第6回:2005年4月16日 「ファシリテーターの資質を探る」〜 古武術にまねぶ、ファシリテーションの極意 〜!中部支部

第6回中部支部定例会 議事録

■日 時:2005年4月 1 6日(土) 13:00 〜 17:30
■場 所:中部自転車協議会  9 階会議室
■参加者:明石さん、壱橋さん、伊藤さん、井上さん、大角さん、川上さん、川端さん、木津さん、田川さん、戸松さん、長谷川さん、早川さん、林さん、久田さん、堀さん、堀 恭子さん、松下さん、三浦さん、村松さん、八木さん、芳本さん&下谷夫婦
  ビジター参加:西脇さん、古田さん、村澤さん、高橋さん、齋藤さん、足立さん、杉浦さん
  計 30名
  泡の会から参加:安藤(幹)さん、石田さん
■担当 :木津さん、林さん、東さん
■テーマ:「ファシリテーターの資質を探る」 〜 古武術にまねぶ、ファシリテーションの極意 〜!
■ねらい:身体感覚をみがくことで、ファシリテーターに求められる「中立性」という資質の向上につなげる。
■目標
「中立性」の資質向上につながる身体感覚の気づきを参加メンバーが各自最低3点は得ることができる
■ねらいと目標設定の背景
いずれも、ファシリテーション経験の有無、履歴の長短、実力のレベルに関わらず、ファシリテーションに関心のある方なら誰でも取り組みやすく、一定の理解度が期待できるものという視点からふり返ってみた。
■内 容
13:00
1.オリエンテーション
  (1) 今日の定例会の目的の確認
     きょうの定例会の、目的、目標、背景、参加メンバーに
     求められる
  役割の確認(承認)をおこなう
  (2) メンバーの自己紹介
    参加者の自己紹介との今日の定例会への期待なども
    表明してもらう

13:20  
2.グループづくり
  (1) メンバーは壁に一列に並び、目を閉じてたつ。そして、一周して静かに目を開いて、最初に目があった人とペアになる。
  (2) 近くにいる3ペアで一グループとする。 4グループつくる。
    ※偶然、濃い(?)メンバーばかりが集まったグループは他のグループと入れ替えて調整をした。
  (3) 各グループで役割を決める(ファシリテーター、タイムキーパー、書記、発表者)

13:40
3.テーマについての意見だし(ブレーンストーミング)
<テーマ>
「ファシリテーターをして感じたこと(うれしかったこと、困ったこと)」
  (1) 思いついたままに、とにかく拾い出す
       →ポストイットを使って各自書き出した。
  (2) おおまかにグループ分けをする
       →ポストイットを模造紙に貼ってグループ分けをした。
  <ここでのゴール:意見の発散を徹底する>

14:40 休憩

14:50  
4.身体感覚をみがく体験
   ※このワークは身体を使い、体に触れるため、やりたくない人は参加しなくてもよい
    (見学者として参加)ことを事前にアナウンスした。
  (1) ペアをつくる。
  (2) 立って互いに向かい合い、1人が相手の両手首をやわらかくつかむ。
  (3) 気持ち(感情)を、身体を通して相手に伝えてみる
   (交互におこなう)。
    相手の方に了解をもらいながら、少し思い切って力をだしてみる。
  ・思い通りにならない、いらいらする気分、腹立たしい気分などの負のエネルギーをもった感情を伝えてみる。
  ・「ありがとう」「うれしい」「うんうん」等の納得した気分などの正のエネルギーをもった感情を伝えてみる
  ・反応のない、エネルギーのない感情を伝えてみる。
   ※デモンストレーション: 木津・林でロールプレイをおこなう
  (4) 相互に振り返りを行う。
    つかんだ方は、自分の感情をうまく伝えられただろうか。
    つかまれた方は、身体にどんな反応が生じ、自分に、そして相手にどんな感情が生じただろうか
  (5)身体の軸をつくる試みをする
   {小アイスブレイク:
    一人が両の手のひらを組み、相手方がその組んだ指に触れ、その指を上げるようにリクエストする。最初は目をあけて、次に
    目を閉じて、交互におこなう。}
   ・いまの自分の中心軸の状態を知る
     1.普通に立ち、足下の親指のラインにボールペンを置く
     2.目を閉じて、その場で10秒ほど足踏みをする
     3.目を開けて、最初の立ち位置と比較する
     4.最初の位置と変わっていなければ、中心軸がぶれていない
   ・軸作りをおこなう
     1.普通に立ち、近くの窓枠や、遠くのビルの風景の中に垂直のまっすぐな線をさがす
     2.片手にボールペンを持ち、その線に合わせて目の前(顔の中心)にかかげる
     3.ペンを線に合わせて、2,3回上下する
     4.身体の中に、一本のまっすぐな線が頭(百会)から足下
    (両くるぶしの真ん中)に通っているのをイメージする
     5. イメージした中心軸を中心に身体を軽くゆすり、足をあげずに膝をゆるめて、軽くバウンドする
     6. 余分な力が足下に剥がれ落ちていく感じ、力が脱ぎ落ちていく感じで
   ・身体感覚を感じてみる
     1. 右腕に力のこぶをつくるイメージをもつ
     2. 10秒ほどして、右腕の感覚が変わったか感じてみる
     3. 実際に力こぶをつくる
     4. イメージ通りの感覚になったか感じてみる
  (6)ペアを組み、もう一度相手の力を受けとめてみる
   ・身体の前(手、胸)を意識して、相手の力を受けとめてみる
     →腕に力が入り、相手の力に反発しそうにならないだろうか
   ・身体の後ろ(背中)を意識して、相手の力を受けとめてみる。
     →相手の力を身体全体で受け入れられる感じがしないだろうか
     →何かにおされている、支えられている感じがしないだろうか
   ・相手の手の甲、相手の肩などを意識しながら、握手をしてみる
     →相手との境界がなくなる感じがしないだろうか
     ※デモンストレーション: 木津・林でロールプレイをおこなう
  (7)相互に振り返りを行う。
    中心軸、身体感覚を感じる前と感じた後のちがいはあるだろうか

