2017年12月青テーマレポート:「ブラインドワークショップ3 ~心の垣根を考える~」中部支部

「ブラインドワークショップ3 ~心の垣根を考える~」
◆実施日時:2017年12月16日 (土) 13:00~17:20
◆定例会担当:チームアイリス(JBCA:今井、小池、林・FAJ中部:平山、角谷)
◆会場 / 部屋番号: 東桜会館 第2会議室
◆参加者数: ファシリテーター(チーム) [4] 名 + 参加者 [13] 名(会員:13名、一般:4名、計17名)
◆プログラム概要:
 一般に人間の五感が受け取る情報の割合は、視覚が8割以上、聴覚が約1割、臭覚・触覚・味覚を合わせて1割以下と言われています。そのため、視覚は感覚の王様と言われることもあります。しかし実際に人のコミュニケーションに必要な情報の割合は状況によって大きく異なり、時には視覚より聴覚や臭覚の方が本質的な情報を含んでいます。
 チームアイリスは、日本視覚障害者コーチ協会(Japan Blind Coach Association: JBCA)とFAJのジョイントチームで、アイマスクを用いたブラインド状態で幾つかの実験的なワークショップを行ってきました。
 目の見えない不自由な状態でのコミュニケーションを通して、何を感じ、どんな気づきがあるでしょうか。定例会での開催も3回目を数え、普段私たちの中にあるコミュニケーションを阻害する心の垣根について考えたいと思います。いつもとは異なる感覚の中で、一緒に楽しみながら探索しましょう。
○本日のゴール(目的、目標)
・視覚以外の感覚を高めて楽しもう
・助ける・助けられる・協力し合うを意識してコミュニケーションしてみよう
・普段のコミュニケーションに役立つコツを何か見つけよう
○お約束(安心、安全の確保)
・思いやり
 -皆んなが、普段と異なる不自由な状態
 -否定、非難はしない
・発言はシンプルに
 -1人で延々と話さない
・秘密厳守
 -プライバシーを守る
○進行
 0.ウェルカムタイム
 1.ウォームアップタイム
 2.お散歩タイム
 3.ティータイム
 4.かるたゲーム
 5.対話の時間
 6.ふり返り

◆参加者コメント:
問1.FAJの通算加入歴を教えてください
 一般: 1名
 1年未満: 4名
 1~3年: 1名
 4~5年: 2名
 6~7年: 1名
 8~9年: 2名
 10年以上: 2名
問2.今回、『聴く力・感じる力を高めよう!』を選んだ理由は何ですか? (複数選択可)
 このテーマに関心があった: 10名
 告知文に興味を持った: 3名
 定例会の複数テーマの内、消去法で選んだ: 0名
 その他: 2名
問3.各設問にお答えください。
 問3-1. 本日のゴールに到達したと思いますか。(5段階で評価して、丸をつけてください)
  到達した([5]:5名、[4]:6名、[3]:2名、[2]:0名、[1]:0名)達しなかった
  平均:4.2点
 問3-2. お約束は守られていたと思いますか。(5段階で評価して、丸をつけてください)
  守られていた([5]:7名、[4]:5名、[3]:1名、[2]:0名、[1]:0名)守られなかった
  平均:4.5点
 問3-3. 進行・時間配分はいかがでしたか。 (5段階で評価して、丸をつけてください)
  良かった([5]:9名、[4]:2名、[3]:2名、[2]:0名、[1]:0名)悪かった
  平均:4.5点
 問3-4. 今後、活用できそうなスキルやアイデアはありましたか。 (5段階で評価して、丸をつけてください)
  多数あった([5]:4名、[4]:3名、[3]:6名、[2]:0名、[1]:0名)全く無かった
  平均:3.8点
問5.全体を通して、いかがでしたか? 5段階で評価して、丸をつけて下さい。
  良かった([5]:10名、[4]:3名、[3]:0名、[2]:0名、[1]:0名)悪かった
  平均:4.8点
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問4フリーコメント(FAJ中部支部アンケートに追加)
〇良かったこと・役立ったこと
・よく考えられているプログラムで勉強になりました。(構成、時間配分、進行など)
 視覚障害は全盲のイメージだったので弱視のことについて知れてよかった。
・体験・振り返りのバランスが良かった。
 目が見えない状態で感覚をとぎすます経験ができたこと。
 スタッフの配慮が常に感じられて参加しやすかった。
・傾聴を深めるためにブラインドワークは有用だと思った。
・Grワークで最初からF、グラフィッカー、発表者を決めたのは良かった。
 ワークの進め方がちゃんとわかりやすく伝えてもらえた。
・改善後のプログラムでチャレンジしているのでフィードバックがほしいと出だしに言ってくれたこと。
 これまで体験したことのないワークでとても勉強になりました。
・視覚障がい者への声の掛け方がわかった。
 一人歩きをしてからお散歩ワークをしたため、サポートをする際、お互いの信頼関係が大切であることがよく理解できた。
 休憩が必要かどうか聞いてくれた。
・水はとてもよいと思いました。
