第85回『茶道とファシリテーションの出会い』 〜茶道体験から自分のファシリテーションを見つめよう!〜(2015年7月)東北支部

◇◆   2015年7月(第85回)例会  ◆◇

『茶道とファシリテーションの出会い』

〜茶道体験から自分のファシリテーションを見つめよう!〜

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7月例会レポート


>>狙い
日本の伝統的なおもてなし文化である茶道の「お茶会」の場を観察し、(客人として)お茶会に参加する体験を通して、ファシリテーションとの接点やファシリテーターとしてのあり方を考える

>>ゴール
自分がファシリテーターとして立つ現場をより豊かなものにするアイデアを発見し、共有する

>>開催の概要
■日時:2015年7月4日(土)13時00分〜17時30分(受付12時30分)
■会場:東北大学農学部 厚生施設内和室
■参加者:13名(会員11名 非会員2名)
■例会担当者:菅野圭一(かんちゃん)、本間芳典(よっしー)、森瀬康之(もー)、壁谷雄一(かべちゃん)(以上、FAJ東北スクエア)

>>プログラム
【オープニング(15分)】(もー)
・本日の狙い
・本日の流れ(体験学習サイクル)
・グランドルール

【体験ワーク(80分)】(かんちゃん)
1)「お茶会」の流れについての説明
2)(横尾先生、東北大学農学部茶道同好会他の皆さんによる)「お茶会(デモ)」の見学
3)(参加者による)お茶会の体験と観察
・参加者(Aグループ)による(客人としての)体験+参加者(Bグループ)による観察
・参加者(Bグループ)による(客人としての)体験+参加者(Aグループ)による観察

【休憩(10分)】

【指摘ワーク(85分)】(もー)
1)「指摘ワーク」の進め方
2)ペアワーク
体験と観察を通して、"五感プラス1"で得たことをシェア
3)先生への質問を軸とした全体シェア
4)個人ワーク
体験ワーク→指摘ワークを踏まえて、一人ひとり、次のセッションでさらに深めたいと思うテーマを考えるワーク

【休憩(10分)】

【分析ワーク(25分)】(よっしー)
1) 「分析ワーク」の進め方
2) 話し合いたいテーマを基に、4つのテーマにグルーピング
3) グループワーク
各テーマに分かれて、テーマに込められた意味や核心を分析的な対話により解きほぐす

【概念化ワーク(40分)】(よっしー)
1)「概念化ワーク」の進め方
2)個人ワーク
「今後、自分のフィールド(ファシリテーターとしての現場)において、どんな自分が見えますか?」というテーマに対して、時間内で、各自自由に思索し、歩き回り、自由な方法(スケッチ、造形等を含む)で表現
3)全体共有

【クロージング】(かんちゃん)
・8月例会の紹介
・現状復帰依頼
>>例会担当者の感想

(かんちゃん)
東北スクエアとして初のコラボ企画となったが、無事に終えられてまずはホッと一息。
参加者みなさま、運営メンバーの協力あればこそ、です。ありがとうございました。
みなで楽しみながら、このところ触れる機会が少なくなった和の文化の良さ、を感じることができたと思います。静寂や質素といった要素が、表現の豊かさを演出していました。
パッシブなようで実はアクティブ。個々の動作を決まり決まった型に従わせることも、かえって内面の自由を引き出すことにつながっているのだから不思議でした。そこには理屈を超えた何かがありました。これをきっかけに「ファシリテーション」としての「当たり前」見直し、各人の豊かで個性的なファシリテーションの醸成につながってほしいと思います。最後に、多大なるご協力をいただきました東北大学農学部茶道同好会のメンバーみなさまに御礼申し上げます。

(かべ)
畳の上での例会、いつもと違うシチュエーションということで、いつもよりもかなりワクワクして迎えた例会でした。
客人を迎える茶室という空間と、話し合いの場が通じているのは、しっかりとした準備、段取りが肝心だということ、そして、主客の呼吸を、場の空気を感じることでした。
「○○道」のように、ファシリテーションとして、しっかりと基本の型をマスターしたいと改めて思った例会でした。(壁谷)

(よっしー)
茶道とファシリテーションが出会って何が起こるか? 企画側の期待と不安が入り混じる、本当に「調査・研究の場」の挑戦的な例会となりました。茶道体験から始まる「体験学習モデル」をプログラムに適用し、参加者のはじめの「茶道からファシリテーションにどう繋がっていくの?」の「?マーク」満載の表情から、実体験、茶道の先生のお話・想い・意図開き、参加者同士の対話から、「あれ?これって通じてるよね?」の場に変化していくのが非常に興味深かったです。
参加者それぞれに出会いから捉え方が様々であり、日本の伝統の奥深さを感じました。
今後の例会の何か新しい風になりそうです。

(もー)
ふだん馴染んでいる「お茶」を飲む習慣とは別に、なぜか縁遠い存在であった「茶の湯」という日本文化にずっと関心と憧れを持ってきました。ようやくこの例会でそのサワリを体験できたことに加えて、ファシリテーションとの共通性について、考えを深めることができた例会でした。
これまで学んだり、実践してきた「ファシリテーション」とは、どこか「洋風文化」的なイメージがつきまとうものでしたが、今回、日本古来のもてなし文化に触れることで、日本人の感性に近いファシリテーションのエッセンス...のようなものが確かに存在することに気づく機会にもなりました。また、続編をやってみる価値がありそうです!