【備考】
(5)<身体の軸をつくる試みをする>の2と3については、「身体意識を鍛える」(高岡英夫氏著書)に倣った。他にからだのゆるめ方では、野口体操のぶらさがりなどもおこなった。

(1)(2)(3)(4)については、富山でのふだんの稽古に準じた。

15:50
5.グループ内でのふりかえりのシェア
  今の試みは、中立性の資質を培うのに役立つだろうか
  ※各グループで議論する。 
    模造紙を使って議論をグラフィックにまとめたグループもあった。
    松下さんのまとめたものは素晴らしかった。 (写真を参照)

16:20  休憩

16:30  
6.全体シェアリング(セッションの評価)
  (1) メンバー各自の参加度のふりかえりを身体感覚で表現する
  (2) メンバー各自の目標達成度をふりかえる
  (3) グループ FA 、全体 FA に対するフィードバック
  (4) セッション全体を通じて良かった点、改善すべき点
    (テーマ設定、運営 etc )

〔参加者全員の感想〕 皆さんお疲れ様でした!
・ 身体感覚をみがく体験では、女性に「組んでください」と言えなかった。
・ 古武術とは少し違うなと思った。
・ オブザーバー参加したはずなのによく喋った。皆がうなずいてくれるので、もっと喋りたくなった。喋るとポジティブになった。
・ 楽しかった。初参加であり、まだファシリテーションの入り口にいるからか、今回のつながりが分かりにくかった。
・ 背中の一点に力を入れたら、何でもできる気持ちになった。
・ 後ろに意識をもつと視野が広がった。
・ 出席者は F にどう繋げるのかを考えながら、やっていた。木津さんにそこのところを話してほしかった。伊藤百代ちゃんの F がすがすがしかった。
・ 初めは、何をしに来たのだろうと思った。 しかし、後になって、もしかしたらこういう感じがわかればいいのかなと思った。
・ 2回目の参加であり、なんとなく感じるものが前回よりもあった。
・ 今日は120%のがんばり度だった。即興性は大事、体験することも大事だと思った。 自分のなかで考える機会となった。
・ 人が増えた。 このくらいの人数はみんなの顔が見えるので、楽しい。 関西の定例会にも参加してね。
・ 会社のなかで、大きな問題があり、解決したくて参加した。 身になった気がした。 問題にぶち当たると大変だが、その時にはスキンシップも大切だと感じた。
・ 体験してみることが大切。
・ 前半と後半のつながりが分からなくて未消化。
・ 普段から背中に何気なく意識がいっていたことを確認した。 今までは自分の守備範囲の外に来たボールも受け止めようとしていた(かわすという手もあるのかも)。と二つの発見があった。
・ 今回は F がどう関わっていくかが課題だった。受け止める→かわす、 受け止め方→かわしかたも、もっとやったほうがよかった。
・ F としてその場に巻き込まれない姿をイメージしていたのだろうか? 実際には F を傷つける場面が多々ある。言葉を受け止めるヒントや対処法も扱ってはどうか。
・ 後で前半とのつながりが分かった。対処方法にまで深めてほしい。
・ グループワーク、ペアワークがたくさんあり、ペアをかえるとわかることがたくさんあった。 組み替えることも必要な場合があることがわかった。
・ 感覚がわからなかった。意識をコントロールしなくっちゃ。
・ よくわかった(催眠術にかかりやすいのかも・・・)。 いやなことは背中を避雷針にしようと思った。
・ よくわかった。古武術の前後音で意識が違った。
・ 歌の世界そのままを F の世界に持ち込んでもいいこともあると思った。 趣味から入ると分かりやすい。
・ 前半は全体的にネガティブな意見が多かった。 その中で、場を盛り上げよう、意見を引き出そうと気張りすぎていた。古武道を試してみて、自然体でできるようになった。
・ 古武道は不測の事態に備えることで、これは F に近い。 自分の力を発揮することは、中心軸をかなり意識することであり、中心軸を創ることが F にとって大切であると思った。 身体に残る F の資質として落としたい。中部は人数も適当でおもしろい。
・ 途中で身体をほぐしたので、入りやすかった。
・ ワークショップの前に、身体と心をほぐすことが、結構いいかも。
・ 大きなタイトルでたくさんのことをしようと構えすぎていた(戸惑いもあった)。 みんなのフィードバックのお陰でここまで来た。 今日の気づきを身体の中にいれておけば、今日は OK. 。好きな分野から入れば、入りやすい。 「かわす」ことも考えたが、古武道で、まず、止める、そしてかわすという順序がある。これを受け止めずにかわすと相手はいらだつ。丁寧に向き合うことが大切。今後も取り組んで入れるテーマだと思った。

17:20  次回のアナウンス

17:30   終 了

※次回の予定

日時 :5月21日(土) 13 : 00 〜 17 : 00
場所 :中部自転車協議会  9 階会議室
テーマ:「ファシリテーション・グラフィックの極意」
     〜 鉄人対決 加藤さん(関西支部)  VS  八木さん(東京支部)〜
担当 :戸松さん


古武道体感をする堀さんと川上さん 「古武道体験はファシリテーターの
中立性に役立つのか」をグループで討議した結果を
まとめたFグラフィク。(松下さんの名人芸)