【第41回広島スクエア例会】2009-04-18(土):「世界的な不景気の状況と日本の景気対策案をファシリテーションで考える」 〜SSMというツールを使って、良く分からない問題にトライしよう〜中国支部

広島スクエア2009年4月定例会議事録

■日 時:2009年4月18日(土) 13:00〜17:00
■場 所:ペンストンホール
■ファシリテーター:もりちゃん(森平さん)
■サポーター:トキさん(小谷さん)
■担当運営委員:おとうさん(福田)、うっちゃん(山内)
■参加者:28名(会員19名、非会員9名) ※ファシリテータ含む
■テーマ:「世界的な不景気の状況と日本の景気対策案をファシリテーションで考える」
〜SSMというツールを使って、良く分からない問題にトライしよう〜
■目的:
1.一杯問題を抱えた現状を何とかしたい、と思う貴方が改善策を考える手法"SSM"の概要を把握
2.何が問題か自体がもやもやして整理できないまま話し合いに入るときの
ファシリテーションのために"SSM"を体験してみる

■内容

1.目的・目標とスケジュールの説明
・ファシリテーションにおけるSSMの位置づけ
・もりちゃんがどのようにSSMを活用しているか
- ソフトシステム,ハードシステムの違いについて、家作りを例に説明
- 見え方を合わせるのではなく、どう見えているかをはっきりさせる

アイスブレイク(リッチピクチャ)
「現在の身近な景気状況を絵に描いてみよう」
・例として、運営委員が描いたサンプルを用意して、発表
・チーム内で自己紹介と共に、書いた内容を説明した

身近な問題であるが、各々描いた内容が異なるため、チーム内で盛り上がっていた。

2.ミニレクチャー?
SSMの概要と、本日取り組む範囲をもりちゃんより説明された。

[ステージ1]「問題が存在する状況を明確化(リッチピクチャ)」
・現状分析を絵と文字で表現し、モヤモヤとした問題状況を描いてみる

・対立関係が浮き彫りになった際、どのような対処方法があるか?
- ファシリテーターの役割(お互いに説明しあってもらうことで、誤解を無くす)
グランドルール、場づくり

[ステージ2]「問題が存在する状況を表現」
「AとはBがCをするシステム」(Aは表現したい対象、Bは人や組織、Cは目的)

・問題があると感じている仕組み(システム)を、言葉で表現する
・問題を文章で表現し、どのように考えているか・理解しているかを共有する

3.ワーク?「関連システム」
・ファシリテータ、タイムキーパ、書記係、発表者をチーム内で決定
・2つのテーマのうち、どちらかを選択し、関連システムを作成
?ETC1,000円とは、BがCをするシステム
?定額給付金とは、BがCをするシステム

・模造紙に関連システムとなるキーワードを書き出し、しっくりくるよう定義した
- 定額給付金とは、大家族が協力して地デジを買うシステム
- 定額給付金とは、環境に影響を与える(破壊・省エネ)システム
といったシステムが発表された。

4.中間振り返り
SSMのステージ1と2をやってみてどうだったかを振り返った。
・1と2の違いがよくわからなかった
・文法にあてはめることで、意見が出しやすくなった
・自分が関わっている・興味あることに基づいて意見が出るので、
相手の価値観が見えやすくなった


5.ミニレクチャー?
[ステージ3]「根底定義」と「CATWOE分析」
架空の世界で「もしこんなシステムだったらどんな風になるだろう?」と考えてみる

「根底定義」(XYZ定義)
「ZのためYによってXするシステム」(ZはXの目的であり、XはYの手段)
・ステージ2で考えた関連システムを上記の形に表現しなおす
・関連システムで何を行いたいのか、目標は何なのか、どこに向かっていくのか(変換プロセス)を考える
・考える人ごとに視点が異なるため、同じ関連システムでも複数の根底定義が存在する

「CATWOE分析」
「誰が誰のために何を行うのか」、「そのことによる影響度の把握」を表現することで、
変革プロセスの実行に対する評価を行う

C:このシステムで影響を受ける人(customer)
A:このシステムのTを実行する人(actor)
T:このシステムは何をどのように変えるのかという変換プロセス(transformation process)
W:このシステムの前提となる世界観(weltanschauung)
O:このシステムを成り立たせる、またはストップできる立場の人(owner)
E:このシステムが活動する際に避けられない環境的制約(enviromental constrains)

6.ワーク?
・ファシリテータ、タイムキーパ、書記係、発表者をチーム内で決定
・先のワークで作成した関連システムから1つ選び、根底定義とCATWOE分析を行う
・模造紙に関連システムと根底定義・CATWOE分析を書き出し、発表した

私のチームでは、以下のとおりになった。
関連システム:「定額給付金とは、企業が得をするシステム」
根底定義  :「地デジを普及させるために、定額給付金によって普及率UPさせるシステム」
CATWOE分析:
C:国民、テレビを売る人・作る人
A:日本政府
T:アナログからデジタル
W:みんなテレビを見ており、地デジがまだ普及していない
O:日本政府
E:廃棄物・CO2が増加し環境破壊になる。地デジが見れない人との情報格差が生まれる


7.ミニレクチャー?
ステージ3以降の概要について、もりちゃんから紹介された(内容割愛)


8.振り返り
・SSMを体験するのに、なぜETC1000円と定額給付金を問題に取り上げたのか。
これ自体が景気対策の解決策では?

→景気対策を検討すると、個人ごとに様々な案が出て収拾がつかない。
問題の大きさを調整し、全員が理解できるよう、身近なETC1000円や、
定額給付金を問題にした。


9.参加者の感想

・他人との考え方の違いがよく実感できた
・どこに問題があるか職場で共有するのに使えそう
・リッチピクチャを活用して、表に出ていない各々のイメージをあぶり出し、
互いを理解しあう場をつくることはできると思う
・まず自分自身が何かに対してモヤモヤしていることの整理に使ってみたい

・対立する価値観で有効であるという点で、応用範囲が限られると感じた
・XYZ等の言葉が最初理解しにくかった(迷子になりそうだった)
・CATWOE分析のAとOの違いを、もうちょっとレクチャーしてほしかった
・短時間で説明するのは大変なツールだと思う

以上です。