2017年8月赤テーマレポート:「ポジティブ行動変容のためのフレームワーク(PCFW)を用いた個人・組織の自律的成長を促す体験型ワークショップ」中部支部

「ポジティブ行動変容のためのフレームワーク(PCFW)を用いた個人・組織の自律的成長を促す体験型ワークショップ」
◆実施日時:2017年8月19日 (土) 13:00~17:30
◆メインファシリテーター(MF): 岡村 祐一(おかむん)@九州・関西・中国支部、四国サロン
◆定例会担当:角谷 裕司(すみやん)、星野 利夫(数学大好きとしちゃん)@中部支部
◆会場 / 部屋番号: 東桜会館 第2会議室
◆参加者数: ファシリテーター(チーム) [3] 名 + 参加者 [23] 名(すべて会員、計26名)
◆プログラム概要:
 前半は「ポジティブ行動変容のためのフレームワーク(PCFW)」に関する講義。本フレームワーク研究開発の背景、ターゲット、理論的なバックボーンなどを説明されました。考え方としては、ポジティブ心理学、コーチング心理学、ブリーフセラピー、Appreciative inquiryを基本とし、独自に改良しています。
 後半は実際にフレームワークを使ったカウンセリングの体験をしてもらいました。まず、参加者の日常生活で抱えている課題についてA4用紙に書き、皆で回遊して、誰とペアを組むか決めました。自分とよく似た課題か、全く違っても関心ある課題を選ぶかは参加者に自由に設定していただきました。ワークはペアで行い、フレームワーク(Positive Change's Framework:PCFW)を用いながらペアインタビューの手法を用いて進めました。フレームワークを用いながら、話し合ったことを付箋に書きました。過去のリソース、これからできそうなリソースを2軸で分け、明日から行動することを1〜3つ選び、一人のカウンセリングを終了としました。1人約1時間ほどじっくりと時間をかけ、問題に取り組んでいただきました。
 最後に、全体でふり返りを行いました。様々な意見を出していただきました。

◆参加者コメント:
1.ふり返りでの感想、気づき(質疑、補足は割愛)
・体験してみて、自分の設定したテーマがずれていることに気づいた。
・カウンセラ側のときの会話から、自分の課題の解決にもなった。
・ブレストでは楽しく解決策が出る。
・シンプルな手法でありながら、気づきが多くあった。
・マッピングすることで、何故できないのか、分かり易かった。
・課題と思っていたことが課題でないことあった。
2.良かったこと、役立ったこと(アンケートより)
・自分自身の引き出しには有用
・使えそうなツールだと思えた。
・フレームワーク(PCFW)を体験できた。
・フレームワークの使い方。今回も新しい人と出会えました。とても聞きやすく、分かりやすく、質問にもきちんと説明してくれました。ありがとうございました。
・フレームワーク、使ってみたいです。
・やってみて、実際にどんな感じかが体験できたのが良かったです。
・すぐに実践できるFWだと思った。職場のメンバーと使ってみようと思った。
・いままで過去にうまくいった経験から日常の悩みに対応していく考え方はとても受け入れ易い。
・ワークを通して、いくつか気づきがありました。使える場面がありそうです。実践できる気持ちになりました!
・課題解決のヒントが得られた事
・フレームワークとして面白かった。
・シンプルで取組みの障壁は低いと思う。
・実践で使えるフレームワークを学習できた。コーチングの学習をしっかりしなくても直ぐ使えるものでした!! 説明も判りやすかった。
・実践できた。フレームワークの使い方を理解できた(多分)。
・時間配分が、丁度になるよう配慮して貰えました。資料をもう少し読み込まないといけないと思いました。
・使えるフレームワークを学ぶことができた。
・使えるフレームワークだと思った。じっくり長いペアワークで。
・進めるに十分な知識共有(おかむん講義)があったのが良かった。フセンの活用は有効だと思う。気軽でクリエイティブで、生産性も操作感も。
・スライドの中身がワークの内容と比較して難しく、理解しにくかった。
・カウンセリングの技法はいろいろありますが、フレームワークを使って、誰でも行えるやり方、付せんを使って、ファシ的に使えるアプローチは大変参考になりました。ありがとうございました。
・フレームワークを活用した具体的な手法を学べた。自分の課題を整理でき、今日から実践できることが見つかった。
・普段ブレインストーミングの機会がないので、久々にできてよかったです。
3.改善が望ましいこと(アンケートより)
・組織メンバーへの充当方法がまだちょっと分からず。
・オペレーションの説明が分かりにくかった。
・手順を配布して貰えると、もっと質問例がやりやすいのではと思いました。
・学術的な説明を頂くパートはついていくことが難しかったので、補足が欲しかったです。
・内容リッチで消化し切れない所もあった。
・ポジティブ≒コーチングであったので、期待したほどではなかった。軽いテーマしか扱えない?
