第57回「振り返り」を振り返る!2013 〜 ファシリテーションの学び方を学ぼう!(2013年2月)東北支部

>>テーマ
「振り返り」を振り返る!2013〜 ファシリテーションの学び方を学ぼう! 〜

>>開催の概要
■日時:2013年2月2日(土) 13:00-17:30(受付12:30)
■会場:仙台市民会館 第四会議室
■参加者:25名 会員21名 非会員4名
■ファシリテーター(MF):堀 公俊(日本ファシリテーション協会フェロー)
■例会担当者:中西百合、森瀬康之、佐藤慎哉(以上、FAJ東北スクエア)

>>プログラム
【オープニング】(5分)
・担当者とメインファシリテータの紹介
・FAJの紹介

【本日の狙い(MF)】(3分)
・本日の例会の狙いの確認
ファシリテーションは簡単ではない。芸を身につけるようなもので、本だけでは上達できない。
上達には次のふたつが必要。
?自分でやってみること
?人がやっているのを観る
ただし、後の「振り返り」を通して、「体験から学ぶこと」がポイントである。

【自己紹介】(10分)
・グループ内で自己紹介
・グループに名前を付ける

【ミニ講義】(15分)
・振り返りと体験学習について(MF)
体験を振り返って、体験から学ぶしくみ。

【体験】
・自身と他人の観察

【同定】
・【体験】で(発言内容以外に)場で起こったこと、見たもの、心の中で思ったこと、感じたこと…をすべて出す。

【分析】
・【同定】で観察したことの起因を探る。

【概念化】
・【同定】を踏まえて、原理原則(マイ・セオリー)を見出す。

・体験学習のコツ
【体験】からいきなり【概念化】に進んでしまわないこと。
【同定】では、自分の頭の引き出しにあるものを開示すると共に相手について感じたことを口に出しあうことで、相互理解が深まる。
このときのキーフレーズは「実は・・・」。

【ペアワーク】(15分)
・同定の練習のためのワーク
二人組になって、雑談する(3分)→雑談を通して感じていたことを振り返り、相手に伝える(3分)
・ペアを変えて実施。

【グループワーク?】(70分)
・グループ内で合意形成→振り返り(1)→振り返り(2)(振り返り(1)の振り返り)

<ワーク後の感想から>
内省をするあまり、人のことを聴くことが難しかった。
概念化に走ってはいないだろうか?という不安を感じた。
場慣れしていない人の方が、素直に話せていたように思えた。

【グループワーク?】(75分)
・ミニ講義(MF)〜振り返りの注意点
コンテンツの振り返りになってしまい、プロセスの振り返りをしていない
概念化を急いでしまう
葛藤を避けてしまう(相手に対する振り返り)
・グループ内で合意形成→振り返り(1)→振り返り(2)(振り返り(1)の振り返り)

【グループワーク?】(60分)
・概念化を行うワーク
よい振り返りのために、「こういう手順で振り返りをしよう」「こういうツールを使おう」「Fはこういう働きかけをしよう」というような点をまとめ、グループごとに「3つの秘伝」にまとめる。

【チェックアウト】(5分)
・グループごとに例会全体の振り返り

>>例会担当者の感想
・いつもそうなのですが、「今、ここで起こったこと」という言葉の意味を理解するのに少し時間がかかったようです。また、今回は、震災にちなんだ問題を用意したところ、コンテンツに入りすぎてしまったチームがありました。あと一つ気になったのが、振り返りの格好の材料となる葛藤やモヤモヤ感を表に出せない人がいたこと。このあたり、県民性もあるのかもしれず、次にやるときは工夫が必要かもしれません。(堀)
・個人的に、グループでの振り返りツールとして「KPT」を多用してきましたが、この「KPT」をする際に、どこか、「(大事なことが)抜け落ちてしまっている感」も感じていました。そのモヤモヤした感じというのは、どうやら、(体験学習サイクルにおける)「同定」のプロセスが不十分であったことに起因していました。自分の「概念化を急ぐ習性」にも気付きがありましたが、ファシリテーターとしての自分を振り返れば、メンバー一人ひとりの多様な視点を掘り下げるための「対話」が不足していたことの裏返しとも言えそうです。また、ファシリテーションに使うさまざまなツールも万能ではなく、大事なマインドや目的から離れてしまったりして、常に、使い誤りやすいことにも気付かされました。(森瀬)
・今回はとても考えさせられる例会でした。問題解決思考プロセスを意識している自分には感情を蔑ろにしていたという、重大なことに気付きました。そのプロセスを抜いてしまうことは自分や仲間との学びが非常に弱いものになってしまうと思いました。これからはもっともっと自分の思いに気付き、考察して理解していこうと思います。(佐藤)
・自分自身、今まで「体験で起こったことを振り返る」というよりは、むしろ「体験で感じて概念化したことを振り返りとして伝える」ことが多かったことに気付かされました。「起こったこと」を正しくちゃんと振り返ることが、振り返りの肝なんだなーと。例会後、自分自身の振り返りの仕方が大きく変わりました。そして、大きく変わったと思う自分自身を、また「振り返ってみたい」です。(中西)