2022年3月 第199回青テーマレポート:ワークショップにおける「問いのデザイン」のキ・ホ・ン中部支部

1.実施日時:2022年3月20日 (日)13:30~17:35

2.会場:オンライン会議システム「Zoom」

3.担当者:いっちゃん・ぐっちょ・テル・ひろみ・まきさん

4.参加者数: 会員20名、一般1名、担当者4名  [合計25名]

5.プログラム概要

<目的>
◆ワークショップにおける「問い」をデザインする力を高める

<目標>
◆ワークショップにおける「問いのデザイン」の手順を理解できている
◆(1) 定例会で投げかける「問い」が「問いのデザイン」で学んだことが活かされている
 (2) ワークショップをデザインする力を高める練習にふさわしいプログラムができている

<進行>
 1.オープニング(開会挨拶、もやしのお約束)
 2.ミニレクチャーⅠ「ワークショップの定義」
 3.ワークⅠ(自己紹介)
 4.ミニレクチャーⅡ「手順(1)経験に分割」
 5.ワークⅡ
 6.ミニレクチャーⅢ「手順(2)問いのセット」
 7.ワークⅢ
 8.ミニレクチャーⅣ「手順(3)足場の問い」
 9.ワークⅣ
10.全体共有
11.ふりかえりタイム
12.クロージング

<告知文>
担当のまきさんです。先日受けたオンラインワークショップで、ファシリテーターが発した問いに対して、参加者からのチャットが滝のように流れた光景を目にしました。「問いのデザイン」の著者である安斎勇樹さんの問いでした。皆さんも、そんな、参加者の話し合いに火をつける問いを作りたいと思いませんか?
そこで「問いのデザイン」シリーズ第3弾として、今回は、「ワークショップにおける問いのデザイン」を取り上げ、基本的な手順を理解することを目指した定例会を企画しました。
ワークショップにおける「問いのデザイン」のキ・ホ・ンを学びたい方のご参加をお待ちしております。もちろん、「問い」はファシリテーションにおけるもっとも重要なスキルのひとつです。例えば、話し合いの場でアイデア出しをする時や、参加者からホンネを引き出す時などにも役立ちます。

参考図書:安斎勇樹・塩瀬隆之著「問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション」(学芸出版社発行)

6. 参加者コメント

<良かったこと、役立ったこと>
・実践することで、『問いのデザイン』について理解が深まり、実践のヒントになった
・進行中に、改善提案がでたりして、リアル感があったのが良かった
・書籍で読んで具体的にわからなかった部分の理解が深まりました。
・同じ議題を一緒に話したり、ゴールまでまとめていく経験ができました。
・はじめての参加でしたが、安心して参加することができました。
・限られた時間の中で達成感を味わえ、明日からガンバローと思えました。ありがとうございました。
・難しいテーマでしたが,今日のワークをきっかけにもっと学んでみようと思えました。
・何からもどんなことからも学ぶことができる
・途中でプログラムを変更して、タイムマネジメントされたこと。
・書籍「問いのデザイン」を一人で読んでいたが、ワークをつうじて理解が深まりました。ありがとうございました!
・問いの立て方に対する考え方を深めることができた。グループワークがメンバーに助けられスムーズにできて有意義な議論ができた。全体進行もよく準備され、頑張っていたと思う。
・具体・抽象を行き来する問いを考えるということ。問いに関するWSで問いをデザインされて実際に本日開催してくださったこと感謝申し上げます。
・ワークの流れは、具体的に何をしたらよいのか少し戸惑った部分もありましたが、問いのデザインの手順については、スプレッドシートにうまくまとめていただいて、今後も使えると思いました。ありがとうございました。
・一緒のグループになった人達のファシリテーション能力が高くて、勉強になったし、ワークも有意義なものになりました。また、ワークが多かったので理解の助けになりました。
・初めての参加で緊張していましたがグループの方々に大変助けていただき感謝しています。自分の考えがまとまらず表現できなくても上手く導いておかげで発言出来ました。ファシリテーションとは、「○○をしやすくすること」「促す」のお手本をみせて頂きました。ありがとうございました。
・内容:難しいと思ったことと、どういったシーンで行うWSなのか事例も気になったことがあります。ある意味筋トレになりましたし、問いからデザインを組み立てていくことや問いの基礎力にはつながると思いました。
 運営:すごく準備が大変だったと思います。また、当日運営も役割分担、スタッフ数などすごいと思いました。(参考になりました)
 ファシリテーター:みなさん慣れてらっしゃる(参加者も)と思いました。同じファシリテーターとして学び深くて、こことよかったです。