・フレームの名前があったらもっと理解が進んだと思います。
・聴く側についての取組み方やポイントをもう少し詳しく説明してもらいたかった。
・スライド時間、超眠い。眠眠打破ほしい。内容、ほぼ覚えていない。
・カウンセリング、コーチングへの適用はよく理解できたが、ファシリテーション、チームへの応用のヒントがほしかった。
◆担当者振り返り:
 今期の中部支部定例会テーマとして、FAJ全国MLに募集したところで、立候補されたテーマです。ローカルの担当が必要だと言うことだったので、テーマのタイトルだけでしたが、興味が沸いたのでお手伝いをさせていただきました。
 内容については、参加者コメントに表れていると思います。自分の感想を一言述べますと、カウンセラーと一緒に改善のアイデアを可視化して並べ替え、作業を通じて実践に繋がるよう考えがまとまっていくのは効果的であると感じました。あまり深刻でない生活習慣などの課題でも、放置すれば、精神的な悪化を招くことがあるので、広く適用できる手順として確立することの意味は大きいと感じました。ファシリテーションの調査研究として考えたときには、個人の課題だけでなく、グループの課題への適用の可能性の予感がありました。
 MFとして九州から名古屋まで来ていただいたおかむんへのお礼と労い、今後の研究の発展をお祈りします。(担当:角谷)
 FAJでは、数少ない「ファシリテーション×心理学」のプログラムを名古屋でできたこと大変嬉しく思います。当日の参加者は例年の8月に比べ、大変多かったことをお聞きしています。たくさんの方に参加いただき、また本プログラムを体験してくださったことありがとうございました。
 本ワークは、自分の抱える日常生活の問題に対して、解決した将来を描き、リソースを増やし、行動を絞って行くことのできるフレームワーク(Positive Change's Framework)を用いて、実際に参加者同士でカウンセリングをしてもらいました。
 カウンセリングとファシリテーションは、それぞれの専門用語が異なりますが、人と人が何か(話題やテーマなど)に向かって、対話をしていくことは本質的に同じだと思っています。特にファシリテーションにおける「見える化(可視化)」というものは、今何を話しているのかを示すもの、いわば一緒に地図を作って行く作業で、一般的なカウンセリングでは、あまり「見える化」の作業は行われていません。カウンセラーがメモをすることはあっても、クライエントが何かを作業することはまだまだ多いとは言えません。一緒に作業をし、話を深める技法は、参加度を高めることができ、その時間を深く使うことができるのではないかと思います。特にこの「見える化」を重視して今回はプログラムを構成しました。
 今回は、1:1でのフレームワークの使用をしましたが、このフレームワークはおそらく、組織やチームでも使えるのではないかと改めてみなさんのご意見から感じました。もっと、いろんな人がポジティブな問題解決を体験してもらいたいと思っております。
 最後に、まだまだ改良の余地のあるプログラムではありましたが、ポジティブ行動変容カウンセリングを学術的にも証明しつつ、この考え方が、個人や組織の問題を解決して行く一助になればと願っております。みなさんと一緒に作っていければと思っていますので、ぜひご興味のある方は一緒にチームで動いていければと嬉しいです。また各支部、各サロンにお邪魔できることを楽しみにしています。目指せ、ポジティブチェンジャー! ありがとうございました。(MF:岡村さん)