事業内容 | 調査研究:中国支部 2021年10月度定例会 | |
テーマ | 学習科学とファシリテーション | |
開催日 | 2021年10月16日(土) | |
会 場 | オンライン | |
講師・ファシリテーター | たさか(FAJ会員) | 1名 |
企画運営担当 | むーた、めぐりん、おかむん | 3名 |
参加者数(会員) | 25名 | 名 |
一般・見学者数 | 0名 | 名 |
テーマ詳細 プログラム内容 担当者振り返り 参加者コメント など |
【概要】 「学習科学」とは、「認知科学研究を基盤に、学習過程を「学習者」中心に解明しようとする学問分野」で、1990年代以降に形成された新しい学問で、発展途上の研究分野です。 学習科学からファシリテーションに援用できそうな知見をかけあわせつつ、その場にいる者をすべて参加者(=学習者)と捉える学習科学の視座からファシリテーションについて研究する定例会です。 |
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【プログラム】 ● 趣旨説明とテクニカルガイド ● 冒頭言:きょうのプログラム~研究会としての定例会・初心者などいない 『状況に埋め込まれた学習』の佐伯のまとめ6点のサマリー いくつか、前振りとして。 ● とりあえずセッション(ブレイクアウトⅠ) グループへのチェックイン:前振りについて思うところ ● 話題提供Ⅰ:学問領域としての認知科学、学習科学、相互行為 ● 自由選択セッション(ブレイクアウトⅡ)・OST的に ● 話題提供Ⅱ:正統的周辺参加論 ● 自由選択セッション(ブレイクアウトⅢ)・OST的に ● 帰還セッション(ブレイクアウトⅣ)・グループへの帰還 グループでの体験の相互共有 ● 全体共有(メインルーム) |
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【参加者の声】 ●「研修ファシリテーター」的な仕事をしていますが、おかげさまで常々???と感じていたことに対して、道筋が見えてきました。これを機会に、これからも「学習科学とファシリテーション」について学び続け、研修先と自身の成長につなげたいと願います。 ●濃厚な時間を共有させていただき、ありがとうございました。 私からの「同調圧力への向き合い方が裏テーマではないかと感じていた」主旨の発言を、田坂さんが拾っていただき、参考図書別の解説までいただいたことに素直に感動しています。 個人的には、この有形無形の同調圧力を一番感じ取れるのが「新参者」であり、圧力調整弁になり得るのがファシリテーターであってほしいと願っているところです。 ●関係性の切り口で話を聞いた。関係性をよくするには暗黙知(個人お気づきやこだわり)の見える化が有効かもしれない、実践します。 ●「語ること」をキーワードに話を聞いていた。地位が違っていてもそこから学ぶことが大切、だからこそ学べることが多いと感じた。Fするときその場を作ることを考えます。 ●非参加について考えさせられた。ネガティブに感じていた。自分が周りに参加してほしい思う地点で自分中心になっている。そうでない思考になれるかも。 |
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【運営担当振り返り】 ●今回は「調査研究」を強く意識して、参加者が自ら考えを深めていくプログラムでした。 そのために、予見を与えるような準備を避けることで進められましたが、通常の定例会と比して即時性が高くなり、運営側としては緊張度が高くなる展開でした。 「その場OST」などの際にロス時間が発生しないように対応などは厳しかったですが、参加者は自分が話したいテーマにスムーズに入り、濃密な時間を過ごすことができたようです。 ●Zoom会場のアドレスが着実に伝わるような試行、定例会終了後に希望者にテキストを送付する試行なども行いましたが、無事に進めることができ、運用上の課題も改善できたと考えられます。 ●学習科学とファシリテーションという新しいコラボで、参加者の興味を惹く内容だったと考えられます。 ●田坂さんの熱い丁寧な解説とともに、参加者の盛り上がりもあって、終始話が途切れなかった。 ●MFから配信される言葉のシャワーの中から、各々が感じたキーワードをを捕まえて繋げて対話していくシンプルで興味深い時間でした。その分とても流動的となり熟練者がテクニカル担当することにより成立したしびれる経験でした。 |
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【話題提供者振り返り】 ●「ファシリテーション」が直接研究されている分野ではない学問領域とファシリテーションのかけあわせを志向できた点が、なによりでした。なしたことは3つあります。ひとつは、学習科学(とくに状況的学習論)をファシリテーションの視点からその要点を見直すことができたということ。次に、それを、参加者と共にゼロベースで考察できたこと。さらには、ZOOM上可能な範囲で、オンラインOSTのガイディングが試行できたこと、の3つです。 ●そして、参加者に、状況的学習論やWengerを学習した経験のある方が、少なからずいらっしゃったことは、このかけあわせが、けっして間違っていなかったことの証左に思えました。成果としての、「学習科学を援用したファシリテーション」としては、1)「語りから学ぶ」を促進するファシリテーター 2)参加と非参加、常に逆の項を考えておくファシリテーター 3)関係性を重視し不可視化も置いておくファシリテーション 4)新参者と共にあるファシリテーター、といった点は秀逸です。 ●とくに、チェックアウトにあった、「非参加のアイデンティティ」の概念に触れ、「参加してほしいという期待は実は、自分中心の発想」ということに気づいた」とあった参加者の発言には、これからの研究課題にしたいくらいの本質性を感じました。研究的定例会、また企画します。 |