2019年2月度 定例会報告 『経験代謝』で関係の質を上げる ~語りの力を体感しよう~北海道支部

日   時: 2019年2月2日(土)13:00〜17:00(12:40受付開始)
場   所: ちえりあ(札幌市生涯学習センター)2階「大研修室」
       札幌市西区宮の沢1条1丁目1番10号
参 加 者:  21名(会員11名、運営9名、非会員1名) ※話題提供者、コーディネーター含む
コーディネーター : まつ(松原 健)
テ ー マ: 「『経験代謝』で関係の質を上げる ~語りの力を体感しよう~」
話題提供者: タカオ (佐藤 貴啓さん、FAJ北海道支部 支部運営委員)


■定例会趣旨

今回の定例会では、話題提供者自身がキャリアコンサルティングの資格取得に向けて学ぶ中で、キャリアコンサルティングに
おける人との関わり方が、ファシリテーションにも通じる、活かせるものがあると感じた。その学びをシェアするとともに、
どんな活かし方があるのかということを考えるほか、「キャリアコンサルティング×ファシリテーション」の可能性を一緒に
考えたい。




■タイムテーブル(概要)

13:00 オリエンテーション<アイランド5島>
    (1)簡単な自己紹介と話題提供しようと思ったキッカケ
    (2)ワークショップの目的、ゴールの説明
    (3)キャリコンってこんな感じ・・・(動画を見て雰囲気を知る)
    (4)ワークショップ全体のおおまかな流れ、グランドルールの説明
    (5)島内で自己紹介(「私の好きなもの・こと」をテーマに「語る」・「聴く」のウォーミングアップ)

13:20 ミニセミナー1/『経験代謝』とは?
    (1)キャリアコンサルティングとは?
    (2)経験代謝とは?
    (3)経験とは?
    (4)人と問題を切り離さない

13:35 ワーク1/筆談ロールプレイ(2人1組、話し手1名・聴き手1名)
    (1)インストラクション
    (2)筆談ロールプレイ(7分ロールプレイ。役割を交替して2セット実施)
       筆談でロールプレイを実施。聴き手は、話し手の言葉のどこに着眼したのか、「事柄、出来事」には下線、
      「気持ち、意味付け」には波線、「自己概念の影」は枠で囲んだ上で、問いかけを行う。
       ※筆談で実施することで、言葉の応答に追われることなく、経験代謝の着眼点に触れてみる。
    (3)島内でやってみた感想をシェア

14:05 ミニセミナー2/語りを促す技法
    (1)かかわり行動、かかわり技法
    (2)(伝え返し+開かれた質問)with『経験代謝』
    (3)外在化『人が問題なのではない、問題が問題なのだ』
    (4)受容、共感、一致

14:20 休憩

14:30 ワーク2/ロールプレイ(3人1組、話し手1名・聴き手1名・観察者1名)
    (1)3人組を作って陣取る
    (2)インストラクション
    (3)ロールプレイ(7分ロールプレイ+5分振り返りを1セットとし、役割を交替して3セット実施)
       ※語ってみる、語りを促してみる、を通じて、それぞれの効能を体感する。フィードバックを受けて、
        自分のコミュニケーションの特徴やクセを知る。

15:40 振り返り(ORIDを使って)
    (1)個人ごとにORIを付箋紙に書き出す。
    (2)島ごとにORIを模造紙に纏める
    (3)バザールで各島の模造紙を見て回る
    (4)最後に、Dを個人で検討して付箋紙に書く。
    (5)Dの内容を島内でシェア。

16:10 クロージング/タカオの仮説(意図開き)
    (1)「語る」ことで深まる自己理解、自己理解の深さは他社理解の深さにつながる、自己理解の深さ以上に
       他者を理解することはできない。→ 自己・他者理解の深まりが組織の関係性を高める。
    (2)キャリアコンサルティングは、「受容、共感、一致」の姿勢で語り手との信頼関係を構築しながら
       進めるため、人とのかかわり方にも応用できるのではないか?
    (3)経験代謝とORIDのプロセスの相似。経験代謝は個人の振り返り(内省)をファシリテートすることと同義。
    (4)経験代謝は組織の関係の質を上げる。ファシリテーションは「組織の成功循環モデル」において思考の質と
       行動の質に直接影響しやすいが、それらの前段としてある関係の質を上げる上で経験代謝という手法は有用と
       考えられる。

16:15 ワークショップ終了

16:15~16:40 参加者から話題提供者への一言感想を即興で実施<いす・サークル>




■話題提供書のコメント

タカオ
初めての話題提供、緊張もありましたが、参加していただいたみなさんのあたたかい雰囲気を感じて、尻上がりに
場に入ることができ、最後は楽しんで前に立てていたように思います。参加者のみなさん、サポーターのみーさん、
コーディネーターのまつさんに支えられて、チャレンジ完遂できました。ありがとうございました。「語る」ことに
よる自己理解の深まり、キャリアコンサルティング的なコミュニケーションによる信頼関係の構築、受容・共感・
一致の姿勢など、キャリアコンサルティングを学ぶことは、ファシリテーターとしての在り方を磨くことに繋がる
ように感じますし、その在り方が組織の関係の質を上げることになるのではないか?との思いで、今回話題提供
させていただきました。参加者のみなさんからの感想、アンケートでの回答をいただいて、多様な感じ方があるなぁ
と感じますし、それが自分の経験代謝サイクルを回してくれるのを感じています。みなさん、大きな学びをいただき、
本当にありがとうございました。



