テーマ: 『チームについてチームで考える』〜チームが創られるまでのプロセス編〜
どうすれば、「理想のチーム」や「最強のチーム」になることが出来るのか?
そもそも、チームとは何か?グループからチームになるとはどういうことなのか?
このような疑問を解明するために、1月の例会では、ストローでタワーを作るワークや振り返りを通して、ファシリテーターの目線で、『チーム』や『チームが創り上げられるプロセス』を見つめる場となりました。
>>開催の概要
■ 日時:2012年1月14日(土) 13:00〜17:30 (受付12:30〜)
■ 会場:仙台市市民活動サポートセンターセミナーホール
■ 参加者:27名
■ ファシリテーター(MF):飯島邦子、松尾貴寛(以上、FAJ東京支部「チームち〜む」)
■ 東北スクエア例会担当 :壁谷雄一、本間芳典、森瀬康之、渡辺達美
>>プログラム
【ガイダンス】(by FAJ東北スクエア1月例会メンバー)
FAJおよび東北スクエアの案内、例会の目的について。
【インストラクション】(以下、MFによるファシリテーション)
- 本日のテーマの確認
- グランドルールとゴールの確認
- 自己紹介ワークのインストラクション&デモ
【ワーク?『チェーン他己紹介』】
- 各グループ(4〜5人)内で自己紹介
- ルールは、最初のAさんの自己紹介の内容「○○○のA(名前)です」を受けて、隣のBさんは、Aさんの自己紹介の内容に続けて、「○○○のAさんの隣の『△△△のB(名前)です』」とチェーンのように続けていく。
- 以下同じようにして、5分間で、途中つっかえずに連続して何人まで自己紹介を続けられるか?を競った。
【ワーク?『チームで決めよう!』】
- インストラクション:『チームで、FAJ東京支部イベント(2/25開催)に参加し、その翌日に一緒に都内を観光する』という設定で、話し合いにより、選択肢(11箇所)の中から行き先を3箇所に絞る。
- 個人ワーク:最初に、メンバーそれぞれが行き先を選択。
- グループワーク:メンバー個人の選択を踏まえて、チームとして3箇所の行き先を決定する。
- 納得度の確認:メンバーそれぞれの納得度を指で示した。(5点満点)
- グループで振り返り
- グループ発表:各グループで話し合った内容(選択までのプロセスにおいて感じたこと)をグループごとに発表、全体で共有。
(休憩10分)
【ワーク?『チームでつくろう!』】
インストラクション:
ストロー(各グループ50本)でタワーを作る。ただし、自立した(倒れない)状態で、できるだけ高く、が条件。
≪ゲーム1(ストローだけで作る?)≫
- 作戦タイム?(10分・ただしストローに触らないで話し合う)
- グループ制作(3分)→高さ測定→成績発表
≪ゲーム2(ストローだけで作る?)≫
- 作戦タイム?(10分・ただしストローに触らないで話し合う)
- グループ制作(3分)→高さ測定→成績発表
- 振り返りタイム(15分) 「作戦タイム?〜グループ制作」において起こったこと、メンバーの様子、感じたことをグループで振り返る
≪ゲーム3(ストロー+ハサミ+テープで作る)≫
- 作戦タイム?(10分・ただしストローに触らないで話し合う)
- グループ制作(3分)→高さ測定→成績発表
【ワーク(?〜?)の振り返り】
- インストラクション:「今日、皆さんはストロータワーを作りに来たのでしょうか・・・?」というMFの問いかけにどよめく。一連のワークを通して、チームのメンバーとして何を大切にしたのか?何を感じたか?何が起こったのか?を話し合う。
- 個人ワーク(5分):振り返りシートにより、チーム度を時間経過に合わせてグラフ化し、節目に感じたことをメモする。
- グループワーク(15分):個人の振り返りを踏まえて、グループでの振り返り。チームのメンバーに対して感じたこと、何を大切にしてきたか?互いの違い、場で何があったか?を共有する。
- グループ発表
- グループごとに発表し、全体で共有。
【今日の振り返り】
- インストラクション:今日のワークで、メンバーとして見てきた現実を踏まえて、「ファシリテーターとして現場でどんな関わりをすれば良いか?」について考える。
- 個人ワーク(5分)
- グループワーク(10分)
- 全体で共有(MF) グループワークで書いた模造紙を床に広げ、全員が輪になって眺めた。
その後、MFのリードで、グループワークで感じたことや意見を、特に順番を決めずに発表。以降、テーマに派生する形で感想や意見をシェア。
【おわりに】(by FAJ東北スクエア1月例会メンバー)
>>参加者による振り返り
【『チームで決めよう!』について】
- グループとして、納得のいく一つの答えにまとめたいとは思ったが、結果としてまとまらない、というのも一つの答えではないか?
- 先に、テーマを決めてからやれば良かった。
- ?まったく選択されない行き先を外す?全員合意できる行き先を除いて、残った行き先については、特徴をメモし、話し合う。これが功を奏したのか、全員が「満足度5」だった。
- 話していくうちに、メンバー共通の嗜好を発見することができ、選択への満足度が上がった。
- それぞれが選択した行き先の理由やテーマを探ろうとした。結果から見れば、いい意味での妥協をしたことになるが、その場合、妥協した理由がないと、満足感が落ちてしまうように感じた。
- 話題がとっつきやすいので、楽しくワークを進めることができたが、東京へはいつでもいけるという気安さから、容易に譲歩しやすく、合意形成としてのワークまでいかなかった感じがあった。
【ワーク全体について】
- 今日出会ってすぐにチームにはなれない。意見の共有、イメージの共有、メンバーの個性を引き出していくという姿勢が大事なのでは?
