第51回NLPで拡げる! NLPで深める! 〜NLPから学ぶファシリテーション〜(2012年8月)東北支部

東北スクエア8月例会のテーマは、実践的なコミュニケーション心理学と言われているNLP(神経言語プログラミング)を取り上げ、NLPの手法を使ったワークを行いながら、ファシリテーションを実践するうえで大事な要素を「拡げて」、「深めて」いきました。


前半は、NLPのラポール(信頼関係を構築)のワークを中心に、後半はNLPのチャンクアップ・ダウン (選択肢を拡げて相手から最善の反応を引き出す)のワークを中心に、ファシリテーションの場作りや、発言の受け止め・引き出しを行う上での「拡げる」、「深める」を考えていきました。

>>開催の概要
■日時:2012年8月4日(土) 13:00-17:40(受付12:30)
■会場:仙台市民会館 第一会議室
■参加者:21名
■ファシリテーター:小野浩司(FAJ会員、NLPトレーナーキャンディデイト)、本間芳典(FAJ会員、NLPプラクティショナー)
■例会担当者:小野浩司、本間芳典、中西百合 (東北スクエア)

>>プログラム
【オープニング】(10分)
・担当者とメインファシリテータの紹介をする
・本日の例会の紹介を行う

【NLPインストラクション】(30分)
・本日のワークショップの流れとアウトカムを説明する
・NLPがファシリテーションに有効に使えることを感じ取っていること
・ファシリテーションや日常での実践で活かそうという気持ちになっていること
・ワーク:フューチャーペーシングとグループ内自己紹介
・「今日の17:30を想像してください。あなたのアウトカムは何ですか?」
・NLPとは何なのか?
・NLPの前提について説明する
・肯定的意図、自己重要感、感覚の鋭敏性

【ラポールの構築】(60分)
・パズルゲーム: 2人1組になり、ばらばらのパズルを言葉だけで伝えて作成するワーク。
言葉だけでのコミュニケーションの難しさを体験する。
・インストラクション:ラポールの説明
・ミラーリング、マッチング、ペーシング、バックトラッキングを使ったコミュニケーションワーク
?2人1組になり、ラポール形成のテクニックを使った対話を実施する 3分
?テクニックを全く使用しない対話を実施する 2分
?再度、ラポール形成のテクニックを使った対話を実施する 3分
・グループで感想と気付きのシェアを行った
※?良いケース⇒?悪いケース⇒?再度良いケースでワークを実施することで、体験者に良好な印象が残る(サンドイッチ効果)

【休憩】(10分)

【表象システム(V:視覚、A:聴覚、K:体感覚)】(60分)
・インストラクション:表象システム(VAK)とは?
・NLPタイプ分けテスト:まず参加者の表象システムの優位感覚を知ってもらう
・VAKを意図的に使ったコミュニケーションのワークを実施する
・テーマは「今、行ってみたいところ」について、3人1組になり、1人がV・A・Kを指で指示し、 話し手は指示に従ってテーマについて、事前に手渡したV(A・K)叙述語シートを使って、話をする。
聴き手はその内容から、V・A・Kを当てるワーク
・終了後、感想と気付きのシェアを行った

・インストラクション:アイアクセシングキューとは?
・アイアクセシングキューを体験してもらうワークを実施する
・Aさんが質問シートを使って、Bさんに質問を行い、AさんがBさんのアイアクセシングキューをチェックするワーク
・終了後、感想と気付きのシェアを行った

【チャンクアップ・ダウンを使ったコミュニケーション】(80分))
・インストラクション: 質問の技法(メタモデル)
・メタモデルを体験するワーク
・各グループ毎に、タウン雑誌や広告を渡して、メタモデルを使って、曖昧な表現に「突っ込み」を入れるワークを実施する

・インストラクション: チャンクアップ・ダウンとは?
・チャンキングワーク
・テーマは「今、興味のあること」について、3人1組になり、1人がチャンクアップ・ダウンを指で指示し、話し手は指示に従ってテーマについて、チャンクアップ・ダウンの話をする。
聴き手はその内容から、チャンクアップなのか?ダウンなのか?を当てるワーク
・終了後、感想と気付きのシェアを行った

・チャンキングに関するグループワーク
・テーマ:「コミュニケーション」をテーマとしたワークショップのアイデア出し」
・上記テーマについて、グループ内でチャンクアップ・ダウンを意図的に使ってもらい、
どのようなワークショップ内容にするか? をメンバで質問を行いながらアイデアを出していくワーク
・「チャンクアップしてみると」、「チャンクダウンしてみると」と意図的に発言してもらいながら、アイデア出しを行った
・グループ発表

【全体振返り】(15分))
・今回の学び、気付きをグループ内でシェアを行う
・今日体験したNLPを、ファシリテーション、日常のなかでどう「拡げて」いくか? 「深めて」いくか? 活かしていくか? 
  をグループ内でシェアしてもらう

【クロージング】(10分)
・本日実施したことの流れと狙いを説明する。
・FAJ9月例会の紹介

>>例会担当者感想
・NLPには興味があったけれど、今回初めて説明を聞くことができました。感覚によって使う言葉が違うというのはとても興味深く、 話し合いのメンバーが使う言葉によって、特性をつかむことでファシリテーションの場で応用ができると感じました。 もう少し深く学んでみたいテーマです(ゆりさん)

私たちが日常生活の中で使っていくことのできる、そしてとてもユースフルなスキルであるNLP、しかしまだまだ認知度は高いとは言えません。 今回、東北スクウェアとして初めてのNLPワークということで、ファシリテーションの場面で活用できる、NLPでももっとも基本となるコミュニケーション・スキルについてお伝えする機会をいただきました。

今回は、職場で、家庭で、そしてファシリテーターとしても重要な、よりよいラ ポール(信頼関係)を構築するスキル、そしてファシリテーターとして合意形成を求められる場面で活用できる思考法「チャンキング」を紹介 させていただきました。

いくつかのエクササイズを通して、普段当たり前にできていると思っているコミュニケーションでも、実は意思の疎通は簡単にはいっていない ことを経験していただきながら、ミラーリングやバックトラッキングと言ったスキルを学んでいきました。これらのスキルは、普段私たちが 無意識のうちにやっていることですが、意識的に使っていくことでより効果的にラポールの構築を図ることが可能になります。 また、チャンキングでは、思考の抽象化、具象化をおこなうことで、多様な解決策を見つけていくことの可能性を探りました。

今回の例会を通して得た視点やスキルを通して、参加者のみなさんが、今までのコミュニケーションを振り返り、よりよい人間関係の構築や ファシリテーターとしての力量アップにつなげていただければと思いました。 最後にいただいたあたたかな拍手、参会の方のまた勉強してみたいとの声をいただき、機会があれば、今回盛り込むことのできなかった内容を お伝えできればと考えています(こーじさん)。

・プログラムは盛りだくさんのワークでしたが、前半のラポール構築から参加者同士わきあいあいとした雰囲気で進める場ができて、その場の雰囲気が 後半のチャンクアップダウンワークにもつながり、全体的に参加者の皆さんの熱気にあふれた例会でした。 反省点として、時間の関係上、最後の全体振返りの時間が短くなってしまい、「ファシリテーションを実践するうえで大事な要素?」について十分に 全体で深めることができなかったのが反省点として残ります(よっしー)。