富山サロン第6回定例会 報告富山サロン

1.開催日時 2006年8月5日(土) 13:30〜17:00
2.開催場所 県民共生センター・サンフォルテ 研修室 306号室
3.参加者数 6名
       太田さん、藤田さん、矢野(直)さん、矢野(好)さん、矢野(善)さん、
木津
4.主な内容
  テーマ:「付箋紙を使って会議をファシリテートする」
  担当F: 矢野 善治 (FAJ会員) 全体運営担当(議事録作成):木津 
■予定プログラム内容
?自己紹介・アイスブレーク
 ?付箋紙を使った話し合いを体験
 ?KPTによるふりかえり
 ?全体ふりかえり
■ねらい
 ?付箋紙がどんなふうに会議に役立つのかを体験する
 ?付箋紙を使うためのいろいろなコツを知る
 ?付箋紙を話し合いの場での自分の「武器」にする「!」
 ■定例会の流れ
13:30  開会の挨拶、最近の「ちょっといい出来事」の紹介(やのぜんさん)
14:00  スタート
(1)きょうのねらいを説明
(2)お題拝借;各自からきょう話し合いたいテーマを出してもらう
  「少子化対策」「外国居留人とのつきあい方」などいくつか出た中で、多重投票により、「人がやる気になる瞬間とは?」に決定
(3)「人がやる気になる瞬間とは、○○である」という40文字ほどの文章を作成する
     (GEのCAPプログラムを参考にした)
・各自ポストイットを使って、キーワードになることば出しを行う(10分間)
  ・それ(約45枚)をホワイトボードに添付する
  ・全員、ボードの前に立ち、グルーピングを進める
  ・各グループをくくることばを探す
  ・ことばを絞り、文章化を試みる
<出された作成例>
「自分とその所属する全体との間につながりを感じたとき」
「自分の行いが全体の発展や成長に貢献することに気づいたとき」
「自分のやることが、自分の価値観に合致して、自分のなりたい姿に近づけることに気づいたとき」
「個人の自己実現がイコール組織・全体の幸福につながると気づいたとき」  etc
(4)結果
上記作例も含め、それぞれの文章を読み合わせたが、全員なかなかしっくりこない(腑に落ちない)。特に矢野(好)さんの勤務先学校現場を想定すると、「組織」ということばさえも空回りしそう。全員合意の文章作成という課題達成には至らなかったが、深まった議論ができたという点で、メンバーの満足度は高かった(グリップの傾きによるアセスメント)。
藤田さんから「いろんな場面で、あらゆる人がやる気になる瞬間とは?」の自分なりの定義をもてたらいいとの発言があり、再び取り組みたいテーマのひとつとなった。
17:00 終了

5.ふりかえり(8/9運営スタッフm;やのぜん、川上、木津3人による)
《KEEP》
・全員充分発言できた
・ポストイットが効果的だった
・人の意見に左右されず、自分の意見が言えた
・強引にまとめなかったこと
・ムリな時間配分をしなかったこと
・3者3様の立場の違い(学校、一般企業、経営コンサルタント)があり、互いに理解しようとしたこと
《PROBLEM》
・時間配分に迷ったこと
・扱うテーマの定義があいまいだった
・メンバー各自のテーマだしの背景を明確にしておかなかったこと
・全員ふり返りの時間がとれなかった
《TRY》
・テーマは共通に現状認識できるもので行う
・問題提起型のテーマについては、その背景や前提条件をしぼりこむこと
・テーマを募集する(予め案内しておく)
・アジェンダ通りの時間配分に縛られることなく、話し合いのその時の様子に沿って進行をすすめることに同意をもらう
・「話し合いの様子」を客観的に観察して、フィードバックをもらうためのオブザーバーを置く

6.やのなおこさんの観察記(サロンMLにて)
娘にくわえてやんちゃ息子を予定外に同伴することになり、オットだけ定例会に、わたしは託児室にこもっていたのですが、付箋紙ワークを少しだけ見学できました。そのときに思ったことです。
「人がやる気になる瞬間とは?」というテーマについて参加者の思い(キーワード)が付箋紙に書かれ、類似のもの同士をグループに分類されていました。
分類後、グループごとのキーワードをつける、というフェーズで、この段階でも意見(グループのキーワード)が微妙に同じではなかったことがなんだか、とても興味深かったです。よく似たキーワードのグルーピングであっても、それに対する思いがまた人それぞれだったことが。
そのとき、
人の意見は異なっているのが自然なんだなぁ(ある人の視野と、他の人の視野は同じではないから)。話し合いのゴールは「意見を一致させる」ことではなく、個々人のスタンスから等距離にある結論を探すこと?そんなことできるんだろうか? 話し合いは、相手には見えていて自分には見えなかったものは何か(その逆も)、に気づくための場?
自分が話し合いに参加するときに必要なことは、他の人には見えていて自分には見えていないもの(その逆も)は何なのか?ということに思いをはせること?

と思ったことをオットに語ってみたところ、オットいわく、
「僕は、思いをはせてもらっていたような気がする。」#このヒト、しゃべりすぎでしたか?

矢野善さんの、「○○さんはこういうことをおっしゃってるのでしょうか?」
「この点は同じですね。」「そこはちょっと違う意見ですね。」と、
集中力を切らさずに意見を聞きつづけ、地道にゴールを目指す、
その"精神力"を純粋に尊敬してしまいました。
ほんの少しの見学で、的外れな感想かも、ですが。
 
6.担当F(やのぜん)より
今回は、途中から「迷い」を感じながら進めておりました。あらかじめ用意したフレームワーク通りに進めるべきか、話し合いの内容の深まりを優先して対応するべきか、という点です。結果としては後者を選んだわけですが、深まった話の中から、「視点の違い」について大きな気づきを得ることができました。「話し合いの場」を作る際にどのような切り口で始めるか、という点でも、貴重な学びの場をいただきました。ご参加下さったみなさん、大変ありがとうございました。

7.記録係(木津)より
今さら、マズローやハーズバーグを持ち出すまでもなく、「やる気」の問題は古くて新しいテーマだが、いざ自分のことばで語るとなるとこんなにしんどいものだとは思わなかった。また、メンバー各自の背景が異なると、こんなに見方も違ってくるのかという驚き。今回は少人数だったけど、その分たっぷり深まったという感じです。また、矢野(直)さんから、素敵な観察記をいただいたことも、意外でうれしい驚きでした(矢野さんは、子守のため議論には入らず、学習室には出たり入ったりの状態でした)。今回のいちばん的確なまとめをしていただいたと思います。

以上(木津 記)