2014年12月度 定例会報告 「フューチャーセッションに学ぶ〜未来思考のファシリテーションで組織を変える〜」北海道支部

北海道支部 2014年12月度 定例会報告
「フューチャーセッションに学ぶ〜未来思考のファシリテーションで組織を変える〜」
【 日    時 】 2014年12月6日(土)13:00〜17:00
【 場     所 】 ちえりあ(札幌市生涯学習センター)2階中研修室1
【 話 題 提 供 者 】 野村 恭彦さん(株式会社フューチャーセッションズ 代表取締役社長)
【コーディネーター】 Tsume(橋詰 敦樹)、あまね(橋本 あまね)
【 参  加  者 】 37名(うち非会員7名)
1.ワークの目的
イノベーションを起こすファシリテーターについて語り合い、新しい気付きを得る。
2.ワークの概要
(1)フューチャーセッションとは何か
(2)ファシリテーターとしてインパクトを出すために
(3)市民参加で社会を変えるプラットフォームを作るには
(4)フューチャーセッション実践 HOKKAIDOの未来を考える
(5)振り返り
3.ワーク内容
(1)フューチャーセッションとは何か(野村さんからの講義 シアター形式)
 野村さんからフューチャーセッションについて概要を説明
 ペア対話「タイムマシーン」
 フューチャーセッションでは、未来を考えるときに、「フォアキャスティング
 (現状から未来を予測する)」ではなく「バックキャスティング(重大な変化を予期して備える)」
 で考える。バックキャスティングの思考をペアで体験。
 ・「2008年時点で想像しておらず、2014年現在実現していること」についてペアと話し合う(90秒)
 ・「2020年時点に自分がいると仮定して、2014年の自分が全く予想していないが、
   2020年に実現したこと」についてペアと話し合う(90秒)
(2)ファシリテーターとしてインパクトを出すために(野村さんからの講義 シアター形式)
 「当事者だけでなく当事者以外のステークホルダーを招く問いを立てる事が大切である」ことを
 事例を交えて紹介。
(3)市民参加で社会を変えるプラットフォームを作るには(野村さんからの講義 シアター形式)
 「テーマに関心がある人を、そのテーマのフューチャーセッションに導く」あるいは
 「フューチャーセッション同士を結び付ける」ためのWEB上のプラットフォームを紹介。
(4)フューチャーセッション実践 HOKKAIDOの未来を考える(4〜5人のアイランド形式)
【ワールドカフェ】
 各島で「現状から考える北海道の未来(フォアキャスティングの思考)」について話し合う(8分)
 各島に1名を残して、島のメンバーを入れ替えて、
 「理想を実現できた未来の北海道がどんな場所になっているか(バックキャスティングの思考)」話し合う(8分)
 最初の島に戻って「理想を実現できた北海道にするために、何をしたらよいか」話し合う(8分)
 各島で話した内容を全体に報告してもらい共有
【マグネットテーブル】
 各自がA4用紙に「みんなで始めたい自分ゴトのプロジェクト」を書く
 全員起立し、歩き回ってお互いのA4用紙を見せ合い、
 「似たことを書いている人」「化学反応を起こせそうな人」「自分の考えを捨ててもいいと思えるほど良い案」
 いずれかを満たす人とグループを作る。
【ブレインストーミング】
 各グループ、プロジェクトを実現するためのアイデアを30個ブレインストーミングで出す
 (2チームが30個アイデアを出せた時点で終了)
【ドット投票】
 グループ内でブレインストーミングで出たアイデアのうち、良いと思うもの上位3個(または5個)に投票する
【プロトタイピング】
 20分で各グループが未来新聞を作成する
(5)振り返り(サークル形式)
 各グループから未来新聞について全体に報告してもらい共有
 全員が一言ずつ感想を言う
 最後に野村さんより「この未来新聞を実現できないと思っていませんか?」と問いかけ。
 ・どう頑張ってもできない→できる人をステークホルダーとして巻き込むことを考えれば良い
 ・忙しいからできない→結局自分の中のプライオリティが低いということ。自分がやろうと思えばできるのでは?
 「そう考えると、『できないことはない』ということになる」という言葉で終了。
4.話題提供者・コーディネーター・参加者より
■話題提供者からのコメント
【野村 恭彦さん】
FAJ北海道支部の定例会で話をさせてもらうことになり、私は、二つの意味で興奮していた。
一つは、札幌市や函館市のまちづくりにフューチャーセッションを通して関わってきて、
この活動を本格的にカタチにするために、FAJとの連携は不可欠だと考えていたこと。
もう一つは、私自身の「社会を変えるファシリテーター」のあり方に関する仮説をFAJの皆さんにぶつけさせていただき、
そのような未来に一緒に向かって行けるか、ご意見を伺いたかったことにある。
前者については、ぜひ一緒にやっていこうということになったわけだが、肝心要のところは、後者である。
それが受け容れられるかは、今後の「ファシリテーターという職業のあり方」に大きく影響を与えると考えていた。
私自身の主張は、場の進行をサポートするという狭義のファシリテーターを脱し、
「プロジェクトの目的設定から関与し、イノベーションプロセス全般に責任を負うファシリテーター」
という再ポジショニングを業界全体で行うというものだ。
この考え方は、講演とミニセッション全体を通して、
「どうしたらファシリテーターがもっと多くのフィーを得て独立自尊でやっていけるのか」
という問いかけとともに、皆さんにお伝えした。
「ファシリテーター」という職業のステージを皆で、ぐっと高められるか。
私の想いは、言葉では伝わったと思う。
だがまだそれは抽象的で、一人ひとりの状況に合わせた行動に反映できるかどうかは分からない。
これからのFAJ北海道支部のアクションに注目したい。ありがとうございました。
■コーディネーターの感想
【Tsume(橋詰 敦樹)】
野村恭彦さんという素晴らしい話題提供者をお迎えし、
無事、大成功の内に終えることができ、とても嬉しいです。
野村さん並びに、参加の方々に篤く、御礼申し上げます。
もはや、フューチャーセッションの実践に向け走りだした会員もおり、
負けてられるか、とばかりに私も気合を入れ直しています。
フューチャーセッションズ様そして、日本に世界に、明るい未来が来ますように。
【あまね(橋本 あまね)】
初コーディネーターでしたが、Tsumeさんと運営委員の皆さんに助けてもらって何とかやり遂げることができました。
参加者が野村さんのお話とフューチャーセッションのワークに強く刺激されているのが感じられ、
嬉しい気持ちになりました。私自身も野村さんのお話とワークから、バックキャスティングで考える発想の転換と、
当事者以外のステークホルダーを招く社会善を目指した問を立てることの大切さを実感しました。
■参加者アンケート抜粋
・色々なイベントで問いの設定を考えたい。
・「問い」の大切さと難しさ、バックキャスティングの考え方、が参考になりました。
・初めの「問い」立て、次に踏み出すことの大切さを知りました。
・物事を考える際のセッショングループを考える。
・「多様な方とのセッションがイノベーションへ」と感じました。
・思っていたプロジェクトを始めようと思いました。
・まずは自分が関わる対話活動すべてに。結果を出して組織全体に広げたいです。
・地域づくりのため、つなげる役割を担うため、スキルUP!
フューチャーセッションの流れや ワールドカフェで北海道の未来について考える
具体的な実践事例について説明を受ける
「自分ゴトのプロジェクト」について未来新聞を作成中