2018年3月 第150回 赤テーマレポート:『易経』に学ぶファシリテーション2-「龍の成長物語」のフレームワークでファシリテーターの成長物語を語ってみよう-中部支部

『易経』に学ぶファシリテーション2-「龍の成長物語」のフレームワークで ファシリテーターの成長物語を語ってみよう-
・実施日時: 2018年3月17日 (土) 13:00~17:30
・会場: 東桜会館 / 第1会議室
・企画メンバーぐら(小椋浩一)、(話題提供者)竹村亞希子さん
・参加者数:ファシリテーター(チーム) [2] 名 + 参加者 [35]
参加者内の会員 [20] 名+見学者 [15]
・プログラム概要:
0.オープニング-支部長あいさつ、MF趣旨説明/アイスブレイク-自己紹介
1.陰と陽を"分ける" -陰陽分類ワークで陰の存在を知る-
 【講義】 陰とは、陽とは -"器量と度量"
 【ワークショップ】 陰と陽を分けてみよう
2.陰と陽を"分かる"-陰の力ワークで陰の存在意義を知る-
 【講義】 一流のセールスマンは売ろうとしない -"陰徳"
 【ワークショップ】 陰の存在意義を語り合おう
3.陰と陽を"合わせる"-時中ワークで陰の力の使い方を知る-
 【講義】 正しい経営とは? -最高の陰徳="美徳"
時中と"陰陽一元論"
【ワークショップ】 中1の息子が万引きで捕まったのが、ラッキー!とは?
【ワークショップ】 自分の持っている"陰の力"に気づこう
4.【ワークショップ】 どんな"陰の力"がファシリテーションに役立つか?
5.【グループ発表】
6.全体ふりかえり/質疑応答
参加者コメント:
<本企画に対する感想/改善要望>
37名の参加。非会員の参加が16名あり、このあたりの勧誘を積極的にフォローしたい。
アンケートは32名のご回答を得、満足度平均は4.58と、まずまずの結果だった。
2名あった不満足(満足度=2&3)に関しては、ファシリテーションの入門セミナーを期待されていたようだが、1名は入会初年度、1名は脱会者、ということで、いずれもファシリテーションにもFAJにも慣れておらず、趣旨を誤解されていたかと理解。次回の冒頭の趣旨説明では、これは調査研究を目的とした定例会であり、入門セミナーは別途存在することを、事前に説明しておきたい。
一方、多数参加された非会員にとっては、特に易経に興味ある方々が多かったために、「"易経に学ぶファシリテーション"という入り口設定は入りやすかった」との声が多く、いきなりファシリテーションそのものを語る、というよりは、ハードルを下げる効果となったようだ。
ちなみに本企画は今回第3弾、ということで、前回のアンケートの声を活かした改善点として、以下3点についての対応を行なった。
(1)プレゼン資料を、紙で配布して欲しい
→配布物を準備した
(2)基本的なファシリテーションの説明も、もっとして欲しい
→「10分でわかるファシリテーション」というプレゼンを冒頭で行なった
(3)MFがしゃべり過ぎないように注意して欲しい
→冒頭で板書して、グランドルール(※)とともに、改善宣言した
※グランドルール「違いから学びましょう/違いを喜びましょう/違いも自分のモノにしましょう」
結果、「入門セミナーを期待」という勘違い2点を除けば、上記対応はいずれも好評。「(3)先生のお話が参考になった/MFの小話がとても参考になった」など好意的なコメントが多かった。
担当者振り返り:
今や3つとなった『異分野から学ぶシリーズ』の1案件でもあり、中でも好評をいただいている本件は、すでに第3弾の開催となっている。
今回のテーマは、「押してもだめなら引いてみな」="『易経』の陰のチカラをファシリテーションの実践に活かす"、を掲げて行なった。
前回同様、スキルというよりはマインドやスタンスの改善にフォーカスしたプログラムである。
例えば、傾聴、謙虚、人徳など、一見、弱く見えるこれら"引く力"が、ときに絶大な効果を発揮する場面/経験を共有しつつ、それをいかに発揮させればファシリテーションに効果的に働くか、について、話題提供者の竹村亞希子さんの解説や、参加者とのグループディスカッションなどを通じて、さらにファシリテーションの実践ノウハウを深めようとした。
結果、物事には裏側が必ずあり、目に見える表の効果に隠れた、目には見えない効果や、弊害や副作用もまた、必ず存在する、ということ、さらには、『体験学習のプロセス氷山モデル』に代表されるように、その見えない部分の方がむしろ、見えている部分よりもはるかに大きい、という点についても、共有が進んだ。
そして、最終的には、各グループの検討結果の発表において、MF側で冒頭で提示した、傾聴、謙虚、人徳などの他にも、ファシリテーションの現場における目に見えない"陰のチカラ"として、
・思考を深めるための、"あえて"の、ネガティブコメントの意義
・ありふれた結論にしがみつかぬように、できた場を一旦壊す、というプロセス
・参加者をうまく仕切るだけでなく、参加者が思わず助けたくなるようなファシリテーターの姿勢
など、興味深い発案が数々上げられ、ファシリテーションのさらなる有効な実践のための思考の深まりのヒントが得られたことが、成果の一つだったと言える。
やはり、ファシリテーション自体の調査研究の一貫として、異分野のファシリテーション性との比較研究は、やはり有効な面が多々散見される。
合わせて、ファシリテーションの社会的普及についてもまた、その間口を広げ、ハードルを下げ、異業界とのコラボを進める意味でも、意義深いものだと思う。
すでに東京支部からも企画依頼をいただいた。
上記アンケート結果も踏まえてさらなる改善を準備しつつ、さらにバージョンアップしていきたい。