 心の垣根についてのゆうちゃん、ようちゃんのお話は、1つずつで良い気がした。
 見えずにコップにお茶をくむのは難しそうでしたが、思ったより簡単に感じられ、実体験は大切だと思った。
〇改善が望ましいこと
・途中で障害についての話し合いになったことに少し違和感があった。
・目の見えない状態での対話をもっとしたかった。
・最後の話し合いのテーマが少しわかりづらかった。
 専門的な用語が少しでてきたので、わかりやすい言葉にしてもらえるとうれしい。
・最後の対話の際、少し発言者が偏ったような・・・(テーブルファシリテーターとグラフィッカーの発言が少なくなるのはしょうがない?)。
 アイマスクをしての対話をもっと体験したい。
・動画でワークの様子を撮影して、アイマスクをしているときの自分の動きを見てみたかったです。視野、音、触覚など制限を加える対象のバリエーションを広げると面白いかも。
・最後の話し合いは,グループで自由に話をさせてもらえた方が話しやすかったかもしれないと思いました。(ファシリテーター、グラフィッカーきめるのもふくめて)
・場をよむ、空気をよむ、に役立つといったファシリテーションとの意味づけをテーマや内容に盛り込めるとよいと思いました。
・視覚障害の方と(声掛けとか配慮とか)どうコミュニケーションしたら、お互い気持ちよいのか知りたい。
◆担当者振り返り:
 FAJ定例会にゲスト参加させていただくのは今回が3回目でした。今回も、参加者の方々の学びのパワーに驚きながら、私も多くのことを学ばせていただきました。
 今回は、いつものアイマスクをつけての体験ワークの他に、実験的に心の垣根について対話で深めて頂こうと、新しい企画を考えたのですが、意図していたようにことが運ばず残念でした。
 また、複数の参加者の方が期待されていた「アイマスクでの対話」のプログラムが組み込まれていなかったことも申し訳なく思っております。
 設営や運営にあたって、FAJの方々にお力を貸していただき大変助かりました。どうもありがとうございました。
 チームアイリスは、まだ模索段階のチームだと思っています。今後ともFAJさんとコラボしながら進化していけたらいいなと思います。(今井陽ちゃんの個人的な願いです♪)どうぞよろしくお願いします。& ありがとうございました。(ようちゃん)
 今回もありがとうございました。fajの定例会は、「実験室」と聞いて、成長過程にある私たちチームアイリスが学ばせていただく素敵な場、感謝でいっぱいです。
 ワークショップの現場で、起きることは、意図しないところにもいくので、面白いなぁと思います。そこから、学ばせていただき、次へのヒントや課題につなげていけたらと思います。
 チームアイリスは、どこに向かっているのか、どんな目的を持っているのかという投げかけをいただいて、まだ答えが見つかっていませんが、構成やワークを変えることによって、子供のいじめ問題などの方面にも何かをもたらすことができないかなと個人的には、感じました。
 参加して下さった皆様、本当にありがとうございました。(ゆうちゃん)
 今回の定例会は「ファシリテーターはプロセスに関わる」の中の内面的なプロセスに焦点をあてチームアイリスはプログラムを作成しました。
 そのなかで新しい試みとして「かるたワーク」を作成、実験し多くの学びがありました。テーマとしては、「垣根」のテーマに結びつけるためのワークのブラッシュアップの必要性を感じ、FAJ会員としては参加者の皆様がワークの意図をいち早く汲み忠実に行なわれた事で、外面的なプロセスの満足感はかなり高かった反面、内面的なプロセスの中の自身の感情の変化や他者の感情の変化をくみ取る力を向上させコミュニケーション能力を高める必要性を感じました。
 それには、チームアイリスのプログラムの組み立て直しや、ワーク細分化の必要性を知る事ができ、FAJ会員としてもチームアイリスとしても気づきが多い定例会でした。
 参加して下さいました皆様に感謝しブラインドワークを実験させて頂けた事に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。(広子)
 今回は都合で参加できませんでしたが、多くの方にご参加いただき感謝しています。
 心の垣根は、今後も取り組みたいテーマです。
 今後の課題は、ワークと現実の間に、はしごをかけることだと思います。(こいちゃん)
 私たちが活動を開始した約3年前に比べて、昨年のパラリンピックを契機に、ブラインドでのワークショップと言うだけで、ある程度想像できる人が増えてきた様に感じています。それは、DID(ダイアローグ・イン・ザ・ダーク)が、とても素敵な暗闇でのエンターテインメントとして知られて来たことによるのでしょう。
 チームアイリスでは、視覚を遮る体験が非常に強烈ですので、そこを楽しい発見の体験として貰いつつも、同時に闇だけでない多様な見え方を前提に、情報格差やコミュニケーションの阻害要因について深めて行きたいと考えています。皆さんからいただいたフィードバックから、次に繋いでいきたいと思います。
 今回の定例会開催へのご協力とご参加に感謝しています。ありがとうございました。(すみやん)