■コーディネーターのコメント

・まつ(松原 健)  
タカオさん、お疲れさまでした。初めての話題提供者とは思えない進めぶりであり、内容もわかり易く明示いただき、
ぜひ次も話題提供をしていただきたいと思いました。一方、コーディネーターとして初めて参加し、要領が悪かった
ほか、緊張で抜けも多く、参加された運営委員の皆様のフォローや参加者の方々の温かい視線に助けていただきました。
普段の仕事ではコーディネーターやイベント司会など経験することがないこともあり、それだけで十分学習の機会となり、
かつ通常の定例会でも知見を得て、「1粒で2度おいしい」といった印象を持ちました。ありがとうございました。




【参加者から話題提供者への一言感想(抜粋)】

・話し足りないと思ったが、それが自身の振り返りや次への原動力になることがわかり、とてもよかった
・はじめは戸惑いが感じられたが、コラムなどプログラムがすべてつながっていた。内容の濃いプログラムで
 あったが、時間内に終わっている。人にまっすぐ向き合うなど大事なことを思い起こせたし共有できた。
・経験代謝について初めての概念であったこともあってなんとなくの状態、もう少し深めるアクテビィティが
 あっても良かったのではないか。できれば、本日のゴールについて達成度を項目ごとに教えてほしい
・過去のFAJ以外での行われたセミナーの意図がわかり、ためになった。
・筆談ワーク→目で理解して「書くのはアリ」と思った。一方で筆談は音声とギャップがあり、難しいとも感じた。
・キャリコンと(過去にFAJ以外で学んだ)コーチングと何が違うかわからなかったが、プログラムそのものは
 体系づけて理解できた
・キャリコンとファシリテーションの結びつきについてテーマが弱かったと思われ、次回の発展回が待ち遠しい
・ワークの時にミニセミナーがあったが、手元に情報がなかったので資料があると良いと思った
・初めてとは思えない素晴らしい振る舞い、改善点として質問タイムや島が少なかったので各島で話したことを
 共有する時間を設けてもよかったと思う
・筆談など書くワークが多かったので盛り上がっているか、気になったが静かに盛り上がっており、内容として
 満足するものであったようだ


■アンケート抜粋

(1)定例会に参加して「実践」に結び付けられるような気付きがありましたか?
 ・情報の伝達にスタンプが有効
 ・「人」と「問題」を切り離さないこと、事実と情のバランス
 ・問題は問題として外在化してみる事、聴き手の返し方により話の方向が変わること
 ・質問を構造的に学べました
 ・聴き手として①事柄②気持ち③自己概念の影ということを学べた
 ・事実と思いを分けて質問する答えることが有効である
 ・構成も内容もとても素晴らしかったです
 ・言葉にすること、話すことの大切さ、取り組みの方向について学べました、まっすぐに人に向き合うことを
  意識していきたいです
 ・すべては聴き手が決めると思った
 ・「問題の外在化」は意識して育児や後輩との対話に活かしたいです
 ・「筆談」「伝え返しをして開かれた質問」「事実と気持ち」を分ける、これは質を上げて使います
 ・問いを作るとき、フォーカスする部分を何処にするのか、気づきがあった
 ・傾聴を意識する(複数)
 ・経験を学びに変えるための「経験代謝」 ・経験代謝の概念や外在化など
 ・文書、メールの際はよく考え、見直して発信しているが、対話の時はあまり考えて発信したり、特に聴けて
  いなかったと気付きました

(2)今日の学びをあなたの「実践」にどう活かしますか?
 ・職場コミュニケにスタンプ
 ・観察者を置いた対話をやってみたくなった
 ・会議等で進行する際にどう返すかについて今回のことを意識して実践してみたいと思う
 ・まずは1ヶ月対話で意識していきます
 ・日常的に聴き手として①事柄②気持ち③自己概念の影を意識して行こう
 ・会社の会議やセミナー開催に活かします
 ・自分の想いを気づけるように話をさせてあげたいし、自分の気持ちにも気づけるようになりたい。
  Fの基本はまず向き合うこと、ここは私のスタート地点と同じでした
 ・夫婦の会話、介護の現場、会社の会議などで活かしたい
 ・ニーズの掘り起こしや自分自身で気づいてもらう時の技法として活かしたい
 ・傾聴の説明をするとき、今日の内容を使います
 ・相手が言葉で発する感情を感じ取る→相手の求めている方向へ進むことでスムーズなコミュニケーション!
 ・話を能動的に聞くことの難しさを改めて感じました、場面に合わせた話の聞き方を意識していきたいです
 ・問い立て方や面談などで活用できそう
 ・考えながら「聴く」習慣をつけていきたいと思います

(3)本日の定例会、また今後の定例会に向け、ご意見・ご要望等をご自由にお書きください。
 ・素晴らしいファシリテーターになれると思います
 ・各グループの話した内容を共有する際に一人残る等をすると、より深く共有できたと思った
 ・再登板を望みます(複数)
 ・「金の糸」期待しています(複数)
 ・キャリコンの技法をファシリテーションにどのように活用できるかをもっと聞きたかったです


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