2015年5月度 定例会報告『人々を動かす!実践ファシリテーション!〜ムーブメントを巻き起こす!その仕組みとコツ〜』北海道支部

『人々を動かす!実践ファシリテーション!
〜ムーブメントを巻き起こす!その仕組みとコツ〜』

【日時】 2015年5月9日(土)13:00〜17:00
【場所】 ちえりあ(札幌市生涯学習センター)2階、大研修室
【話題提供者】平井 雅さん(ラティーノさん)
【コーディネーター】サクラギ(櫻木正彦)、もりもっち(森本 千恵子)
【参加者】47名(うち非会員2名)

【目的】
今回の定例会はファシリテーション力について何かの手法を学ぶことが趣旨ではなく、新たな視点に立って考えてみることが目的。
それをひとりではなく、複数で考えることに意味があると考え。沖縄の事例紹介を通して、「人を巻き込んでムーブメントを起こしていくときに、どのような視点に立って、どのようなアクションからおこし、どのようにプロセスを組み立てていくといいのか?」をテーマに全国の地域社会や会社組織でも応用できるような、関係者を巻き込んでムーブメントを起こしていくために必要な視点について考えを深める定例会であった。

【内容】
13:15イントロダクション
①本日の全体の流れを説明
・前半:アイスブレイク、沖縄離島に関する知識や前提の確認
・後半:ワークショップ、振り返り
②本日のゴール
地域や組織の活性化に向けて、どのようにプロセスをデザインをするとで
・メンバーの巻き込みを図りやすいかのヒントが得られている
・自分の現場でも応用してみようという気になっている
③話題提供者の自己紹介
平井 雅さん(ラティーノさん)の過去から現在のお仕事、FAJでの活動内容、今住んでいるところから始め沖縄県と北海道の比較まで

13:30アンケート
始めにファシリテーションをどのぐらい知っているのか?5段階で手あげ、その後。
定例会に参加した理由は個人的のため?仕事のため?
ニューヨークと沖縄のどちらに住みたい?
ファシリテーションの学びは現場から?勉強から?
以上の質問を「絶対〇〇」「どちらかと言えば○〇」の4択の中から自分の答えを決めてグループ内で共有。平井さんが狙うゴールに少しづつ近づけて行きながらのアイスブレイク。

14:00情報の共有
後半のワークショップに向けて、平井さんが実践した経験から「沖縄の離島の実情に関する知識」と「実際の地域活性化のイメージ」を共有。
実施地区の現状と課題、事業の目的、支援内容、支援にあたっての基本方針など地域活性化の取り組みに関わる上で大切な要素を詳しく伝えて頂いた。

14:40休憩

14:50ワークショップの進め方→プロセスデザインワーク
協働が求めれている現場では、より多くのステークホルダーを巻き込む力が成否のカギを握っています。この力は広い意味で総合的なファシリテーション力と言える。
ワークショップでは参加者がチームとなり、あるコンサルタント会社のコンサルタント/ファシリテーターチームに扮して、住民が主体的となって地域振興に取り組めるようになる「プロセスの支援」方法を話し合い「事業計画案作成用ワークシート」を完成させることがゴールとした。
ポイントは、細部にこだわるより、どのようにしたら推進委員会メンバーの個性を活かしながら巻き込み、さらに島民を巻き込んでいくのかにフォーカスすること。

16:00他の島巡り、全体シェア
成果の共有はバザール形式、各チーム説明者1名を残し、あとの全員が席を立ち他のチーム成果、特に「巻き込みのポイント」に注目し聴いて巡った。これを2回。

16:30 振り返り 問いかけ
平井さんからの問いは以下の2つ
「今日起こったことから我々は何を学べるでしょうか?」
「今日の収穫はあなたの現場でどう活用できそうですか?」
グループ毎に話し合い、その後、話したい人が全員に向けて話した。

参加者の声
今回のワークショップを体験して、障害者自身もファシリテーターをやらせてあげたいと思った。与えられることに従うのではなく、自分たちのことは自分で決めるようになれば良いと思う。プロセスを体験することで納得感が生まれるのではないか。

すごくレベルの高いグループに入ってしまった。
始め、なにをしたらいいんだ?と思った。プロセスではなく人の中身に入ってしまった。
一緒のメンバーが始めに進め方を決め、途中途中でチェックしながら進める。違っていたら直ぐに方向転換する柔軟性に驚きました。とても参考になりました。

17:10 終了

【話題提供者平井 雅さん(ラティーノさん)】
40名を越えるご参加をいただき、北海道の皆さんの「熱さ」を実感しました。アイスブレイク代わりのグループ内トークでも、一気に雰囲気が熱を帯びるのを感じました。南端沖縄の地域振興の事例を元に、ムーブメントを巻き起こすために必要なことを考える内容でしたが、北海道の地域事情をお聞きするにつけ、南北の違いはあっても、お互いたくさんの共通点があることを感じました。
初めて参加される方も古株の方も分け隔てなく積極的にご参加いただけたのも嬉しかったです。私が一番お伝えしたかったこと----つまり、私たちがファシリテーションを学ぶ目的は、単なる手法の習得ではなく、人と人との協働によって何らかの成果を上げること----にたくさん共感をいただいたことも収穫でした。準備や運営に関わってくださった皆さま、どうもありがとうございました!

【コーディネーターの感想】
今回の最大の学びは、この会話でした(笑)
参加者:「目を合わせた?」 話題提供者:「いいえ、あなたが私を見たのです!」
あとは
関わろうとしている地域の方々や組織員は勿論のこと、自分達のチームを構成している人たちに対しても「巻き込み」が大切であることを実感しました。
一人ひとりと深く理解し合う、一人ひとりの遣りたいことに働きかける。できること苦手な事を伝え合い、補い合い、協力し合うことで目的に向かう力にしていく。そこにファシリテーションが必要なのだと。

【参加者アンケート抜粋】
①定例会に参加して「実践」に結び付けられるような気付きがありましたか?(抜粋)
ファシリテーターとコンサルタント、両側面の必要性を感じた
ワークショップは収束段階でのファシリテートが自分は弱い事が気づきました
「そそのかし」の大切さ
信頼関係の構築の重要性とそのアプローチの大切さ
自分自身の弱点に気づいた、恐れずに経験(実践)をしていきたい
目的、ゴールを明確に理解して話し合いを進めないと迷走することが気づきの一つです
コンテンツに注力しがちなところをプロセス管理に持ち直すことにやや苦労しました
人の心に対するアプローチの大切さ

②今日の学びをあなたの「実践」にどう活かしますか?(抜粋)
現在実際にまちづくりに関わっているので「5つのチェック項目」に当てはまったプロセスデザインになっているか見直します
社員に対しての信頼関係をつくる
テーマをしっかり押さえながら関わるように実践していきたい
打合せ、会議の進め方でOARRの大切さがわかりました実践します。
自分からのアイディアを提案する(したい)のをこらえて...「どうすれば実現すると思いますが?」と言ってみます
地元のまちづくりの現場で「人の心」にフォーカスしてみます。

 

 オープニングから手あげアンケートへ  ステークホルダの巻き込み方を話し合う

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  それぞれ発表に向けて準備中!          島巡り、全体シェア