第55回 『システム思考』で問題構造の理解を深める。(2012年12月)東北支部

 

『システム思考』で問題構造の理解を深める。
〜 問題を視える化するツール 〜


>>テーマ
 バラバラになってしまった人間関係を再び「つなぐ」事がファシリテーションの目的のひとつならば、その次のステップは複雑に「からみあった」現実の問題を理解し、解決に向け効果的に働きかけていく事になるのではないでしょうか?
システム思考は、こうした複雑な問題を理解するのに有効なツールです。
少し難しそうな印象があるかもしれませんが、できる限り簡単にすすめていきますので、前提知識・条件なしで、どなたでもご参加いただけます。
システム思考そのものの解説よりも、問題解決の流れの中でどのように使えばよいかという観点で、システム思考研究会で検証した勘所を共有しながら進めていく予定です。
このことで、システム思考を使って、問題解決の場面でどのようにファシリテーションするか、といったところを参加される方がイメージできることを目標としています。


>>開催の概要
  ■日時: 2012年12月8日(土) 13時00分 〜 17時30分 
  ■会場: 仙台市民会館 第一教養室
  ■例会担当者:野口和裕(中国支部)、石出真実,遠藤智栄,壁谷雄一(東北スクエア)

>>プログラム
1,オープニング
今回の目的・目標とスケジュールの説明。
アイスブレイクとして,グループ内で自己紹介。

2,システム思考とは
システム思考の考え方,使える点,レバレッジ(※)について説明。その後,グループで感想を共有→全体共有。
※ レバレッジとは?: そのシステムへ働きかけるポイント。レバレッジ・ポイントともいう。

3,因果ループ図とは  演習?
システム思考では,因果関係を因果ループ図で表す。因果ループ図の概要・種類,書き方を説明。その後,演習?因果関係を考える「1,(国民の)幸福度の因果関係(原因と結果)を考えてください」「2,なぜ,そう考えましたか?(一人称で)語ってください」。個人ワークの後,ファシリテーターを立て,グループワークを行う。

4,因果ループ図作成  演習?
演習?因果ループ図の作成「どうしたらもっと幸せになれるか。幸福度という変数の変数を考えていく。(国民という立場で)レバレッジを考えていく」。
各グループ内でファシリテーターを立て,グループの中で対話(10分),因果ループ作成のための話し合い(30分),話し合いの振り返り(10分)と進める。その後,同じテーマで,再度,ファシリテーターを立て,因果ループ図(30分),ふりかえり(10分)を行う。その後,全体発表。 

5,学習する組織とは
学習する組織について説明。

6,全体振り返り
全体で質疑応答。

>>例会担当者の感想
・演習を通してシステム思考の考え方を体感できたことに加え,私にとっては,「問題」という重みに潰されず,そこにいる一人ひとりがお互いを信じて,自分の中の常識を疑いながら,対話を積み重ねていくことが解決の一歩と,エールを送ってくださった例会でした(石出)。

・このシステム思考は複数で、チームでやること、が重要なことが再認識できました。違うことを認識しながらも一致点が見つかっていく過程が興味深かったです(遠藤)

・以前から興味があったシステム思考について、実際に体験することで理解を進めることができました。さらに複数の人が多角的に物事を見て共有できることも体験できて有意義なワークでした。(壁谷)

・因果ループ図を作成する演習では、同じテーマで実施しても最終的な成果物が各グループでかなり異なった点が興味深かったです。メンバーの背景の違いに加え、前提をどう考えるか、目標や進め方をどうするか?といったプロセスが結果を大きく左右することを再認識しました。(野口)