2016年2月度 定例会報告 『対立解消の突破口!? 〜プロコン分析で対立意見を見える化・構造化してみよう〜』北海道支部

北海道支部 2016年2月度 定例会報告
『対立解消の突破口!? 〜プロコン分析で対立意見を見える化・構造化してみよう〜』

【 日   時 】 2016年2月6日(土)13:00〜17:00
【 場   所 】 ちえりあ(札幌市生涯学習センター)2階大研修室
【 話題提供者 】 つじやん(辻真弘)
【コーディネーター】 とら(藤嶺和隆)、ともえ(中川朋恵)
【 参 加 者 】 36名(会員20名、運営13名、非会員3名)

1.ワークの目的
「プロコン分析」を使って対立意見を見える化・構造化することにより、対立解消への
切り口が見つかる事をグループワークにより体験的に理解する。

2.ワークの概要
(1)プロコン分析を使って、対立、意見を比較する
(2)なになに分析を使って対立の背景を比較する
(3)ワーク1「札幌市で自転車の歩道通行を許可してほしい」によりプロコン分析
(4)ワーク2「?定年制70歳制の導入 ?除雪業者への支払方法の変更について ?公休
週3日制の導入 ?スマホの駅構内使用禁止について」によりプロコン分析
(5)グループ発表
(6)振り返り

●13:05
2.ワーク内容
《アイランド形式(5名または6名/島)》 最初の座席はフリー
■イントロダクション
辻やんから「自己紹介」、「本日のワーク説明」を、資料を用いて説明。
■座席決め(5分)
プロコンについて「知っている/聞いた事がある/聞いた事がない」でグーチョキパー
アンケートを行い、レベルが混ざるよう着席。
■アイスブレイク①(10分)
自己紹介(今日呼ばれたい名前、どこから来たか、2つに分かれて対立したことを一人
ずつ考え、その後グループで共有。
■アイスブレイク②(5分)
グループに平仮名のカード14枚が配られ、ことわざを発見した。
「ひゃくぶんはいっけんにしかず」(百聞は一見にしかず)

●13:25
■ワーク①「プロコン分析 テーマ共通」(25分)模造紙、プロッキー使用
「札幌市内で自転車の歩道歩行を許可して欲しい」に賛成か反対か、グループ内で全員
同じ立場に立ち、順番に各理由を考える。その際、誰の立場での意見かを明確にする。
次に、具体的な理由を確認し、各意見の背景(目的・おもい)を抽出し比較する。
●13:50
■解説(10分)
つじやんから「なに?なに?分析」について説明。
賛成/反対意見をそれぞれ出し、なにが具体的な理由なのか確認、そして、それぞれの
立場でなにを大事にしているのか目的、思いといった背景を抽出して比較する。これに
よって気付きがあり、場合によっては意見が変わることもある。
●14:00
■ワーク①の振り返り(45分)
グループ内で自グループの説明員ひとりを残し、その他は特派員としてその他のグループの
分析状況を聞く。
特派員は自グループに戻り、他グループ状況を報告し、各自で気づきを共有。

 (休憩 15分)

●15:00
■ワーク②「プロコン分析 テーマ自由」(75分)模造紙、プロッキー使用
プロコン分析、なになに分析をテーマ自由で実施した。テーマはサンプルや自己紹介で
提示したもの等からグループ毎自由に選択し決定。
各グループで、プロコン分析、具体的な理由確認、背景までを話し合い、最終的に
賛成/反対を決めた。
順番にグループ発表を行い共有。

●16:15
■解説(まとめ 10分)
つじやんから、プロコン分析となになに分析の効用について説明。
対立している原因は2つのパターンが多い。ひとつは、反対意見を考えていない、理解
しようとしていない。もうひとつは、意見が対立しているのではなく、背景が違う。
それぞれプロコン分析、なになに分析で対立を解消できる。
例えば、東京から1時間離れた田舎に引っ越すというテーマでは、子供の育成環境が
大事で賛成の母親に対し、子供と過ごす時間が大事で反対の父親がいる。双方
「子供」が大事だったことに気付き、建設的な対話に変わる可能性がある。

