2012年8月度 定例会報告『企画会議をファシリテートしてみよう!』北海道支部

北海道支部2012年8月定例会報告 
『企画会議をファシリテートしてみよう!』
日 時:2012年8月4日(土)13:00〜17:00
場 所:ちえりあ(札幌市生涯学習センター) 中研修室1
話題提供者:もっくん、Tsume、とら、サクラギ、つまぶき、まり
コーディネーター:つまぶき、さくらぎ
参加者:28名(非会員3名)

<開催趣旨>
数々の話し合いの中では、ルールを決めたり、役割を分担したり、ゴールを設定したりしています。その上で、話し合いの枠組みを共有し、アイデアを発散した後、収束し、成果を共有するという一連の「プロセス」に関わって、ファシリテーションをたっぷりと実践してみましょう。数回の話し合いの中で、
「今日は、たっぷりファシリテーションをやったなぁ」という気持ちになれることを目指しています。

<ワークの流れ>
1)オープニング(13:00〜)
・オリエンテーション
まずは、本日の話題提供者の紹介、その後、本日のアウトカムとゴールの紹介がありました。アウトカムは「ファシリテーションをたくさん実践した。」ゴールは「定例会のタイトルとキャッチコピーができている」でした。

2)インタビュー
①ペアインタビュー(13:05〜)
定例会の参加者を知るために、隣の人とペアを組み、テーマは、「あなたは、どうして定例会に来ているのですか?」で、ペアインタビューを行いました。定例会にくる動機は様々で、いろんな意見が出されました。時間よりも早く終わるグループ、話し足りなかったグループとまちまちでした。

②グループインタビュー(13:25〜)
今度はテーブルが同じ人が5、6人集まって、先程のペアインタビューの内容をグループで共有することを行いました。その際、グループで役割を決め、ファシリテーター1名、グラフィッカー1名、タイムキーパー1名を選出し、話し合いのプロセスデザインOARRを意識して話し合いを行うよう話題提供者から提案がなされました。OARRとは、OUTCOME、AGENDA、ROLE、RULEの頭文字を取ってOARRと呼ばれています。各テーブルOARRに戸惑いながらも、なんとか意識をして話し合いをしている様子がみられました。

3)企画会議〜アイデアをだして構造化・収束・合意形成を体験しよう〜

①発散と収束(14:15〜)
インタビューの結果を受けて、どんな定例会を開催したいかをグループで検討することにしました。その際、話題提供者から、話し合いのプロセスである共有→発散→収束→決定のプロセスと先程のOARRを意識して話しあおうという提案がなされました。このワークでも前のワークと同じようにファシリテーター1名、グラフィッカー1名、タイムキーパー1名を選出し、話し合いを行いました。

②企画案の合意形成(14:55〜)
発散と収束というプロセスを経て、合意形成するというセッションでありましたが、発散と収束、合意形成までを場に任せましたので、グループによって、進捗状況は様々であり、発散に長く時間を取るグループ、収束に時間を取るグループ、合意形成に時間をかけたグループと違いが見られました。合意形成の目的は、定例会のタイトル&キャッチコピーを決めることでしたが、そこまで到達したグループは少なかったように見えました。

③バザール(15:25〜)
各グループで作成した企画会議の模造紙を共有し、バザール形式で見て回りました。

4)振り返り(15:35〜)
KPTを使って、今日の企画会議の振り返りを実施しました。 KPTとは、ある期間内の出来事を、「よかったこと、続けたいこと(Keep)」「うまくいかなかったこと、問題(Problem)だったこと」「次に試したいこと(Try)」の3つにわけて、各々の要素をチーム内で抽出していく手法です。今日は、ファシリテーションをたくさん実践したという実感・現場でやってみようという気持ちを味わっていただこうと、このワークでも、ファシリテーター1名、グラフィッカー1名、タイムキーパー1名を選出し、話し合いを行いました。KPTでの振り返りは、他のワークに比べて、比較的参加者が取組やすいように見えました。

5)今日の成果を発表しよう(16:05〜)
企画会議の振り返りをし、結果を共有する会議のプロセスはどうだったのか、各グループ3分以内で発表してもらいました。

6)クロージング(16:30〜)
今日体験したワークについて、話題提供者からのまとめがありました。話題提供者からは、プロセスデザインについての情報提供がありました。ファシリテーションの三角形(1.プロセスデザイン、2.場のコントロール、3.触発・噛合せ、4.合意形成・行動の変化)を意識すること、OARRについての振り返り、起承転結型のプロセスデザイン、発散・収束型のプロセスデザインについての説明、構造化の手法についての紹介と多岐に渡り、充実したまとめが行われました。

参加してくださったみなさま、ありがとうございました。


アンケートより(抜粋)
・ファシリテーションをたくさん体験できた。
・ファシリテーションのプロセスを意識して、話し合いができた。
・OARRを意識することの大切さを知った。
・ワークに手作り感があってよかった。
・KPTをいろいろな場面で生かしていきたい。

話題提供者より
・今回は、定例会を作るプロジェクトを通して、会議のプロセスの他、プロジェクトを作るために必要なことや、そのプロセスについて扱ったものだったので、実務的な要素が強い作り込みだった。最後の振り返りも、話の進め方について考えてもらい、ファシリテーターとして見るべきところについて学びを得られるものになっていたと感じています。進め方に迷う。ファシリテーターとして悩みどころを存分に感じられるものになっていたでしょうか?(もっくん)

・8月定例会はプログラム作りに参加しましたが、当日は参加できず残念でした。
今回のプログラムは、とにかくファシリテーションの「基本を忠実に実践する」こと、
その中で気づきを共有することに重点を置きました。日々の実践の中でも、基本を踏まえつつ、どんどんチャレンジしてスキルアップアップしていきたいですね。(まり)

・参加者のみなさん 全員に「ファシリテーションをたくさん実践した」と思って頂けるように、ファシリテーター、グラフィッカー、タイムキーパー等、様々 な役割を経験して頂けることをめざし、作り上げたワークでした。多少、内容を詰込みすぎな部分もありましたが、それぞれの現場で、直ぐ に使える内容であったと思います。自分も現場で日々 悩んでいるテーマに近いワークショップであり、企画段階から当日の話題提まで、たくさんの学びがありました。(サクラギ)

・コンテンツづくりを通じて、ファシリテーションの全体像が少し見えたように思います。とは言え、自分はまだまだ麓でぐずぐずしていることも痛感。これから少しずつでも、前に向かって歩いていきたい。(Tsume)

・「企画会議をファシリテートしてみよう」というテーマで、みなさんが現場ですぐに実践できる内容で行いました。プロセスデザイン、構造化、KPTなどのフレームワークがたくさんあり、現場で活用することで今回の定例会での学びが深まると思っております。
話題提供者でありながら、企画や定例会のファシリテーター等をたくさん学ぶことができました。(とら)

・今回の定例会は、合意形成のプロセスを体験しながらファシリテーションをたくさん味わっていただけることをコンセプトにして作りました。ワーク中にその気持ちは参加者に伝わっていたと感じられたのが学びでした。(つまぶき)