「エンカウンター・グループ」は、カール・ロジャース(アメリカの臨床心理学者)が開発したカウンセリングの方法で、予め課題が用意されたものを「構成的エンカウンター」といい、自他理解、自他発見、自他肯定、感受性の促進等をねらいにしたグループ体験です。
10月の例会では、この構成的エンカウンターの手法を使って、前半は、出会いをつくり、ふれあいを深めるエクササイズを、後半は、自他理解と自他発見をめざすエクササイズを行い、自己開示を深め、ホンネを表現し、互いに認め合う体験をする場となりました。
>>開催の概要
>>プログラム
1. ガイダンス(笹田/壁谷)
FAJ東北スクェア並びに本例会の目的(調査・研究・学びあい)について説明。本日の記録担当者の公募→決定。
2.自己紹介(節ちゃん)
山形県酒田市出身。山形大学教職大学院勤務。専門は、カウンセリング、ファシリテーション、人間関係論。
3.本日のテーマ(節ちゃん)
本日行うワークは、「自他発見」(「自分は自分」と「他者との関係性」の両立)をテーマとして、グループで行なう構成的(Structured)グループエンカウンター。ベーシックエンカウンター(3〜4日間の合宿で、特にテーマを設けずに自由に話し合う手法)とは異なる。
4.本日のルール(節ちゃん)
? 守秘義務(開示された秘密を守る)
? (できる限りの)自己開示
? ワーク後のシェアリング(感じていることを話し、共有する)を大事に
→ゲームやエクササイズを通しての体験学習だが、シェアリングをしなければ、ただのレクリエーションになってしまう)
? やりたくないワークには参加しなくてよい。見るだけでもOK。
5.ワーク(第一部)(節ちゃん)
この後、「バースディライン」により、参加者が誕生日順に並んで一つの輪を作る。(ただし、喋らないで、身振り手振りで互いの誕生日を確認)
近くの二人でペアになり、相手に興味を持って、聞いてみたいことをインタビューする。じゃんけんをして、勝った方が相手に質問ができる。答えに対してはただ聴くことに徹することがルール。
エクササイズ?を受けて、インタビューの相手の素敵だなと思うところを紹介し合うワーク。4人組になって実施。
同じグループ(4〜5名)でじゃんけんをして、30秒以内で、全員が同じものを同時に出せるかを競う。
ただし、誰かが指示しない、続けて同じものを出さない、「グー→チョキ→パー(の順で出すこと)」をしない、がルール。
ルールを守った上で、「どうしたら全員が同じものを出せるか?」についてグループでし合う。話し合いに基づいて「合わせてポイ」を実施→何回できたか発表。
6.ワーク(第二部)(節ちゃん)
二人一組になって、交互に肩を揉み、叩いてもらう体験を通して、コミュニケーションを取るワーク。
一人が、「〇〇〇が好きな(得意な)△△△(自分の名前)です」というように、短い自己PRを入れて自分の名前を伝える。その隣の参加者は、同様に自分の紹介をするが、その前に、「〇〇〇が好きな△△△さんの隣の・・・」を頭に置いて、自分の紹介を行なう。
語りたい人は語る。聴く人は傾聴を心がける。狙いは、自分を知り、他人を知ること。同じグループで、順不同に実施。
終了後、自分の気づき、感じていることをシェアリング(5分)
二つのグループに分かれて、「折りたたみ式のパイプ椅子」を真ん中に一つ置いて、丸く着席。「(奇想天外、非現実的なものを含めて)この椅子をどんなものに使えるだろうか?(使い道)」をブレインストーミングで出し合い、アイデア数を競うワーク。あり得ないアイデアも含めて、批判、非難厳禁。
エクササイズのルール:
「使い道」をメモする係(1名)を決める
「使い道」を思いついた人は、立って、ジェスチャーだけで(喋らずに)、メモ係へ伝える
グループごとにアイデアを発表する
7.ワーク(第三部)(節ちゃん)
(ホワイトボードへ「ジョハリの窓」を板書)
自己理解と他者理解は比例する。(自分を知っているくらいにしか、他人のことは知らない。自分が受け入れられる範囲でしか、他人は受け入れられない。)
自己盲点に気づくことは苦い体験。自己を少しづつ開放していき、「自分が自分のことを知っているのと同じくらい、隣の人も自分のことを知っている」程度の開放状態が望ましい。自己開放が小さすぎると、ホンネが話せず、自己疎外感に陥る状態となる。ホンネで語ってもいい場が重要となる。
4〜5人のグループに分かれて、「2〜3年以内に、自分はこうなっていたい」という願望を語り合うワーク。最初に話す人が決まれば、後は、順にテンポよく、将来願望を話していく。自分の番で話す準備ができていなければ、パスすることもできる。
終了後、自分の気づき、感じていることをシェアリング(5分)
一人が、床に体を横たえて力を抜き、他の参加者が全員でその人を、上まで持ち上げ支える。そして、ゆっくりと下ろす⇒持ち上げられた人が一言、感想を話す。
【感じた一言から】
8.全体の振り返り(節ちゃん)
今日一日のワークを通して、感じたことを自由に述べ合う。ネガティブなものであってもOK。
9.運営委員の感想