●16:35
定例会終了


3.話題提供者・コーディネーター・参加者より

■話題提供者からのコメント
【つじやん(辻真弘さん)】
<コンテンツ>
東京でやった振返りから、いくつか変更を行いました。
一番大きな変更点はプロコン分析のルールに「意見に主語を付けて述べる」
を追加した事で、混乱が起きずスムーズに議論進んだが、逆に参加者の学び
が少なくなってしまったように感じました。
プログラム変更した事に加え、今回参加者のロジカル思考レベルが高かった事
(=このワークとの相性が良い)が原因と思われ、参加者次第で難しいな〜と
思いました。
<進行>
先に書いた通り、ロジカルな参加者が多かったため、スムーズに進行出来ました。
みなさん、ありがとうございました。

■コーディネーターの感想
【とら(藤嶺和隆)】
プロコン分析は、昨年の東京支部イベントに参加をして「こんな分析方法があるんだー」
と衝撃を受け、北海道支部定例会での話題提供者のオファーを1年前から行い今回の
定例会開催となりました。
私にとってプロコン分析のワークを2回体験できたことは、学びを深化させ現場で
活用していきたいと思います。東京支部から「ますら〜」も来ていただき感謝いたします。
つじやん、ますら〜、定例会参加のみなさんありがとうございました。

【ともえ(中川朋恵)】
FAJに入会して2年近く経ちますが、プロコン分析を知りませんでした。対立する現場は
よくありますが、パワーの強い方の意見が通ることが多いです。理由を考え、背景(目的、
おもい)まで落とし込むと、賛成/反対が変わったり、建設的な答えが出たり、様々な
気付きがあることを体験できました。
席決めの方法、アイスブレイクなども参考になる事がありました。
個人的にはサブコーディネーターいう機会を頂き、今回前泡、泡会にも初めて参加しました。
準備から当日までとらさんにお任せ状態でした。みなさん、ありがとうございました。

■参加者アンケート抜粋
・ いろいろな立場からの考え方を出す事で社会全体が見えてくる。自分と反対意見にも
良いところがあるのがわかったし、自分の足りない面もあることがわかった。書くことで
客観的に冷静に判断できる。
・ プロコン分析が北海道初上陸で体験できたことは大変良かった。ただ、初体験する者
にとってはフレームの提示の仕方をもう少し丁寧にしてほしかったです。(賛成意見を
出すときに「するメリット/しないデメリット」と捉えた人と、「するメリット/する
デメリット」と捉えた人がいて混乱が起きた)
・ 同じ立場に立って、両方の意見を考えることで"自分の"視点を外すことができ、相手
の言い分を客観的に聞く事ができると思いました。また、メリット、デメリットだけ
ではなくその背景に注目し、表面的なことだけではなく、深い思いまで考えられることを
知りました。対立が生れた時(対立しそうな時)は、早めにプロコンをしたいです。
・ 目的は何?背景は?というところを大事に対話すると平行線のディスカッション
も改善できるかも・・・と思いました。
・ 私は意見を聞くときに反対するネタを察していることがよくあります。プロコン
は一度両方の立場に立つことから自分が思いつく「相手の意見の良さ」はないか
という観点でものを見ることができるので、自分の意見のデメリットを丁寧に検証
できるという気付きがありました。
・ 営業活動上、顧客に対する提案の幅が広がるという気付きを得ました。
・ ステークホルダーの多い=対立が多い、まちづくりの現場で実践してみます。
・ 自分の考え、経験にないことを急に言われると「フッ」と冷静になれ、立ち止まっ
て考える事ができました。
・ 職場で使えそう。自分自身が意思決定する際のセルフフレームワークとしても使えそう。