<改善が望ましいこと>
・ワークがわかりにくかったです。(・・・が、そこも含めて学びになりました)
・オンラインなので全体共有の場がもっとあった方が良かったかもしれないと思いました。
・この本に書いてあることは腹落ちする部分が多いけれど、これをそのままなぞろうとしても難しいと感じました。その裏に流れている考え方ひとつをとって、そこを膨らませる方がやりやすそうです。
・研鑽テーマということでは、・・・これもあり?としたいです。
・全体進行について、進行側が本の内容について消化不良のまま出してしまった感がありました。書かれていることをそのまま紹介するよりも、自分たちにはどう役に立ったか、自分の現場に置き換えるとどうか、という感じでプレゼンテーションしてくれると、より入ってきやすいかなと思いました。あと、この本一冊、深く広いので、的を絞って何回かに分けてもいいぐらいかなと思いました。
・ワークが分かりにくかったです。(何をすればいいのか分かりにくい人もいたため。)

7. 定例会担当によるふりかえり

「問いのデザイン」は、ファシリテーターとしてもっとも重要なスキルのひとつであるとの思いから、今回、「問いのデザイン」シリーズの実質、第3弾として定例会を企画しました。
参考書籍をもとにどのようにすれば「ミニレクチャー→ワーク→ふりかえり」のサイクルをまわし、目的・目標に近づくのか?を定例会開始ギリギリまで定例会担当で検討しました。
結果は、アンケートにもあるとおり、とくにワークが「わかりにくい」ものとなってしまいました。
定例会担当内でふりかえった際、
①参考書籍がある場合、原則、忠実に行なうこと
②ワークの内容などは、ある程度、絞った方が参加者にとってわかりやすくなること
③前提などの情報があれば、過不足なく参加者へ伝えること
などを気づきとして得ることができました。
今後、これらのことを活かして参ります。
参加者の皆さま、ありがとうございます。(いっちゃん)

今回は問いのデザインを参考にした定例会3回目で初回からすると5月スタートの打合せからのべ11か月ほぼほぼライフワークになりそうな感じで進んでいきました。今回の内容は過去2回のパートに比べてハードルが高かったが、資料を作成する中で参考書籍の内容をなんとか理解できたつもりになっていた。しかし参加者からの質問にうまく答えることが出来なかったことで深い理解が出来ていなかったことがわかった。あらかじめQ&Aを準備する思慮が足りなかった。次は改善したい。その後中継ぎのひろみさんと真打のいっちゃんがうまくやってくれて無事終えられたのはありがたかった。
今回もコンテンツはもちろん作り上げていくプロセスで得たものは多く、考えてしりごみするより前向きに手を挙げることが自然とできるようになれた。(まきさん)

今回は8月、10月の続き、第3弾として、書籍「問いのデザイン」の第4章2「ワークショップの問いをデザインする」に絞り、進めて来ました。定例会直前までチームで議論し、創り上げました。今回、新メンバーにテルさんが加わられ、色々な視点で頂いた発言がとても刺激になり、チームミーティングが活性化されたと感じております。
また、当日は3名で連携しながらの進行となり、中間のパートを担当させて頂き、書籍を何度も読み返し、理解を深めていきながら資料作りを行いました。しかし、十分ではなく、進めながら自身の間違いに気づくというアクシデントがありましたが、参加くださった方が温かく、助けてくださいました。研修であれば、失敗になりますが、みんなで考える定例会ができたのでは?と感謝しております。今回も書籍を参考に進めることの難しさと面白さを感じ、たくさんの気付きや学びを得ることができました。ありがとうございました。(ひろみ)

