ファシリテーションとのかけあわせを考察するにあたっては、学習科学のなかでも、
その理論的支柱のうちの一つである、ウェンガーの「状況的学習論」を今回のテーマにします。
「状況的学習論」は、たとえばこう考察しています。
・学習は、教育とは独立の、学習者自身の営みであり、かつ、共同体で行為化される社会的実践の一部である
・学習とは「参加」である。参加しアイデンティティを形成していく過程である
・学習をコントロールするのは実践へのアクセスである
いっぽうこうも批判しています。
・徒弟制的技能は、「観察と模倣」によって学ぶことはできない
・知識は実践共同体の内部にあるため、容易には応用転移できない
・ひとたび「教える/教えられる」の関係が構築されると、その関係性の維持自体が実践化される
わたしたちファシリテーターは、このような視座からどんな実践を援用することができるでしょうか?
今そこにある目の前の"実践共同体"(これは、「状況的学習論」の重要な概念のひとつです)と向きあい、
その成員の、学習者としての"参加性"を高め、"実践"を円熟化させていく。
会議もワークショップもプロジェクトもこの文脈にある。
この位置取りからの"ファシリテーション"を志向するなら、
そこでは、どんな行為がデザインされるでしょうか?
学習科学からファシリテーションに援用できそうな知見をお示ししつつ、
その場にいる者をすべて参加者(=学習者)と捉えた対話的なプログラムで、
ファシリテーションについて探究します。
ふるって、"参加"をお願いします。みんなで探求しましょう。
こんな至言とともに当日を過ごしたいと思います。
「すべての人は、変化しつつある将来に対して、「新参者」である」(ウェンガー)
■話題提供者:田坂 逸朗(FAJ会員)
■日時:2021年10月16日(土) 13:30~17:00(オンライン開催)
■定員:30名(先着順) FAJ会員限定(無料)
■申込締切: 10月14日(木)
定員になり次第、締め切りますので お申し込みはお早めに!
■お知らせ
・申込の方には、前日までにZoomのURLをお送りします。
・URLが届かない場合は、迷惑メールに保留になっていないか確認の上、
「中国支部 お問い合わせ」にご連絡をお願いします。
・Zoomはチャットやブレイクアウトルームを中心とした一般的な活用です。
心配な方は簡単な説明会(12:30~10分程度)を行います。参加申込時に希望ください。
・その他定例会に関するお問い合わせは「お問い合わせフォーム」へお願いします。
残りは16となります。
以上