【第83回中国支部定例会】2013-02-23(土):『震災から生まれた防災シュミレーションゲーム”クロスロード”を体感する!!』中国支部

■日時 平成25年 2月23日(土)13:00〜17:00

■テーマ
『震災から生まれた防災シュミレーションゲーム”クロスロード”を体感する!!』
〜あなたならその時どうする。・・・ジレンマのYes?Or No?〜

 「クロスロード」とは、「岐路」、「分かれ道」のこと。
今回体感する防災シュミレーションゲーム”クロスロード”は、阪神・淡路大震災をきっか
けに、ジレンマを共有するために生まれたリスクコミュニケーションツールで、この手法
は、質問に「イエス・ノー」で答えるゲーム形式の中に、ファシリテーションの要素が
たくさん詰まった新しいコミュニケーションツールである。
このクロスロードというツールを用い、決断の分かれ道に頭を悩まし、
いろいろな意見や価値感を共有する。

■ねらい
「価値観の違う相手の考え方を受け止めながらも
実際に起こりうる問題にいざ直面したときに、相手とのその違いに
もやもや感を抱きながらも、自分だったらどう判断するか?を意識する。」

■話題提供者
近藤 吉輝 (クロスロード上級認定ファシリテーター)

■メインファシリテーター
ひさ@木村尚義 、 ばいやん@小林豊治

■場所 広島工業大学 広島校舎

■参加者 26人(会員18人/非会員8人)

■内容
1.アイスブレイク
・自己紹介1
(1)名前 (2) 呼ばれたい名前(3) どこから来たか(4) 最近楽しかった事
・席決め
誕生日順に並び、順番に1〜5のテーブルに分かれる(男女別)
・自己紹介2
住所、名前、誕生月、自分を動物にたとえると

2.役割決め
・進行役→誕生日が今日(2/23)に近い人
・書記 →進行役が指名
・発表役→書記が指名

3.導入
・地震から3日目、避難所の小学校にいる。ふと我が家を見ると燃えてる!なぜなぜ?
・お隣さん「困った 助けて!」と言っています。助ける?→助ける人:9割以上
・みなさんに困った事態が。お隣に「助けて!」と言える?→言える人:1割以下

4.クロスロード説明
・基本ルール
(1)YesかNo、どうしよう (2)決断してY/Nカードを裏向け (3)オープン
多数派 →飴ゲット
1人のみ→ぽたぽた焼きゲット
全員一致→なし(痛みわけ)
・サンプル問題
あなたは女性。共働き、結婚2年目。夫(婿養子)が夜遅くに帰宅。
残業で忙しく、食事がまだらしい。「お腹すいた」と言っている
食事の用意をしていない。冷蔵庫も空。賞味期限が1ヶ月過ぎた
カップラーメンしかない。あなたなら出す?
・グループの名前を決める
・赤/青カードを使って全体の共有
・「クロスノート」にYES/NOの理由を整理

5.クロスロード体験
1問.あなたは食料担当の職員
被災から数時間。避難所には3000人が避難。確保できた食料は2000食。
以降の見通しは、今のところなし。食料を配る?
・YES意見
早いうちにくばりたい。
ルールを決めて分ければよいのでは。
雑炊にする。
・NO意見
不公平になる。
少し状況を見る。
半分だけ配る。

 2問.あなたは援助物資担当課長
援助物資の古着が大量に余ってしまった。庁舎内には保管する場所はない。
倉庫を借りるのも費用がかかる。いっそ焼いてしまう?
・YES意見
作業のじゃまになる。手が掛かる。
必ずしも善意ではない?
分別が大変。
・NO意見
好意を無駄にできない。
有効活用できるのでは?そうじ、暖をとる等。
一部焼く。

 3問.あなたは障害者の家族
大地震から24時間。半壊の自宅よりも避難所が安全だが、多くの人の中で
うまくやっていけるか心配。避難所に行く?
(皆の意見を予想してカードを出す)
・YES意見
安全が第一。
障害にもよるが…
情報が必要になる。
・NO意見
本人がいやがる
理解が得られないと思う
環境の急変が心身に影響を与えるのでは

 4問.あなたは被災地を取材するTVクルー
発災2日目、被災地のコンビニ。たくさんの震災窃盗が確認できる。
高齢の女性にマイクを向けると「見逃して下さい。私も孫も何も食べていないんです。
お金は後で払います。」と泣きながら訴えている。映像を全国に流す?
(皆の意見を予想してカードを出す)
・YES意見
逼迫した現状を伝える必要がある。
報道には真実を伝える責任がある。
流し方にもよる。
・NO意見
プライバシーの問題になるのでは。
万引きは日常でもたくさんある。優先順位を考えるべき。
子供が見たときに影響がある。

6.問題をつくってみよう
あなたは〇〇です・・・身近にある問題を「クロスロード」にして語ろう。

7.ふりかえり
・いろんな意見が出たが、結論としては皆よい方向に行きたいという事がわかった。
・グループ内で意見が合って話しやすかった。
・障害者の話のとき、リアルな話が出て引き込まれた。
・最初まとまっていたチームが、バラバラに。多様な意見が出てよかった。
・モヤモヤしているのは少数派だった→モヤモヤが学びにつながるのでは。