今回、初めて日本ファシリテーション協会主催定例会の企画側として携わらせていただきました。協会への参加からまだまだ右も左もわからぬ状態であったにも関わらず、共催いただきました方々より何度もサポートを賜れたことで最後までやり遂げられたことと思います。
また、本定例会にとりあげました書籍「問いのデザイン」自体につきましては以前より目を通してはおりましたが、チーム内にて満を辞して書を温め、視点を共有し合う中にてたくさんの気付きを得られました。特に、会を企画するにあたり実際の諸プロセスの中では、まさに「問いのデザイン」においても語られるファシリテーターの研鑽を、恐れ多くも私自身が実際に体験させていただきました。その他、チームにて企画を行うことでの提供価値の大きさを理解した感覚も残ります。過去の私は、今回の定例会のような学習の伴う企画に臨む場合、基本的には私一人にて企画、進行、テクニカル等を担っておりました。このような経緯を持ちつつ携わらせていただきました今回、過去の自分と今回の定例会企画の一連とを比べながら振り返りましたところ、チームで行うことで、それぞれが異なる視点を持ち、異なる視点が交差する。そして、多様な視点をもって企画を磨くことで、他者へ促す学びを深め、自らも学びを深めることを体験的に学習することができました。
一方で、反省点も残りました。特に、参加者の方々への説明にあたり、表現の不十分さがチーム全体の改善点として挙がりました。こちらにつきましては、チーム内にて振り返りました際、書籍の内容を正確にそのままお伝えすることで改善が望めるのではないかという、一つの結論に達しました。一方で、私個人につきましては、正確な伝達と同時に、意味を外すことなく内容を簡易的に伝達することも課題として残りました。定例会当日の私は、当日欠席者の発生に伴い臨時的にグループワーク参加者としても臨みました。その際、他の方々もご記載されております通り、ミニレクチャーへの理解が難しかったとのご相談をいただきました。そこで私はワークの開始時に、グループメンバーの方々へ補足の説明を行いました。説明はミニレクチャーよりもさらに簡略化、要約化した言葉にて行いました。また同時に、ワークの中にて都度フォローする形にて理解の方向調整をはかりました。結果としてはグループメンバーの方々は一定の気付き、体感的な理解をお持ち帰りいただけたご様子ではありました。一方で、こうした理解が書籍「問いのデザイン」の指すものを捉えていたかどうかにつきましては不安が残ります。もしかすると、本来目指す概念とは若干定義の異なった概念として内面化された可能性もあります。したがって、参加者の方々への説明、特に、正確な表現と簡易的な表現それぞれの洗練が、今後の課題として自覚いたしました。
最後に、以上に記しました反省は残りますものの、未熟者の私が参加したにも関わらずチームの皆様より何度もサポートいただき、毎回の打ち合わせの際には私も円滑に参加できるようファシリテートいただきましたお陰様にて、最後まで楽しく携わらせていただけました。
定例会へご参加いただきました方々、暖かく見守り、時にはフォローをくださいました方々、そしていつも円滑に企画を進行いただきましたチームの方々、この度は最後まで充実した一連のひとときを、ありがとうございました。(テル)

仕事のトラブルで当日含め、最後の準備のところが参加できなかったのですが、それなくしても今回もたくさんの学びがありました。
まず、書籍の理解は大きく深まります。その上で、自分だったらこう表現するというような意見も持てるようになりました。定例会で展開するにはボリュームが大きいので、要点をつかんで伝える工夫もするようにもなります。やはり担当となることのメリットは大きいです。
以下は、当日、参加しなかった者としての感想です。
今回アクシデントがあった経験のプロセスのところは、定例会の枠としては長すぎる部分を省略した形になっていたかと思います。これ自体は、私が提案したと記憶してます。そして書籍をよく読まれた方にとっては、「あれっ」となることは予想できたところでしたが、そこを説明するプロセスが足りなかったのかもしれないと反省しております。また私はこれを言った後から、担当者の打合せに参加できなくなっていたので、そこは最後まで補足するか、もう一度、残りのメンバーで検討してもらうよう働きかけるようなやり取りが必要でした。
テルさんが入ったグループでは、解説を加えることでうまく消化できてそうだったので、やはり、リスクを予想し、それに備えることが大事だと感じました。(ぐっちょ)