- 自分の思いが伝わった、というのがチームの一体化につながった。ストローの結果は良くなかったが、必ずしも、その結果とチーム力は比例しないはずだ。
- 相手の発言を否定せず、安心できる場であったことが良かった。
- コンセンサスゲームでは、最初に、何のテーマで観光するのか?がうまく決められなかった。目標を決めること、そして、目標に向けて引っ張るリーダーの存在が重要だ。
- みんなでアイデアを出すことが楽しかった。ただ、役割に入り込み過ぎたきらいがあった。ストローでは、「記録を出す」から「プロセス」へ意識を変えることが重要ではなかったか。
【ファシリテーター目線に立って・・・】
- 「何をもって合意(コンセンサス)なのか?」を考えさせられた。
- グループで話していて「もやもや感」が残った。いかに意見を出してもらえるか?いかに違う意見でも理解する姿勢があるか?いかに納得してもらえるか?がポイントだろうか。
- 「もやもや感」とは、言いたいことあっても言えない状態や、違和感はあるが、言葉にならないような状態もある。同じこと(ワーク、振り返り、話し合い)を2回、3回と繰り返すことが「もやもや感」の解消になるのではないか?
- 「意見のウラにある思いをオモテに出す」というのが言い尽くしているだろう。ファシリテーションとは、メンバーのカタルシス(さっぱり感)が表情に出るまでやるのが目安ではないか。
- むしろ、「もやもや感」を見落とさないことが必要だろう。各グループに一人のファシリテーターを立てるのが理想。1グループのサイズも多すぎないことが大事だ。
- ファシリテーションには、人の意見を受け入れる、弱い立場に立つなど、人として問われているところがあるように思った。
>>例会担当者(東北スクエア)による振り返り
- ワークの間、MFのお二人がさりげなくグループを回りながら、一言、話し合いが進むように働きかけておられました。綿密な準備があってスムーズに運んでいたのだと思いました。一方、あえて、「グループのファシリテーターを決めない」というコンセプトがうまくいかなかった部分があったように感じたのと、振り返りの対象がストロータワーそのものになりがちで、もう少し説明があればよかったと思います。「チェーン自己紹介」はアイスブレークとして別のワークでも使ってみたいと思いました。(壁谷)
- ストローによるワークは、どうしても「タワーの高さ」への追求に力が入ってしまったため、(例会最後の)全体での振り返りの時間(約30分)が、「チーム」についてまとまった思考を巡らせることができる時間となりました。願わくは、この時間をもう少し長く取れたら・・・と思いました。グループワークや全体での話し合いを体験して、「チーム」とは、目標や役割分担さえ明確であれば機能的になるような単純なものではなく、それぞれ違う個性、欲求、チーム観を持つメンバーが、互いの思いに気づき、チームとしての本当の目標を見出せたときがスタートなのかな?と感じました。(森瀬)
- 最後の振り返りで、今までやってきた内容から、客観的に「ファシリテーターの視点」へ変えて意識させるワークは、参加者の腑に落とすというところでは思わず「うまい!」と思いました。また、例会担当者として、事前にワークの内容に対して意見や質問を行っていたからこそ、ワークに参加しながら、意図したところの乖離や違和感、はまっている部分を感じ取ることができた。これって他支部のワークを東北スクエア独自のものにしていくための大事な部分と思いました。(本間)
- MFの二人のコンビネーションがよく、ミッキーさんのグループを回りながら発するちょっとした言葉が、グループワークにいい深みを与えたと思います。(東京観光の行き先を決める)合意形成のワークは、気楽に合意形成ができて良い半面、はまり過ぎ、和気あいあいと出来過ぎる感じがしました。それは、言いたいことを言わないという雰囲気があるのかも。合意形成のワークに、ファシリテーターとして、表に出ていない対立点を敢えて出すということも必要なのではないかと思いました。また、各グループに、観察するファシリテーターを置くワークも面白いかもしれません。(渡辺)
>>MFによる振り返り
- とにかく、プログラムが自分のものになっていなかったのが一番の反省点です。またインストラクション不足により、ワークの目的が参加者の皆さんに伝わりきれず、その後のプログラムにも影響していたように感じます。とにかく問い力!あらためて勉強し直さなければと思っています。本当に参加者の皆さんに助けていただいた例会で、お招きいただいた私たちの方が学び多き場となり、このような機会を与えてくださった、東北スクエアの皆さんには本当に感謝しています。ありがとうございました。(飯島)
- 例会終了後に、「もっと色々準備しておけばよかったなぁ〜」と思いました。特にイントロの部分はもう少し丁寧にしておけば良かったかなと。あと、バタバタとプログラムをこなすことで精一杯になってしまい、おいしそうなネタをスルーしてしまったのが反省点です。参加者のみなさんの、真摯にワークに取り組む姿に助けられました。とてもいい体験をさせていただき、たくさん学ばせていただきました。どうもありがとうございました。(松尾)