第41回 :2007年4月17日 編集術とファシリテーション関西支部

第41回関西地区研究会 議事録

■日時 :2007年4月14日(土) 12:50〜17:10
■場所 :きらっ都プラザ(京都産業会館)
     7F 京都織物卸商協同組合 会議室
■参加者:会員60名+大川氏

■テーマ:「編集術とファシリテーション」
■担当 :編集工学研究所 ISIS編集学校頭取 大川雅生氏(ゲスト)
     アシスタント 加藤

■概要:情報によって創造性を発揮するための普遍的なメソッド、
 "編集術"の入り口を皆で体験し、発想力を育てるヒントをつかむ。
 最後に編集術とファシリテーションとのつながりを考える。

■内容
 ◇準備:6〜7名で一つのチームを構成

 ◇アイスブレイク(30分)
  ・各チームで「自分をお菓子にたとえたら何?」で自己紹介
  ・次に、各人からあがってきたお菓子の中からチーム名を決定。
   各チームの名前は:チョコ柿の種、丸ごとバナナ、ウイダーイン
   ゼリー、ジャンたま、かた焼きせんべい、するめ、パチパチ君、
   ポン菓子、おまけつきグリコ、パウンドケーキ

 ◇ミニレクチャーと練習??(30分)
  ・情報の編集とは、つまるところ「変・換・代・替」
  ・練習?:各チームで「○○変える/換える/代える/替える」
   という述語をなるべくたくさん挙げる
  ・練習?:読み換え
    −コップを読み換えてみよう
    −ペンを読み換えてみよう
   最初のうちは普段のコップやペンに縛られた読み換えしか出てこ
   ないが、大川氏の角度を変えた問いかけで、読み換えがスラスラ
   出てくる。

 ◇考察とミニレクチャー(20分)
  ・いったい何をしたの? 何をしたから急に発想が湧いてきたの?
   → 皆の意見:文脈/時間/空間/場面/状況といったコンテク
   ストを変えた、見る立場を変えた、用途を重ね合わせた、元々の
   名詞を外し存在そのものとしてとらえた
  ・レクチャー:(分子)/(分母)の分母を変えたと考えるとよい。
   (図)/(地)の地を変えたと考えてもよい

 ◇練習??(70分)
  ・練習?:「蛙」を分子にして、分母と読み換えのセットを一人ひ
   とりでたくさん出す(例:映画−メインキャラクター、ツボかび
   −犠牲者、小学校−解剖の対象、金−貯金箱)
  ・練習?:新聞広告を題材にして、分子と分母のセットをたくさん
   見つける

 ◇練習?(20分)
  ・新聞記事からメインタイトル、サブタイトル、イラストを白塗り
   で潰したものを読み、それぞれの言葉や絵を自分で考える練習

 ◇練習?とミニレクチャーと練習?(60分)
  ・練習?:「今年に入ってから買ったもの」をなるべく具体的に、
   4分で30個あげる。小さいポストイットに書いて貼りだし
   → 人によっては結構苦戦、10個ぐらいしか出なかった人も
  ・自分に規制をかけずに〜自分のフィルターを上手に外して、どん
   どんアウトプットできることが大事。そのためには自分が「時間」
   「空間」「想起」のどの連想に強いのか癖を知って、切り換えら
   れるようになるべし
  ・練習?:今度は並べ替えてみよう
    −まず値段の高いもの順に (客観的基準で)
    −次に気に入っているもの順に (主観的基準で)
    −最後に、ファシリテーターにとって重要な順に
               (第三者的価値観の基準で)
   そして、各チームで出てきたものを大きく3つのグループに分け、
   しかもお菓子のチーム名に関連づけて、私達のめざすファシリテ
   ーションはこれだ!を表現してみる
  ・各チームより発表
   アウトプット例:
    −丸ごとバナナ:24時間喜びで包むファシリテーション
            (1)いつでもどこでも手に入る
            (2)みんな満足
            (3)丸ごと包み込まれる
    −するめ:お子様から夜のお供までいつでもどこでも
            (1)しぶとい
            (2)皆に愛される
            (3)場面を選ばない
    −ウイダーインゼリー:10秒チャージファシリテーター
            (1)見た目かっこいい
            (2)速く効く
            (3)便利
    −ジャンたま:異質なものをつなぐ
            (1)編みこむ
            (2)集める
            (3)カタチにする

 ◇感想(10分)
  ・編集術を体験してみた → ファシリテーションにどう役立つ?
    −「分母」の考え方を知っておくと、発散で視点を変えると
     きに役立ちそう。固定観念をやぶることができる
    −発言者の背景を理解するのに役立ちそう
    −合意の土台となる

■感想
  ・編集術そのものを頭の鍛錬として楽しんでくださった方が多かっ
   たようです。また、編集術とファシリテーションという未知の取
   り合わせに頭を巡らせるのもちょっとした刺激でした。

  ・はじめての体験の人は「なんやこれ?」っていうのと「おもしろ
   そうやね」というように分かれるかもしれません。ファシリテー
   ションについて「読み替え」をすると面白かったかも。
  ・ワークを楽しむことはできたのですが、直感で感じ取ったものに
   枠を後付けであてはめているように思えて「どうしてこういう考
   え方をするんだろう?」と思っていました。やっぱり、結局直感
   で得たものには勝てないんじゃないか!?
  ・柔軟な視点の切替、あるいは視点の分類に役立ちそうです。
  ・リフレーミングに通じるものがありそう。

  ・部屋が暑かった!  

  ・大川さんの低音の効いた声に聞き惚れました。
  
  
                                                                                              
編集術とは・・大川雅生氏            読み換え、読み替え、                                                                                                                                             今年に入って買ったものは・・         分子と分母すなわち地と図です                                                                                                                          目指すファシリテーションは・・        円山公園散りかけの桜を見ながら・・