中国支部 2023年4月度定例会レポート中国支部

テーマ 想像&創造してみよう!未来のまち・未来の暮らし
(パワーアップ第2弾 会場にてリアル開催!)
~SFプロトタイピングで広げるまちづくり~
開催日 2023年4月15日(土)  
会 場 エソール広島・研修室  
話題提供者 科学技術の社会実装チーム(いしかわ・ゆこ・てんこ・きむ・せら:FAJ会員5名) 5名
運営担当 むーた@向山、めぐりん@栗原、はこ@箱崎、いとやん@糸谷 4名
参加者数(会員) 7名
一般・見学者数 2名
概要 (告知文) 想像と創造の力を駆使したアイデア出しで、社会の在り方などを深掘りする「SFプロトタイピング」の手法を使った画期的なまちづくりのワークを広島の会場で対面開催します。
SFの未来社会からさかのぼって思考を広げる「ひろしまのまちづくり」に参加しませんか?
※このワークは、概念の枠を外して発想を広げるために、グループ内の対話をスピーディに進めます。
思いつくままに「質より量」で言葉を引き出すための問いや介入が行われます。
「いつもと違うまちづくりの対話」を促すファシリテーションを、ぜひ体験してください。
プログラム概要 13:10 定例会挨拶
13:15 ミニレク(SFプロトタイピングとは?)
13:25 ワーク0(自己紹介_自分をひと言で言うと/SFと言えば)
13:35 ワーク1(「まちにあるもの」を出してみよう)
13:45 ミニレク&グループワーク(出た言葉を組み合わせ「おかしな未来」作り)
14:00 グループワーク(出された言葉から「突飛な言葉:まちのモノ」を選択)
14:10 ワーク2(ことばの世界観を広げる:まちのモノの具体イメージ化)
14:20 休憩
14:40 ワーク3(キャラクターつくり:モノを使う人をイメージする)
14:55 グループワーク(寸劇のためのストーリーつくり:各グループで適宜休憩)
15:40 ワーク4(グループ発表:寸劇)
16:00 休憩
16:10 ワーク5(バックキャスティング:未来年表作り)
16:30 ワーク6(今から10年以内のニュースを考える:グループ内で内容共有)
16:45 クロージング

・先回、2月の企画を大幅に変更し、かつオンラインではなく対面での開催に漕ぎつけた。前回は「まちづくりに向けたアイデア出し」に至らなかったわけですが、今回は多少とも「まちづくり」に近いアイデアを出す展開に持ち込むことができました。
・未来への発想を拡げる意図で、ワークは制約条件をあまり設けない構成とした。4〜5名程度のチームで自由な討議ができた一方で、討議したい対象物の共通認識がチーム内でも構築しずらい様子が見受けられた。
今回はFAJの定例会で参加者の属性もある程度揃っており討議スキルも高かったため、そのような状態でもアウトプットが出たと推測される。より多様性のある参加者を想定したワークでは、どのような制約条件を与えていくか検討の余地があることが見出せた。
・「SFプロトタイピングを広く"まちづくり"に利用できるようにしていく」という観点では、まだ道半ばという部分があります。ワーク自体の時間が不足しているのかも知れません。
参加者意見
(アンケート結果)
・SFプロトタイピングが経験できてたいへんありがたかったです。
・個人では、アイデアを沢山出すことが難しかったが、メンバーが多いとアイデアが沢山でたことが良かった。
・ずっと先の未来はなかなか想像が難しいが、自由に話しあうことができて楽しかった
・新しい経験でした。ありがとうございました。
・今日は、有難うございました。どんな未来が待っているのか、ワクワクしたワークでした。
・SFが望ましい状態とは限らない。それをバックキャスティングするのはしんどかった。
・五十年先の未来は長いような気がした。特にドッグイヤー的な近年だと五十年先は想像がつかなかった。
・想像が、乏しく頭が硬くなっていると感じました

・寸劇で、皆さんの演技が良く、内容も面白かったです。
・話しやすい雰囲気の中、のびのびできた。
・ストレスなくワークが出来ました。ありがとうございます!
・ファシリテーターは重要だと思いました
運営担当振り返り <話題提供者振り返り>
・過去オンラインで実施してきたものを、初めて対面で実施することになった。直接会って会話できるよさが味わえた一方、対面の方が実施に手間と時間がかかり、参加者の集中力が逸れることも多い。
寸劇を演じるワークは、盛り上がり、参加者にも達成感があったと思う。
参加者のプログラムの進行内容(各ワークの目的とつながり)の理解度がいまひとつだったような気がするので、今後の実施に向けた課題が得られた。
・今回のワークは、未来における多様な可能性を検討するワークであり、そのためにできるだけ多くのアイデアを出し合うものであった。
 テーブル内で意見の完全一致を必ずしも必要としないものの、ネーミングをひとつに絞り、寸劇という具体的なアウトプットとしてまとめる必要があり、「発散」⇒「構造化」⇒「合意」の小さなループが繰り返されている。このため、テーブルファシリテーターは各ワークの中でループを作り、空想を広げて凝り固まった思考をほぐし言葉を引き出す発散と、個々の意見を拾っては次の発散につなげる構造化と、アウトプットとしてまとめる合意の流れを意識し、テンポよく進行と軌道修正を繰り返す必要がある。
 オンラインと比べると対面ワークのほうが、参加者の属性に引きずられ、この流れを作りづらいように見えた。対面での共同作業や寸劇発表という形で参加に対する達成感は強く感じるかもしれないが、成果のクオリティを上げるには各テーブルに対するファシリテーション(介入)のクオリティを高めるとともに、「発散」⇒「構造化」⇒「合意」の前段階である「場の設定」としての、ゴール設定(望ましいまちの未来)の掲示と合意を強化する必要を感じた。

<担当振り返り>
・中国新聞の文化欄に今回の定例会内容を記事掲載して頂き、集客に大きく期待をしていました。これまでの対面型定例会では10名程度の参加者があり、今回も同様に期待をしたのですが、効果が極めて薄く(1,2名)残念でした。「学び」等の表現だと多くの方の関心を呼ぶのですが「アイデア出し経験」等では引き付けることが難しかったようです。
・各グループを「参加者2名/ファシリテーター・補助役2名」で配分しましたが、多くのワークはフセン等に書いて頂くワークとなりました。参加者の多くがFAJ会員であったことも影響したのか、抵抗も少なく多くの意見発散ができたように思えます。「各テーブルに経験度の高いファシリテーターを配置する」というやり方をしなくても、一定レベルのワークを進めることはできる見込みがついたと思われます。
・「参加者の理解・行動の促進」という意味で、「一日の全体進行予定」と共に「今やるワークの目的と実施内容」を見える化することが重要である。

・SFプロトタイピングは自治体や企業にとって先進的で価値ある取り組みと認識している。遠路多くのスタッフが来広され、いち早く広島でリアルの定例会を開催していただき感謝の気持ちでいっぱいである。しかしながら、先進的過ぎたのか、広島ではSFプロトタイピングの知名度自体がまだまだ低く、そのために会員外の参加人数が少なかったと考えられ、残念でならない。
 ・ワードをつなぎ合わせる手法は、現状を延長して考える傾向を弱め、不連続な未来を想像するには適していると思うが、主題から外れやすい傾向もあるように思えた。一般のまちづくりのWSを開催する場合には、何らかの工夫が必要と思える。
・検討結果を寸劇で表すことは初めての経験であったが、説明文・セリフの議論を通じて、グループ内でのコンセプトの理解が、楽しくかつ深くなることが実感できた。
報告作成者 むーた@向山  
報告日 2023年4月25日(火)  
その他特記事項