
• 当事者の”ことば”を忘れないこと、”ひろうこと”
• よく話し、よく聴く
• 話し合う過程をちゃんと話してから
• 信頼関係
• それぞれのバランスを考える
• 一人ひとりが自分の考えを話す
• 制約の転換
• 同じ方向、同じ歩幅
• 話すことの楽しさ
• 相互理解
• いろいろな気持ちを引き出す場(おっ?)を作ること
• ファシりテーターは伴走者
• 相手の考え、価値観を知る楽しさ
• ホンネで話せる関係はきっとみんながしあわせ
• 物事の本質、軸を見極める
• Love!!
• ジャズフェス記念
• 頑張ろう宮城
8.担当者の感想・気付き
- 復興支援の現場で直面している「むずかしさ」に、これからどのように向きあっていくのか、参加者のみなさんと意見交換する中で、自分なりの考えが深まるといいな、と思っておりました。まだまだ〈こたえ〉を見いだすには至っていませんが、一つの方向性が見えてきたような気がしています。ありがとうございました。(徳田)
- 今、まさに東北が直面している課題解決の糸口をつかめればという思いで、このテーマを選択しました。特に2回目のワークは実例をもとにしたものだっただけに、話し合いの場づくりのための事前準備というものがいかに大切か、そして、実際に動くということは、どれだけ困難かということを、肌で感じることができました。(中西)
- 話し合いにおいて、その参加者の信頼関係を築いていくことがもっとも大切であるが、とても難しいと言うことを再認識した。(壁谷)