第44回 :2007年8月18日 オープンスペーステクノロジー(OST)を体験しよう!関西支部

第44回関西支部定例会報告 

■日時 :2007年8月18日(土) 11:00〜17:00
■場所 :たちばな 職員研修センター(神戸)
■参加者:59名
■担当 :岡本(健)、三木、灰谷、大野、谷口、香取

■テーマ
  「オープンスペーステクノロジー(OST)を体験しよう!」
   〜「お悩み相談」をOSTの話合いのプロセスを
     適用し、お悩み解決とOST体験を習得する〜

■概要
 OSTでは場づくりを大切にしています。目に見える形でファシリテーターが、
プロセスをコントロールしません。ファリテーターの役割は「参加者が自分達の
可能性を実現できるような時間とスペースを作り出す」ことであると考えられて
います。アプローチはシンプルですが、場づくりのためのたくさんの仕掛けがな
されています。
 また、OSTは、新製品の開発や疲弊した組織の再生など、大規模で複雑なコン
フリクトの多い課題に対して効果的です。OSTを通じて、話合いの場作りの方法、
参加者による自己組織化のアプローチを体験し、現場で活用してもらうことを狙
います。

■内容
 ◆はじめに(場づくり)
  ・広い会場に椅子が大きな一重の輪になって並べてある←参加人員分
  ・壁面には4つの原理、一つの法則、蜂と蝶の絵が貼られている
  ・輪の真ん中にはA4の紙数十枚とプロッキーセットが床面に置かれている

 ◆解説1 OSTとは(20分)〜サークルの内側をゆっくり回りながら説明
  ・OSTは?テーマに関心ある人が集まり、?主体的に課題を生み出し、情 
   熱と責任を持って本音の話合いを行い、?問題の共有とアクションプラ 
   ンをスピーディに生み出す、全員参加型のワークショップ
  ・ハリソン・オーエン氏が開発。欧米、インド、南米、アフリカにおいて5
   人から1000人のグループで活用され、効果をあげている
  ・アトランタオリンピックやポストアパルトヘイトの南アでも活用実績
  ・商品の開発、企業の合併、地域コミュニティサービス、民族対立にいたる
   まで混乱と対立を解決と大きな成果を生む実績をあげる
  ・基本概念は西アフリカの小さな村、アメリカインディアンの伝統、東洋の
   思想など世界の知恵から学び入れている
   
   
 ◆解説2 4つの原理と一つの法則、蜂と蝶の存在そして気づき(10分)
  ・4つの原理
   ?「ここにやっきた人は誰でも適任者である」
   ?「何が起ころうと、起こるべきことが起こる」
   ?「それがいつ始まろうと、始まったときが適切な時である」
   ?「それが終わったときが本当に終わりなのである」
  ・一つの法則
   「主体的移動の法則」〜どのように時間を使うかはあなたの責任
   →バンブルビー(ぶんぶん蜂)〜ミーティングからミーティングへ移動
   →バタフライ(蝶)〜飛び回っているあるいは休んでいる
  ・「えっ!という感覚を大事にしてください」
  
 ◆プログラム〜OSTのプロセス
 1.アジェンダ設定(50分)
  〜セッションテーマ、時間・場所を当事者が自己組織化
  ステップ1 テーマ出し→各人が課題を輪の真ん中へ来てA4へ記入し発表
  ステップ2 コミュニティ掲示板へ→タイムスペースマトリックスから場所
       と時間の書かれたポストイットをとり、テーマと起案者の書かれ
       たA4ペーパーとともに掲示板に貼る
  ステップ3 順次発表、時間・場所を予約し、掲示板に貼付け、席に戻る
  ステップ4 オープンスペースマーケットを開催→全員が掲示板の前に集ま
        り、セッションに申込み。関心あるテーマにサインアップ
  
→26名が発表、テーマ出しされた
<ランチタイム>

 2.セッション1(90分)→13テーマ貼りだされ、10テーマに絞られ実施
 3.セッション2(90分)→13テーマ貼りだされ、9テーマに絞られ実施
 4.セッション内容全員閲覧(20分)→模造紙にテーマ、リーダー、参加者、内容
  をファシグラでまとめ、会場壁面に貼り出し、全員でじっくり閲覧
 5.振り返り→マイクをトーキングスティック代わりにして回し、全員が一言感
  想を述べた
   
 ◆最後に〜OSTの概要のペーパー配布
   →10分ほどで解説しつつ、総振り返りを予定していたが会場時間切れで配
    布のみに終わった   

 ■感想(岡本、三木、灰谷)
 OSTについて香取さんの指導を仰ぎつつ、ハリソン・オーエン氏の真髄に少し

 でも近づければとチャレンジした。「個々人の主体的な取組みと情熱こそ、

 人と組織が最大のパフォーマンスを上げることが出来るのだ」という考えは私の

 想いにぴったり合っている。それを実現するための方法としてOSTは手答えあった。

 すでに一社依頼されているが今後とも積極的に活用したい。
 皆さんにとっても日頃のミーティングや会議にはない、蜂や蝶の登場は新鮮な

 刺激であったようだ。誰かが感想でいっていたが、蜂や蝶という比喩的表現がその

 役割についてすっと理解できたようだ。但し、蜂が議論伯仲のなかどのように議論に

 入っていくか、どのようにその場を去るかは難しかったと泡の会での意見もあった。

 テーマの設定や会場の設営、時間の割振り等の課題も残したが実りある一日で

 あった。

 〜支えていただいた運営委員のみなさま、当日参加していただいたFAJメンバーの

 皆さまのご協力に感謝を込めて〜

 

   

 テーマ出し・・みんなの悩みや課題・・いっぱい出ました   「蜂」は飛び回ります            

   

 テーマ別に話を深めます。「蜂」も「蝶」も出現します。     話し合いの成果