■日 時:2012年3月17日(土) 13:00〜17:30
■場 所:東桜会館 第2会議室
■参加者:35名(会員33名、非会員2名)
■担 当:香取一昭(FAJフェロー)、榊原章光、林加代子(中部支部)
■テーマ:フューチャーサーチをやってみよう〜踏み出す一歩〜
【担当者からのメッセージ】
ホールシステム・アプローチと呼ばれる方法の中に、企業、コミュニティなどで活用されている「フューチャーサーチ」があります。
ステークホルダーが一堂に会して話し合い、アクションプランまでつくってしまうというものです。本来は2泊3日で行われるものだそうです...
となると、大事なのはテーマ設定やステークホルダーの選定、対象とするシステムなど企画の段階ですよね。
今回は、すっごい挑戦します。
具体的なアクティビティだけでなく、企画の段階についても考えてみたいと思っています。
これができれば、もう成功したも同然!といえるくらいなのでは???
【ねらい】
・ フューチャーサーチを行う企画の段階を経験する
・ フューチャーサーチのアクティビティを体験する
【プロセス】
1.チェックイン
たくさんある絵ハガキの中から「あなたにとって理想的なファシリテーターのイメージは?」の問いかけに近い絵ハガキをそれぞれ選ぶ。
2人ひと組になり、その絵ハガキを選んだ理由を紹介し合い、その後は相手を代えながら同様に紹介し合い数分間の一時を過ごす。
2.概要説明
ホールシステム・アプローチ、フューチャーサーチ※についての概要の説明。
※「特定の課題に関連するすべてのステークホルダー(利害関係者)が参加して、過去、現在、および未来の様々な視点からダイアログを行い、参加者全員が合意できる共通の価値(コモングランド)を見出し、将来のビジョンを描き、それを実現するための行動計画と実行チームを編成するプロセス」
3.グループワーク1:候補を考える
各グループでフューチャーサーチで話し合いたいテーマをひとつ候補として作る。
(テーマ、対象とするシステム※、タイムフレーム(何年間)を記入する)
※共通の目的に向かって、共に取り組んでいる、機関、コミュニティ、組織または、人々のグループをいう。
4.全体ワーク
6グループからのテーマ候補を発表し、多重投票する。
テーマは「昇竜道と共に活きる20年後の中部」~昇竜道沿道地域の観光開発~
に決まり、システムはグレーター中部の観光開発に関わる人々、タイムフレームは20年間となった。
5.グループワーク2:ステークホルダーの選定をする。
4.のテーマから、考えられるステークホルダーを洗い出し、8つのステークホルダーグループを考える。
発表。
6.タイムライン
4、のテーマから、過去20年間の出来事を、グローバル、ローカル、パーソナルに分かれて模造紙に書き込む。
2グループずつで1テーマ(例、グルーバル)を見て、何が読み取れるかを話し合う。
全体で共有する。
7.質疑応答
Qタイムラインのそれぞれの内容はテーマに即したものを記載するものですか。
Aそのとおりです。
Qタイムラインの内容を読み取るときは、現状分析でよいのですか。他のグループは未来も話をしていましたが。
Aそのとおりです。ただ、未来については話してもらってもかまわないと思います。未来については後ほど話し合うことになりますが。
【担当者の感想】
・ 様々な立場や利害関係にある人々が一堂に集まって、共通の想いを探り当て、具体的なアクションに結びつけようとするのがフューチャーサーチです。
今回の定例会では企画段階で検討すべきことについても疑似体験していただき、フューチャーサーチの可能性をよりリアルにご感じていただけたのではないかと思います。
今回のセッションが契機となって、コミュニティや組織の未来について真剣に考え、具体的な行動に結びつけていきたいとお考えの方々との具体的なプロジェクトに繋がればと念じています。
・ 企画の段階に取り組んで、テーマの設定の仕方も熟慮が必要なこと、ステークホルダーについては何度も掘り下げて考えることが必要なのだと思いました。また、ステークホルダーを考える際には随分と頭を使ったなぁと思いました。
タイムラインでは、なかなか20年前の出来事を思い出すことができませんでした。もっと思い出せば、読み取れることもたくさんあったのかなと思いました。
読み取る作業では、頭を使いましたが、だんだんと自分のこと、ローカルのことが客観的に、俯瞰してみることができたことが気づきの一つでした。
・ 担当者としては、フューチャーサーチを行う企画の段階を経験するとフューチャーサーチのアクティビティを体験するというふたつのねらいは、余裕をもって達成できたと満足しております。ベーシックなファシリテーションを体験したかった人には、少しご不満な点が出たかもしれません。申し訳ありません。また、グループ分けをするといいながら、そのままのグループで定例会を進めしてしまい重ねてお詫びします。(榊原)