事業内容 | 中国支部 2023年5月度定例会 | |
テーマ | 行動変容フレームワークを学ぶ ~ポジティブ心理学の手法を使ってフレームワークを体験する~ |
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開催日 | 2023年5月20日(土) | |
会 場 | オンライン(Zoom) | |
話題提供者 | おかむん@岡村 | 1名 |
運営担当 | その@久澄 きよちゃん@細本 めぐりん@前原 | 3名 |
参加者数(会員) | 20名 | |
一般・見学者数 | 2名 | |
概要 (告知文) | 【背景】 健康教育やヘルスプロモーションによる行動変容は最重要課題の一つである。 しかしながら、これらの戦略をもってしても、行動変容が難しい場合があります。 本研究では、個人および組織に対する介入技法の開発およびポジティブ要因と 心身機能の解明を行うことを目的とする。 ポジティブ心理学というのは、心理学の世界に20年ほど前に起こった比較的新しい 分野です。人間の悪い状態ではなく、主によい状態を科学的に研究、人間機能 のポジティブな面やフラリッシングについての研究である。 こういったテーマを、代表サンプル、高度な分析法、対照実験などの科学的 手法を使って研究したのがポジティブ心理学です。それまでの、信念、直 感、意味づけ、理論が到達できなかった洞察に、科学の手を伸ばした。ポジティブ 心理学とコーチング心理学が結びついたのはごく自然な成り行きと言える。 どちらも個人やグループの成功を助け、より満足度の高い人生を送れるようにする ことが目的です。 「よい生き方とはどのような生き方か?」 「人が充実した活動を行なうことのできる組織や社会の条件とは?」 といったテーマは、ポジティブ心理学が創設される以前より長らく探究の対象とさ れてきたテーマであった。 ポジティブ心理学ではそうしたテーマに対して、ポジティブ心理学独自のフレーム ワークから改めて光を当てるのと同時に、先行の諸学問分野による多角的研究と有 機的に結びつきながら、研究課題としてさらに考察を深めていく最中である。現 在、幅広く学問的に開かれており、年々論文の数が増えてきています。 しかしながら、日本において、短期間で行動変容を引き起こす介入方法は未だに 少なく、科学的に評価されているかというと、まだそのレベルには達していませ ん。そこで、新しい介入方法の体験とポジティブ要因との関連性を調べることにす る。 【期待できる効果】 短期間で悩みやストレスについて、ポジティブに捉えることができ、行動変容シ ステムを起こすことができる。 ポジティブ要因が何かについて分析をすることによって、行動変容が起こせる人の 特徴を洗い出し、どのような介入方法が効果あるのかを明らかにすることができ る。 |
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プログラム概要 | 12:30〜12:50 MIRO使い方 13:00〜オリエンテーション 13:10〜グループ内においての自己紹介(ブレイクアウト) 13:20〜アンケート回答 13:40〜13:50 休憩1 13:50〜PPTを用いて解説 14:20〜14:30 休憩2 14:30〜フレームワークの使い方説明 14:35〜フレームワーク1(ブレイクアウト) 14:55〜15:05 休憩3 15:05〜グループ分け(ブレイクアウト) 15:20〜フレームワーク2(ブレイクアウト) 15:30〜フレームワーク2−2(ブレイクアウト) 16:05〜フレームワーク3 16:20:アンケート回答 16:55〜クロージング |
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参加者の感想 | ・グループでフォローしあう中で新しいアイデアが生まれたりモチベーションが上がることが分かりました。漠然とうまくいかないことにもやもやするのではなく、改善策を冷静に考えることが大切だと感じました。 ・新たなフレームワークを教えていただきました。これ使えます。早速チームビルディングでやってみようと思います。 ・自分自身のことであっても、自分一人だけで考えて、行動に移すのは難しいことだと改めて感じた。ワークを通して、考えが進み、行動に移せそうな案が出てきた。 ・不安を関係ない第三者に聞いてもらうこととで、若干気が晴れました。 ・心理面との関係性についてまだシックリきていません。。。 ・フレームワークによる進め方について理解が進んだ。Miroの操作に慣れなくて、そちらに力をそがれたところがある。 |
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研究結果 | 方法:対象者は、FAJ内外の参加者20名(年齢平均56.1±10.3歳)であった。また、有効回答は18名(90%)とした。ワークショップの開催前と後にアンケートを回答してもらった。使用尺度は、フェイスシート(性別・年齢など)、感情の様子を図る、ポジティブ経験・ネガティブ経験尺度(Scale of Positive and Negative Experience:SPANE)、目標の設定や目標に対する行動について、どの程度、適切に実行可能か測定するために、目標行動スキル尺度(Goal-Behavior Enhancement Skill Test:G-BEST) を用いた。 結果:ノンパラメトリック検定(Mann-Whitney U test)で解析を行なった。SPANEの結果、ポジティブ感情がワークショップ前よりも後の方が高く(p<.01)、ネガティブ感情が前よりも後の方が低かった(p<.001)。G-BESTの結果、目標設定スキルが前よりも後の方が高く(p<.001)、問題解決スキルが前よりも後の方が高く(p<.001)、目標への失敗傾向が前よりも後の方が低かった(p<.05)。しかしながら、目標への挑戦性や自己価値観の反映、情報収集スキル、認知の柔軟性は統計的な差はみられなかった。 結論:フレームワークを体験することにより、ポジティブ感情が高くなり、またネガティブ感情が低下していることが示唆された。フレームワークに組み込んであった、メソッドから、目標設定を明確化することや、具体的な行動案を最後に出すことで、問題解決スキルが上がること、モチベーションが高く、取りかかりやすいことを優先するという選択をすることで、目標への失敗傾向が減ったと思われる。今後の方針としては、専門家との1:1でフレームワークを行うこと、心理的尺度の見直し、組織における振り返りなどに用いて、科学的に検証していきたい。 研究結果はここ |
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運営担当振り返り | ・MIROの使い方に苦労する場面が多くあったが、参加者同士でサポートしてもらうことで結果として関係性ができ安心の場となった ・それを可能とするMFの進め方、あり方に学ぶことが多かった。FAJメンバーがいることの背景はあると思う。 ・自己研究への協働研修という縦軸に、フレームワーク、ポジティブ心理学、ミロ体験、チームビルディング、FAJ体験など参加者の関心どころにより多彩な気付きがあった。定例会のひとつのあり方としてモデルと感じた。 ・いろんな角度から意見を出し合って、行動案を決めていくことができたように思う。 |
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報告作成者 | 岡村祐一 久澄園子 細本清子 | |
報告日 | 2023年6月14日 |